放課後2
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ご主人様はトヤくんと別れて帰宅すると、家の前で立ち止まる。
「誰かが侵入しようとした形跡がある。」
ご主人様は家の鍵を点検しながらそうつぶやく。
「仕掛けに引っかかったんですか?」
今、ほとんどすべての家では電子錠を使っているが、ボクたちの家の鍵はあえて、半世紀前の物理的なものを使っている。
その鍵は防犯性が低いともう売られていないが、同時期に鍵屋もなくなり、合鍵を作られにくくなった。
その結果、皮肉なことに安全な鍵として機能するようになったと思う。
そして、ダミーに家の鍵ではない電子錠もどきをつけておくことで、侵入者は電子錠を開けるように誘導される。
その仕掛けに何者かが掛かると、こっそりとカメラを起動し鍵破りをしようとした時刻が記録されるようになっている。
「4時間前からついさっきまでいたみたいだ。」
「変な時代になりましたね、昔ならそんな長い時間うろついてたら通報されたけどね。」
「外でどんなことしていようが、捕まってない人は犯罪者じゃないし安全、ってことになってるからね。」
本当の鍵を開けて部屋に入る。
テーブルと椅子2つ以外はほとんど何もない殺風景な部屋だ。
「侵入者、画像は残ってました?」
「いや、顔は映ってない。けど女の人だね。」
ショウは学校の荷物を無造作に床に置きながら、3Dコンピューターを起動する準備を整える。
「じゃ、ボクは近隣の防犯カメラの映像がチェックしますね?」
今日のボクの容れ物であるご主人様の腕時計の中から確認を取ると、展開し始めたコンピューターに移る。
ボクの姿が画面に映しだされるとご主人様は微妙な顔をする。
いつもそうなのだ。
今日はゆるい黄色のTシャツに短めのジーンズスカートを合わせ、色白の肌を見せるようにアバターを構築して、元気な少女を演出したのに。
ご主人様を悩殺しようとしたのに。
今までもロリから大人、キュートからクールまで試してきたのに、何故かご主人様には一度も刺さらない。
「何が好きなんですか?」
と聞いたことがあるが、
「とりあえずアバターをおじさんにしてほしい。」
と言われたので、聞かなかったことにした過去がある。
アルはコンピューター起動時にアバターをその都度構築して画面に映しだされる設定です。
服装とか募集します((๑✧ꈊ✧๑))