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武器はそれぞれ、両手剣、片手剣と盾、杖、杖で布陣は、前衛に剣士、中衛に勇者、後衛に魔女と神官だな。
「さて、田舎もんに格の違いを見せてやるよ。シビルとジェナは後ろで待機しててくれ。」
「りょーかーい。」
「分かりました。」
そう言い、勇者と剣士が武器を構える。
ステータスを見た限り、弾装を使うまでもないが、とりあえず、徹底的に潰す。
ヴァイスとシュヴァルツが漆黒に変化する。
「弱体弾」
被弾した相手のステータスを減少させ、弱体化させる特殊弾を使用する。
勇者も剣士も躱せず、被弾する。
「けっ、痛くも痒くもねぇな。行くぞ、クラージュ。」
「あぁ、所詮、ザコはザコだな。」
二人で一斉に距離を詰めてくる。
こいつら、バカか。減少率は低くしたとはいえ、気づいていないのか。
「おりゃあ。」
最初に俺のもとにたどり着いた、勇者が剣を振り下ろす。ヴァイスで受け止め、勇者を蹴り飛ばす。
「「ぐうぇ。」」
後ろにいた剣士を巻き込み、勇者は飛んでいく。
「ちょ…ちょっと大丈夫。」
「大丈夫ですか、勇者様。」
もといた位置まで飛んでいった。
勇者たちは、すぐに起き上がる。
「くそ、調子に乗りやがって。シビル、支援魔法をジェナは特大の魔法を。エペ、お前も全力で行くぞ。」
「わ…分かりました。」
「りょ…りょーかーい。」
「当たり前だ。こんなに苔にされたんだ。両腕を斬り落としてやるよ!!」
やっと、本気を出す気になったか。
神官の魔法の詠唱が終わる。
「支援魔法:ストレングス。」
勇者と剣士の体が光る。
「行くぞ、エペ。」
「おう。」
先程より、早いスピードで迫ってくる。
まぁ、それより早いスピードで勇者の懐へ潜り込みヴァイスを体に当て、魔力弾を撃つ。思っていたより、勇者たちは、弱そうだったから、込めた魔力量は、最低の1だ。
「ぐべぇ。」
またしても、勇者は飛んでいく。剣士は別の方向から、迫ってきているため、今度は巻き込まれずに済んだようだ。
「くらえ。」
迫ってきた、剣士は片手剣を振り下ろしてくる。
それを、完璧にみきり、銃身で受け止め、魔力弾を撃ち剣を弾く。
「な!!」
剣を弾かれた、剣士は盾を構えようとするが、後ろに周り込み、魔力弾を撃つ。
「ぐばぁ。」
勇者同様、剣士もふき飛んでいく。それと同時に、魔女の詠唱が完了したようだ。
「上級魔法:ファイヤーストーム」
火嵐が俺めがけて、迫ってくる。
両銃を火嵐にむけて、特殊弾を撃つ。
「吸収弾」
念のため、左右2発ずつ撃っておく。
被弾した火嵐は、俺に当たる前に、霧散する。
「「「「なっ!!」」」」
驚いている、神官、魔女、剣士に魔力を多く込めた、特殊弾を当てておく。
「睡眠弾」
睡眠弾は、被弾した相手を眠りに誘う、特殊弾だ。ただ、被弾した相手が強いと、効果は薄いのだが、どうやら、あの3人には関係なかったようだ。
「おい、どうしたお前ら!!」
勇者が、他の3人に声をかけているが、起きる気配はない。
「もう、終わりかい勇者様?」
「くそ!! 光魔法:ライトアロー。」
そう、勇者が言うと、光の矢が俺めがけて、飛んでくる。
かなりのスピードだったが、なんとかギリギリで、躱す。
「へぇ、やるじゃん。」
称賛を送ると、気を良くしたのか、魔法について、ペラペラしゃべる。
「当たり前だ!! 俺は勇者だぞ。勇者限定の光魔法は、無詠唱で使えるんだよ。だから、諦めて死ね。光魔法:ライトアロー。」
先程より多い、光の矢が、飛んでくる。
完全に俺を殺しに来ている。躱すのは、難しそうなので、すぐに、俺は、ヴァイスを弾装:天使に変化させ、特殊弾を撃つ。。
「結界弾」
俺の前に出来た、透明の結界が、光の矢を弾く。
結界弾は、様々な結界を作り出すことの出来る特殊弾だ。
「なっ!!」
「もう、おしまいかい、勇者様?」
「くそくそくそ!! 限界突破!!」
勇者は、光輝き出す。
「死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
今までで、1番早いスピードで俺に迫り、剣を振り下ろす。
「結界弾」
「そんなんで、防げるものかぁ!!」
勇者の一撃が、結界弾にぶつかる。
バキンッ
飛ばされたのは、勇者だった。
飛んでいった、勇者は、そのまま動かなくなる。死んではいないようだ。
「ドンマイ、勇者。でもまぁ、最後の一撃は良かったよ。」
最後に使ったのは、結界弾:反射結界。敵の攻撃をそのまま跳ね返す結界を作る結界弾の奥義みたいなものだ。
ヴァイス・シュヴァルツをホルスターに入れる。