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7話 アンナちゃんと2

「…んん、そっか。寝ちゃったんだ。」


いつの間にか寝てたみたい。

私は抱きついて寝ているアンナちゃんの腕を起きないように解く。その時違和感を抱く。

違和感を抱きながら上体を起こして困惑する。何も身に付けていない自分の身体、視界に入っている横で寝ているアンナちゃんにゆっくりと目を向ける。自分と同じく何も身に付けていないアンナちゃんを見て混乱した。


裸?………え?なんで?裸なの?


「…え?どう……して?」

漏れた声にアンナちゃんが反応し目を覚ます。


「…ん、ん?トモちゃん?起きたんだぁ?」

「う、うん。い、今さっき起きたよ。」

「気持ち良かったねぇ。」


私はアンナちゃんの言葉でさらに混乱した。混乱しながらも掛けてあったであろうタオルケットを引き寄せて身体を隠す。


…気持ち良かった?え?な…なにが?

………裸…私とアンナちゃん……二人とも裸…気持ち良かった……!?そういうこと?!私が眠っている間に?!

…で、でも女の子同士だよ??出来るの??私…アンナちゃんと…エッチな事しちゃったの?


「…ちゃん、トモちゃん!」

「!」

「どうしたの?大丈夫?」

「え、えーっと…私達………」

「私達?」

「……エッチな事しちゃったの?!」

「え…?え?!エッチな事?どういうこと??」

「…私達、裸で、さっきアンナちゃんが気持ち良かったって言ったから…」

「あー。そういうことかぁ。」

「…しちゃったの?」

「……トモちゃん安心してぇ。してないよぉ。」

「え?なに?!その間!?本当はしちゃったの?!」

「ちゃっと考えただけだよぉ。本当にしてないからぁ。セイちゃん達も聞いてみなよぉ。」


私は頬を膨らませてぷんぷんと怒ってますアピールをしてるアンナちゃんからセイに視線を移す。


「セイ?私とアンナちゃん…え、エッチな事…してない?」

セイは上下に揺れる。

「じゃ、じゃあ、なんで裸で……き…気持ち良かったって言ったの?」

「あー。それはね。」


アンナちゃんは私が眠ってしまった後の事を説明してくれた。セイが全身の汚れを消化してくれたみたい。


「セイちゃんのすっごく気持ち良かったんだよぉ。」

「………」

「あれぇ?トモちゃん?顔赤いけどぉどうしたのぉ?」

「……勘違いして恥ずかしい…」

「しょうがないよぉ。裸でぇ気持ち良かったぁって言われたらねぇ?」

「そ、そうだよね?しょうがな「でぇ?トモちゃんは私とどんな事をした想像したのぉ?」」


アンナちゃんはニヤニヤと笑いながら言ってくる。


「え?」

「ねぇねぇ、どんな想像したのぉ?」

「もぉ!…ふんっ!」


私はしつこく聞いてくるアンナちゃんから、そして恥ずかしくてそっぽを向く。


「ねぇねぇ?トモちゃーん」

「きゃっ?!ま、待って!そ、その手で何をしようとしてるの!?」


アンナちゃんはそっぽを向いていた私の胸に触れた後、両手を前に出して開いて閉じてを繰り返して迫ってくる。


「それはぁ、トモちゃんが想像してたぁエッチな事をするんだよぉ。」

「ま、まってよ。私もアンナちゃんも女の子だよ?」

「そうだねぇ。女の子同士でもぉエッチな事は出来るんだよぉ。」

「で、でも…」

「…トモちゃん、私の事嫌ぃ?私はトモちゃんが大好きだよ。」

「嫌いな訳ないじゃん!好きだよ。で、でもいきなりエッチな事なんて…」

「……いきなりじゃなければいいの?」

「え?い、いや、そういうことじゃなくて…」

「………」

「………」


見つめ合う私とアンナちゃん。


私はアンナちゃんが好きだ。でも、エッチな事って好きな異性、結婚する男性とする事だと思ってた。私はアンナちゃんが好きだ。アンナちゃんが女の子同士でもエッチな事が出来ると言った。私はアンナちゃんが好きだ。好きな結婚したいと思う異性はいない。アンナちゃんは家族と同じくらい大切な人だ。

私もアンナちゃんが大好きだ。両思いならエッチな事をしてもいいのか…な?でも、やっぱりいきなりエッチな事は出来ない。まずはデートがしたい。手を繋いで、良い雰囲気でキスをしたい。順序っていうものがあるよね?ん?私はアンナちゃんと手を繋いで買い物したり、カフェに行ったりデートみたいな事をしてた。キスはまだだけど、今ならキスしてもいい流れでは?いやいや、なぜ私はアンナちゃんとエッチな事をしてもいいと考えているの?!


「トモちゃん!ごめん!」

「え?どうして謝るの?」

「ごめん!からかいすぎた。」

「…からかいだったの?」


私はなぜか悲しくなる。


「…うん。で、でもトモちゃんの事が大好きでトモちゃんとエッチな事をしたいっていうのは本当!あ、いや、エッチな事は想像した事があるだけで、したいとは思ってるけど、じゃなくて!あー私何を言っちゃてるのぉ………」


私はそう言われて、悲しみがなくなった。慌ているアンナちゃんの頬を両手で優しく添える。アンナちゃんが目を丸くして固まってる間にキスをする。


「…今はこれで我慢して。」

「…うん。」

「「………」」


うわああ!私何しちゃったの?!何言っちゃってるの?!恥ずかしい…この後どうすればいいの…


ぐうううう、お腹の音が鳴った。


「…ご飯食べに行こうかぁ。」

「…うん、そうだね。セイ、ご飯食べに行くから、起きて。」


私がそう言うと、セイはまるで起きてたかの様にすぐに私の手首に飛び付きリストバンド型になる。


「…セイ、もしかして起きてた?」

セイは起きてたと肯定するようにぷるぷると揺れる。

「……私が起きてからの事忘れて…」

セイはわかったとぷるぷると揺れる。

「…ありがとう。」


隣ではアンナちゃんもラビちゃん達に忘れてねと言っていた。


…まさかみんなが起きてただなんて…恥ずかしすぎる……


「…トモちゃん、行こっか。」

「…うん。」


私達は顔を赤くして部屋を出る。私達は食堂までの道中一言も話さず、着く頃には落ち着いて顔の赤みは引いていた。


食堂に入るとクラスメイト達が席に着いていた。


「私達が最後みたいだねぇ。」

「そうみたいだね。」

「みんな遅れてごめんねぇ。」

「ごめんなさい。」


「そんな待ってないから気にしなくていいよー。」

「大丈夫だよ。」

「みんな揃ったんだし、早く食べようぜー。」


私とアンナちゃんは自分達の夕食を受け取りテーブルに置き、セイ達のご飯も取りに行って、空いている席に座る。

先生が全員が席に着いた事を確認して言う。


「いただきます。」

「「「いただきます。」」」


私達は食事の挨拶を言って食べ始める。セイも元に戻って自分のご飯に覆い被さり消化していく。


召喚されて2日目の夕飯、みんなはいつも通りの雰囲気で、いや、若干楽しそうに夕飯を食べている。


「ねぇ?それってスライムだよね?」

「うん。そうだよ。私が契約したベビースライムだよ。セイっていうの。」

私がセイ、と言うとセイは食事を止めて、話しかけてきた女の子の方を見てお辞儀をするかのように上下に揺れる。

「やっぱり!でもベビースライムなんだね!セイちゃんって言うんだね!私はオタ クロコだよ!よろしくね!」


女の子、クロちゃんがセイに手を伸ばすとセイが身体の一部を伸ばしクロちゃんの手に触れる。クロちゃんは握手するようにセイの一部を握り上下に揺らし笑う。


「おお!ぷにぷにしてる!それにひんやりしてて気持ち良い!」

「だよねぇ。ひんやりしてて触り心地良いよねぇ。」

「うんうん。ネックウォーマーみたく首に装備しときたいね!」

「熱が出た時はぁおでこに貼り付いててほしいねぇ。」

「だね!あぁスライムいいなー。私も従魔クラスが良かったなー。」

「そういえばクロちゃんは何クラスだったの?」

「私は魔法クラスだったよ。もうね…魔法を使う為に詠唱があるんだけど…すっごく恥ずかしいの!」

「そっちも恥ずかしいんだね。」

「どんな詠唱なのぉ?」

「恥ずかしいから後で!この後トモちゃんの部屋に行っていい?」

「いいよ。ね?アンナちゃん?」

「私とトモちゃんのぉ夫婦の時間を奪うつもりだなぁ。」

「…何を言ってるのかな?アンナちゃん?」

「トモちゃんとアンナちゃんいっつも一緒にいるじゃん。私にも可愛いトモちゃんとの時間を分けてよー。」


アンナちゃんとクロちゃんがガシッと手を握る。


「………」

「しょうがないなぁ。トモちゃんの可愛さをぉ知ってるクロちゃんにぃ、部屋に来ていい許可を出すぅ。」

「ありがとうございます!旦那様!」

「旦那様ぁ?それってぇトモちゃんのぉ?」

「そうです。旦那様。」

「さすがクロちゃん、わかってるねぇ。」

「………」


私がアンナちゃんとクロちゃんのやり取りをじーっと見てたら、長い髪を後頭部で一つに纏めてる女の子が話しかけてきた。


「…トモちゃん、私も行っていい?」

「あ、シホちゃん。いいよ。」

「ありがとう。」


シホちゃんはセイやラビちゃん達をちらちらと見ている。そう、シホちゃんは可愛い物好きなんです。


「セイ、こっちにきて。」

セイはこっちに近づいてきてシホちゃんを見上げる。

「シホちゃん。私が契約したベビースライム、セイだよ。」

シホちゃんは膝を折り、セイと目線を合わせて言う。

「私はシンドウ シホです。よろしくね、セイちゃん。」

セイは身体の一部を伸ばす。シホちゃんも手を伸ばしセイに触れる。

「可愛いね。」

「うん。」


アンナちゃんとクロちゃんはまだ変なやり取りを続けている。私とシホちゃんはセイの話をしていると、先生が皆に声をかける。


「はーい。皆一旦席に着いて。」

先生に言われて皆は席に着く。

「皆ご飯を食べ終わりましたね?」

全員が頷く。

「じゃあ、ごちそうさまでした。」

「「「ごちそうさまでした。」」」


「それで明日の予定ですが、午前中は今日みたくスキルの練習して、午後からはパーティー…グループを作って練習をする予定です。グループについては明日説明があります。」

パーティーって4人までかな?とか一緒に組もうぜとか少し騒がしくなる。

「明日の予定を伝えたのでこれで終わりますが、皆からは何かありますか?」

皆は首を左右に振る。

「無いようなので終わります。夜更かししないで、早く寝ましょうね。おやすみなさい。」

「「「はーい。おやすみなさい。」」」


私はセイにリストバンド型になってもらって、アンナちゃん達と一緒に自分の部屋へ向かう。




ーーー




私が気持ち良かったねぇと言ったらトモちゃんが固まって顔が赤くなった。そしてトモちゃんが顔を赤くして上目遣いでエッチな事をしたのか?って聞いてきた時、トモちゃんが可愛すぎて、エッチしちゃったって冗談を言おうかなぁと思ったけど、正直に言った。


勘違いしたトモちゃんをからかいすぎたと思って謝ったら、トモちゃんがとても悲しそうな表情をして私はすごく慌てて言わなくてもいいことまで言ってしまった。


そしたらそしたら!突然トモちゃんが私の頬を押さえてキスをしてきた。そして顔を赤くして今はこれで我慢してだって。え?なにこれ?トモちゃんがキスをしてきたよ。夢かな?でも夢なら覚めないで。というかすっごくトモちゃんが可愛い!!え?今はこれで我慢してって、エッチな事をしてもいいってこと?え?本当?!嬉しい!幸せ!


とか思ってたら、まさか、ラビちゃんコクちゃんハクちゃん、セイちゃんみんなが起きてたなんて恥ずかしい。みんなには忘れてねとお願いしといた。


私は恥ずかしくて顔を赤くしながらも幸せな気持ちでいっぱいでトモちゃんと食堂に行くのであった。

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