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仮 表現の自由と曲解  作者: さとう さと
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序章

アラームを止め、歯磨きをし、いつもより高いコーヒー豆を手に取り淹れていく。出来上がったコーヒーを片手にリビングへ向い、空いている片手でテレビのリモコンを操作しながら慣れた手つきで、いつものニュース番組へと局を変更していく。

いつものように女性のアナウンサーが淡々と情報を述べていく中、ふと一瞬険しい表情をし、さっきまでとは少し低めの声で次のニュースを話した。


「続いてのニュースです。昨日10月21日未明、神奈川県横浜市にある空き家で、身元不明の女性の遺体が発見されました。

警察によりますと、発見されたのは午前4時ごろで、遺体には激しい外傷があり、事件に巻き込まれた可能性が高いとみて捜査を進めています。


遺体は、室内で正座をし、両手を前で組むような姿勢をとっており、顔や脚の一部には強い損傷の痕が確認されています。警察は、第三者が関与した可能性があるとみて、詳しい死因や身元の特定を急いでいます。」


ニュースを一通り読み終えた後、コメンテーター数人とアナウンサーが事件について考察をしていた。いつもだったらこの時間は、テレビを切って仕事の支度をしていた。だが、少しニュースが気になってしまったので少し悩んだ末このまま聞くことにした。


「一部では、宗教的な儀式を連想する声も出ています。」


「特に気になるのは、空き家という閉鎖的な空間と、遺体の置かれ方です。これは過去の事件でも、新興宗教や小規模な信仰集団が“外界から隔絶された場所”で儀式を行ったケースと重なります。」


「もちろん断定はできません。ただ、“祈る姿勢”“損傷の集中箇所”“人目につかない場所”がそろうと、単なる殺害とは異なる目的があった可能性を考えざー」


途中だったが、テレビの電源を切った。暗くなった画面を少し見つめ、ふとある青年が思い浮かんだが雲のようにすぐに流れてしまった。画面がしっかりと暗くなったのを確認し、朝の支度を始めた。

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