表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

30/103

【第30話】王城からの刺客!しかも相手は〇〇〇〇?!

末元による学院襲撃騒動の後、FODは一時中断となり、再開は未定となった。


その為、今週からは通常通りの授業がおこなわれる。


そして今まさに、授業開始前の朝のHRが始まっていた。




~フォルティス魔法学院 1-A教室 にて~



毎日のようにおこなわれるHRだが、今日は普段と大きく違うことが一つある。


いつも通り、巨大な黒板の前に立つセシル。


その隣に、見慣れない生徒が一人立っていたのだ。



既に1-Aのクラス連中はザワつきが止まらない様子(主に女性陣の)だが、セシルはそのままHRを進行する。


「えー、今日からうちのチームに新しい生徒が入ることになった。 じゃ、皆の前で簡単に自己紹介をしてくれ。」


「はい! 皆さん初めまして、レイリス=ヴィルターナと申します!本日からよろしくお願いいたします!」



レイリスと名乗る青年は、いわゆる"イケメン"と呼ばれる人種だった。


ひと際目立つ赤髪に、白い帯締のようなもので綺麗に束ねた長い襟足。


身長は180cm前後で、服の上からで分かりずらいが、肉体はかなり鍛え上げられている。



なにより、見るものすべてを虜にするような、整った中性的な顔立ち。


そう、紛れもなく彼はイケメンなのだ。


そして彼の高スペックぶりは、それだけでは収まらない。



「知っている奴も多いと思うが、レイリスはエルグラント王国の最大戦力、"ヘカトンケイル"の一員でもある。」


ヘカトンケイルとは、要は国王陛下を守護するための騎士団のようなもの。


レイリスは幼い頃、会う人すべてから天才と呼ばれるほどの才能の持ち主だった。


しかし、両親はそれだけでは飽き足らず、剣術・武術・魔法の極意を叩き込み、完全無欠の戦士に育て上げた。


まさに、エリート中のエリートなのだ。



「単なるヘカトンケイルのいち団員ってわけじゃないぞ。 中でも彼はNo.3の勲章を与えられた、現役バリバリの超戦士だ。」


「セシル教官、紹介が少し大袈裟すぎますよ。 ナンバーズなんて飾りでしかありませんから。」


「すまない、あと私は教官ではなく先生だ。」


「おっと...これは失礼いたしました、セシル先生。」


この男、イケメンで実力も超エリートというだけなく、性格まで"よく出来ている"ようだ。



無論、クラスの女性陣は既に心を奪われ始めていた。


『キャーーレイリス様ーー!!!!』

『こっち向いてくださーい!』

『もうダメ...美しすぎる...』



「はいはい静かにー。 レイリス、君の席は右奥の一か所空いている所だ。」


レイリスが席に移動する最中、クラスの女性陣の大半は目を輝かせながら見つめている。


ファンサービスを分かっているのか、レイリス本人も軽く会釈しながら席へと向かった。


(...こいつが昨日、シルヴィアが言ってた護衛役ってやつか)




~昨夜 ニヴルヘイム城 玉座の間 にて~


学院から王城に戻ったシルヴィアは、父親である国王陛下に、末元が犯した襲撃事件のことを全て話した。


勿論、末元がシルヴィアの過去を知っている風だったことも含めてだ。


「――という事件がございました、お父様。」


「ふむ...その末元という男が何者なのかは分からぬが、元凶の見当くらいはお前もついているだろう。」


「はい、ほぼ間違いなく帝国関係の者かと...」


「ああ...帝国が絡んでるとなると、学院に知られるのは私としても避けたい。 そこでだ――」


国王陛下としても、シルヴィアが末元に命を狙われていることを学院に知られたくない様子だった。


詳細は不明だが、複雑な事情があるのだろう。


かと言って、シルヴィアをそんな環境に何の対策も取らずに置いておくわけにもいかない。



そこで国王が提案したのが、「護衛役」を送り込むこと。


護衛役の条件は、学院に入学できる年齢かつ、実力に絶対の信頼がある人物。


15歳~18歳の若さで、国王陛下から信頼されるような人物。


この国には、その条件にピッタリの人物が一人いた。



「明日からレイリスを護衛役として、学院に派遣させることにする。」


「レ、レイリスを?! 彼が騎士団から抜けたら、どれほどの痛手になるか――」


「我らの団員を侮るでない。 確かに戦力は大幅にダウンするが、お前の身の安全が第一だ。 レイリスが付いていれば何の心配もいらんだろう。」


「私なんかの為にそこまで...感謝いたします、お父様。」




~その後 フォルティス魔法学院・学院寮 にて~



「――ということがありまして、レイリスという方が私の護衛役で学院に来ることになりました。」


「そ、そうか...それならシルヴィアも安心して学院生活が送れるな、良かった!」


シルヴィアの護衛役が同じ学院にやってくるなんて、光としてはあまりいい気はしないだろう。


仮にも光は勇者になる存在であり、その使命は国を救うことだけでなく、シルヴィアを守ることも含まれているはずだ。



現実的に考えれば、凄腕の護衛役を付けるというのは、的確な判断だろう。


しかし、解釈の仕方によっては「光はまだ国王に完全には信頼されていない」とも捉えられる。


勿論、国王はそんなつもりはさらさらなく、ただシルヴィアにとってより安全な環境を作る為に下した命令のはずだ。


とはいえ、基本ネガティブ思考の光は、やはり少し複雑な気持ちのまま明日を迎えたのだった。




――キーンコーンカーンコーン...


「じゃあ一限目はここまで。 二限目は実技だから遅れんなよー。」


授業終了のチャイムと同時に、レイリスの席の周りに女生徒の人だかりができる。


『レイリス様、サイン頂いてもいいですか!?』

『入学した目的とかってあるんですか!?』

『好きな女性のタイプ教えてください!!!(直球)』


「あはは...サインなんて僕には無いよ...それにしても学院の生徒は皆元気だね。」


入学当初のシルヴィアを囲む光景とダブっているが、その時は男女双方が囲っていた為、少々異なる。



(イケメンは凄いっすねえ...さて、移動するか)


光が教室から出ようとすると、珍しく元クラスメイト三人衆に話し掛けられた。


と言っても、天谷 愛華だけは変わらずガン無視状態だが。



「三刀屋、お前あいつどう思うよ。」


「レイリスさん?だっけ、王子様っぽさがあるよねー。」


九条と木乃葉は他の女性生徒とは違い、レイリスを特別視しているわけではないようだ。


それもそのはず、光を含む転生者からしてみれば、シルヴィアやレイリスはただのクラスメイトでしかない。


逆に、それ以外の生徒からしてみれば、芸能界で活躍するアイドルが転校してきた感じなのだろう。



「...一言でいうなら、あいつみたいな奴は苦手だ。」


「まあそうだろうな。 私もあーゆー胡散臭そうなのはあまり好きじゃない。」


「大丈夫! 光くんの悪魔魔法の方がかっこいいよ!絶対!」


「木乃葉、悪魔魔法じゃない、エグゼキューターな...」


しかし、こうして元クラスメイトの彼女らと、普通に会話が出来る今の生活をなんだかんだで楽しんでいる光。


こんな生活が一生続けばいいとまで思う時が、たびたびあるのも事実だ。



何気ない会話を交わしたあと、光は教室から出た。


「あれー、三刀屋くんじゃーん! 昨日ぶりーじゃーん!!」


「ナギサ・トワイライト...さん。」


廊下に出た途端、横からやかましい声が聞こえてきたと思ったら、いつかの電撃娘だ。


相変わらずテンションも話し方もおかしい子だが、ルックスはいつ見ても可愛さ全開である。



「てか、ナギサさんって教室となりだったんだな。 全く分からなかった。」


「大丈夫大丈夫! 私もFODまでは三刀屋くんなんて存在すら知らなかったから!!」


「あ、そうですか...すいませんでした...。」


「いいっていいって!! じゃまたねー!!」


嵐のようにやってきて、嵐のように去っていったナギサは、今度は同じクラスの生徒と楽しく話し始めた。


頭のネジが数本飛んでるのは間違いないが、持ち前の明るい性格のおかげで、人間関係を築くのは得意なのだろう。


(あの子はいつも元気だな...少しくらい分けて欲しいくらいだぜ)


ナギサのテンションの高さに気疲れしつつも、光はトボトボと授業をおこなう場所に向かった。



国王陛下から直々にシルヴィアの護衛役として抜擢された、レイリス=ヴィルターナ。


16歳という若すぎる年齢ながら、エルグラント王国最大戦力において、No.3に君臨する彼の実力は計り知れない。



そして、ある意味ライバルとも呼べる存在の出現。


この出来事が、はたして光の学院生活にどのような影響を及ぼすのか――

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ