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アイテムやステータスの確認は終えた。
「それじゃあ、試し撃ちをしよう。」
そう言い、右目を閉じ、左目に魔力を込め、遠眼を発動する。
「!?」
魔力を込めすぎたのか、一気に視界が代わり、少し気持ち悪くなってきた。う、何だが吐きそう。
それも、少し使っていたら、徐々に馴れてきた。吐き気もおさまった為、本来の目的をはたしますか。
「それで、モンスター、モンスターと。」
景色が草原から森に変わる。すると、すぐにモンスターが見つかった。
それは、緑色の肌に汚い腰まき、手には錆び付いた武器やこん棒を持っている。俗に言う、ゴブリンってやつだろう。ここからの距離は大体、5㎞と言ったところだろう。ただ、なんだか数がやたらと多いな。見える範囲でも、100~200体、それも、全員同じ方角に歩いているみたいだ。
遠眼に更に魔力を込め、その先を見てみると、何と街があった。門の前では、街の兵?や冒険者らしき人物たちが、慌てているみたいだ。
遠眼を切り、少し考えると、
「まぁ、どこまで出来るか分からないが、いっちょやりますか。」
そう言い、俺はシュヴァルツとヴァイスを抜き、走り出す。
後ろの方で、土が爆ぜ、周りの景色が、凄い勢いで変わっていく。とても、人の出せるスピードではない。流石は、女神様が創ってくれた体だけある。更に力を入れ走る。約5㎞の距離もあっという間に、踏破し、ゴブリンたちの前までやって来た。
最初は驚いていたゴブリンたちも、グキャグキャと笑いながら、手に持った武器を振り上げて走ってくる。
「それじゃあ、この世界に来て、初の戦闘だ。せいぜい楽しませてくれよ。」
最初は魔力弾で戦闘を始める。とりあえず、込める魔力は5に設定する。
2発の発砲音で先頭にいたゴブリン4体をほぼ同時に撃ち抜く。連続早打ち。ガンゲームで俺が得意にしていた技法の1つ。出来るかなと、思ってやってみたが、以外にもしっかり出来た。しかも、威力が強かったようで、後ろにいたゴブリン2、3体もまとめて撃ち抜いていた。
威力は申し分なしと。殺したことに対する、吐き気などや精神的ダメージもない。
「思ったより、早く片付きそうだな。」
そう言いながらも、近づいてきたゴブリンには、体術を駆使し殺す。どんどんゴブリンたちを殲滅していく。
200体くらいはいた、ゴブリンはものの数分で殲滅し終えた。
「ふー。こんなもんか。この体にも、大分馴れてきたな。」
装塡しなくて弾を込められる為、かなり楽だった。自分の体の調子、効率のよい動かし方やシュヴァルツ、ヴァイスの使い心地を確かめながら殲滅し、大体の感覚をつかむ事が出来た。
「ただ、弾装を使うまでも無かったな。」
シュヴァルツとヴァイスを腰のホルスターに入れようとした時、更に森の奥から、大量のゴブリンたちがわらわらと出てきた。
俺は口の端をつり上げ、
「そう、こなくっちゃな。今度は弾装も使ってみるか。それにしても、これはたぶん、どこかに先導しているやつがいるな。」
俺は、再び、シュヴァルツ、ヴァイスを構え直し、弾装を使用する。