プロローグ1
二話目
ソーラ王国
その国の王は愛妻家で正室のみしか迎えなかった。
世継ぎが出来ればいいのだろうと誰もが思った。
だが子供は出来なかった。
王妃からも側室を迎えるように言われるも王は聞かなかった。
色々な医者に聞き体にいいもの、妊娠しやすくなるようなものを色々試した。
最後には神にも祈った。
結婚して十余年、ようやく子を授かった。
だが王妃はすでに適齢期を越えていた。
医者からは危ないかもしれませんと言われた。
妊娠発覚から七ヶ月後、玉のように可愛い女の子が生まれた。
赤子の方は元気だが王妃の疲労は著しかった。
王も王妃も子供が生まれた事は親として喜んだが王としては難しいところだ。
王はすぐさま話し合いを設けた。
王と限られた家臣のみで話し合いを行った。
王妃の負担を考えると一人子供がで出来ただけでも奇跡に近いだろうと立ち合った医者は言った。
なれば二人目は無理だろう。
だが国の決まりで男児しか王位につけない。
余所の国の王子などどのような馬の骨かわからない。
であれば、側室をもうけ男児を。
王は妻を愛していた。側室などとりたくない……
苦肉の策として女子ではなく男子が生まれたことにしようとなった。
赤子は中性的な名前としてノエルと名付けられた。
ノエルはすくすくと育った、男の子として。
王妃はノエルを生んで一年亡くなった。
王の悲しみ様は尋常ではなかった。それでも国の為に立ち直った王には昔の面影はなくなっていた。
国は衰退の一途を辿ることになるとはこの時誰も予想できなかった。
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