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いつかヒーローみたいに君のこと救いたかった




《トラック暴走事故まで六時間四十五分》




 昨夜の死闘を引きずるように空気のざらついた朝。曇天は闇の残り香のように重く太陽の目を閉ざしている。俺にとっては好ましい冷たさ。高校生という昼の職業なりわいにふさわしい顔にゆっくりと戻れる。口の中には、まだかすかに血の味が蘇るけど。

 血は銅の味がする。

 いや、鉄だったっけ? まあ俺はどっちも飲んだことないし知らないけど。なんで金属味なんだよ。ウソくせえな。というか血の味がするのもウソだ。ケガもしてないし、夜中までアニメ観たりラジオ聴いてただけ。眠い。

 近所の業務系スーパーで買った安いコーラを飲みながらバスに乗る。

 同時に、素早く視線を走らせる。同じ制服を着たやつらと高齢者だけだ。怪しいやつはいない。

 もし、いかにもバスジャックしでかしそうな男が先頭に乗っていたら、俺はまず後部座席で何食わぬ顔をしている、サラリーマン風の共犯者を先に特定するだろう。でもそんなやつはどこにもいなかった。いるわけない。バス出発。

 凡百の高校生どもを詰め込んだ車内は、くだらない雑音で満ちている。

 特にカップルっぽい男女の話なんて聞きたくもないノイズ。完全に俺の中で音を消している。うらやましいから。

 部活してそうな先輩後輩の会話もすげぇ嫌い。そんな宇宙食みたいなドリンクをちゅうちゅう吸ってるおまえらより、一・五リットルボトルの聞いたこともないメーカーのコーラ飲んでる俺のほうがよっぽどやべえし。

 そいつを小脇に抱え、入り口近くの手すりにもたれて文庫を開く。ブックカバーなんて軟弱なものはヒロインに失礼だから俺はしない。おまえは、好きな子の顔を隠したまま語り合いたいと思うか? ブックカバーごしに抱きしめたいと思うか? 俺はそうは思わない。あと抱きしめたいから早く枕になってほしい。

 いつもなら、アニメ化したときの彼女のCVと決めている声優の曲も聴きながら読んでいるのだが、昨夜ラジオで俺のメールがスルーされたことにキレてヘッドホン投げたら壊れた。

 世の中は理不尽だ。早く俺も異世界に行って、ヒロインの声を生で聴きたい。

 

「あー、それ知ってるかも。南高のサッカー部でしょ。あたし友だちだよ、たぶん」


 A六判の世界に没頭しているうちに次のバス停に着いてて、女子たちが乗り込んできた。

 俺はとっさに本の表紙で顔を隠してやりすごす。特に理由はないが、同じクラスの女子と教室以外で会うのはストレスだからステルス決めることにしている。

 だから俺は見つかっちゃいないが、通り過ぎていくときに、なんていうか、すっげえ、その、いい匂いがして焦った。

 なんだあいつ。変態かよ。何をつけたらそんなお菓子みたいな体臭になるんだよ。

 小山ハルめ。

「ほらライン入ってた。これ、この顔じゃない?」

「それー。ハル、なんで知ってんの。やらしー」

「彼氏つながりだよ、普通に。サッカー部だし」

 べつに彼氏がいることくらい、そんなしつこく自慢しなくても知ってるし。

 俺は教室でも孤高の存在で通ってるし、現実の生命体にはあまり興味ないから話したことはないけど、小山ハルとかあのグループは声がでかいから、だいたいのプロフは知っていた。

 今の彼氏が高校で二人目だってこととか。あと、なんか遠いとこからバス二本も乗り継いで通ってるとか。

 たまたま小山ハルって女が、ブスばっかりのうちのクラスの中でまあまあまともな顔してたし、いつも大勢の輪の中にいてイヤでも目立つから、なんとなく頭のすみっこに情報として残ってるだけ。特に興味はなかった。

 俺はうるさい車内に内心でやれやれしながら異世界へと戻る。挿絵の異世界ヒロインが、姫騎士ドレスを着てパンチラしながら主人公と腕を組んでいた。

 こんな格好が似合いそうな女子、現実の世界にはそんなにいないし。

 クラスで一人、いるかいないかだ。




《トラック暴走事故まで六時間三十二分》




 豚どもの教室に入る。テロリストはいない。

 今日も平和だ。なんて退屈なセリフを、いつまで俺に言わせるつもりなのか。学び舎という名のZOOめ。

「うわビックリした!?」

 白い物体が、いきなり目の前を横切って壁を跳ねる。ボールだ。おそらく野球とかいう球技の。

「お、千葉。ごめん。投げて」

 モブの男子が俺に向かって手を広げる。しかたなしに俺は拾って投げてやる。

 なんだこれ思ってたより重い。肩を悪くしそう。

「サンキュ」

 そいつはさっさと他のモブとのおしゃべりを再開する。

 さて、と俺は考える。

 まずこいつは俺に謝ったか? あぁ、「ごめん」とか言ったな。拾ってやった礼は? それも言ってたな、たしか。

 じゃあ……キレる理由はないか。命拾いしたなぁ、きみ。俺はキレたらマジで何をするかわからないからな。

 でも、なんだろう。モヤモヤする。なんとなく舐められてる気がする。

 というか謝ったと言えるのか、今のが? もっとこう申し訳なさそうな感じを出せねーの。俺はすげぇビックリしたし、床に落ちたボールも拾って投げてやったんだぞ。

「ん、どうかした?」

 じっと睨んでいたら、そいつが振り返った。驚いたな。俺の《念》を感じ取れる程度の適性はあるらしい。

 俺は「なんでもないし」と、ニヒルな笑みを浮かべ、あえてそれ以上は何も言わずに去った。命までるつもりはないので、《念》での忠告のみに留めておく。

 便利な能力だ。余計なバトルをしなくて済む。

 まあ、こんな個性しちゃってるせいで、俺はクラスでも孤高の存在扱いされるんだけど。

「お、来たな」

 カバンを置くと、隣の席の男が遠慮ない笑顔を向けてくる。

 関口と言って、このクラスで俺と対等に話せる数少ない男の一人だ。つまり、あくの強い連中ばかりのこの学校でも、特にやばいほうのやつ。

「観た?」

 と、関口が聞いてくる。「観た」と、俺もそれだけ答える。

「へっへへ~」

 そして、至高の時間を共有した者同士の笑みを浮かべあった。

 昨夜の空ダン(深夜アニメ『空色ダンジョン~セカンドツアー』)は神回だった。あのシーンは日本のメディア史において長く語り継がれると思う。むしろ永遠に。なにしろ、なんていうか最高だったんだ。語らずにはいられないんだ。

「ゆふみんが『揉みたいんですか?』って胸を近づけるとこ―――」

「雲のゴーレムに竜空挺団が突撃するシーン―――」

 意見が衝突した。価値観の暴走事故だ。

 関口が、メガネをドリブルするみたいに何度も突き上げて顔を赤くする。

「きみはエッチなやつだな!」

「いやいや、ちげーしっ。ギャグだし。もちろん俺もそこですよ。竜空挺団のあれ!」

 つーか、あれってそんなによかったか? むしろ、ゆふみんのちっぱいの柔っこそうな揺れ具合のほうがマジの神作画だったじゃん。

 でも関口なんかにエッチだってバカにされるのも癪だから、話を合わせてやるけど。

「そう、あの場面での団長のセリフが熱い! しかも副団長の、わかってましたってあの感じ―――」

 関口は、自分のほうこそ熱く弁をふるって盛り上がる。俺は適当に相づちを打ったり、ゆふみんのことを考えたりしながら適当に聞き流す。

 一度事故っちゃうと、好きなアニメの話でもなんか盛り上がれない。関口は嫌いじゃないけど、他人の空気を読まないアレがあるよな。まったく。

 教室の真ん中では、小山ハルとかの集まりがゲラゲラ笑ってた。さっきの野球モブが、彼女の背中にボール入れて叩かれたりしてる。

 俺は関口との会話に真剣になり、できるだけ大きな声でしゃべった。



《トラック暴走事故まで四時間七分》



 ふぁ~あ。

 俺は背もたれに体を預けて伸びをする。

 ったく、退屈な授業だ。現代社会なんて学んだって、社会に出てから何の役に立つんだよ。いや、確実に何かの役に立つのはわかってるけど、つまんないんだよ。政治とか。

 なんとなく、まあ、小山ハルのほうでも見てみる。

 頬杖をついて、ノートに何か書いてる。たぶんだけど授業と関係ないこと。教師の似顔絵とか、くだらないイラストが上手いみたいだから。見たことないけど。そういうつまんないことで盛り上がれる連中だ。

 教室という世界は狭い。その狭さを知っているやつは何人くらいいるだろうか。

 ここを世界の全てだと勘違いして、支配者の一人にでもなったつもりで過ごしている連中はゴロゴロいるが、自分の矮小さはきっとわかっていない。

 小山ハルもその一人だ。

 と、みんな思っているだろう。でも、違うかもしれない可能性も俺は感じていた。

 なぜなら、時々すっげえ冷めた顔をしているのを知っているからだ。

 ここではない世界で呼吸をしていた。自分の命と精神をぎりぎりの状況に置いたこともある。その経験者の目をしていた。

 俺もそうだったからわかるんだ。

 小山ハルはひょっとして―――本当は、俺たちとアニメの話がしたいんじゃないかと思うんだ。

 

 そのとき、教室の空気が一変した。

 生温かい気配が降りてくる。影のように。

 その『予兆』が体に触れる寸前で、俺は床を蹴って天井まで飛んだ。背後の黒板にヒビが走り、砕け散るのはほぼ同時だった。

 ほんの僅かな壁との隙間に発現したのは、漆黒のオオサンショウウオを思わせる、小型車ほどの生物だった。

 いや、生物と呼ぶのは正しくない。こいつは異界からのスパムメール。人類滅殺を目的とする自立型敵性情報集合群体『ワーム』が、生物の形を真似ているだけだ。

 それにしても、こいつのサイズはでかすぎる。フィルタが機能してないのか。『ファイアウォール』の公務員どもは何をしている。

 砕け散る教室と机。先刻までクラスメートだった奴らがひと飲みで数人消えた。天井灯を蹴ってワームの背後に降り立っていた俺は、ベルトから『アバストガン《ver.裁截る咆哮》』を取り出して照準を向ける。同時にスマホの画面でアプリの起動を確認する。

 俺の相棒が作ってくれた名もないアプリだ。こいつがアバストガンの反応からファイアウォールのDBを検索し、ワームの正体を推定してワクチンプログラムを精製してくれる。

 だが、いくら彼女が国際指名手配もされている有名な美少女天才クラッカーとはいえ、さすがに世界統合防衛機構のサーバからアプリ一つで拾ってこれる情報は、一世代前のバックアップコピーが限界。このワームがまったくの最新種ならお手上げだ。

 ワームはその太い首を回してこちらを振り返る。見覚えのあるメガネが、その口の端にぶら下がっていた。

 ウソだろ―――。

 俺の隣で、いつもアニメの話ばかりしていた悪友のスケベな笑みがよぎる。

 視界が血の色に染まっていく感覚。だけど理性ギリギリで食い止める。キレるな。また区を一つ壊滅させちまうぞ。あんな痛み―――人生で三度も必要ない。

 しかしバッドニュースは続く。DB照合結果は『該当なし』、つまり敵は新種ジョーカーだ。

 内心で舌打ちしつつ発砲する。ひたすらトリガーを引く。アバストガンとアプリに手当たり次第に検証させて、こいつのワクチンが精製されるまで弾を当てていくしかない。ぶっ殺せるまで、撃て、撃て、撃てだ。

 他の生徒も、ようやく事態を飲み込んで悲鳴を上げて逃げ出す。反応おせーよ。俺が食い止めてる間に、さっさとしっぽ巻いて逃げろ。

 ワームは俺に狙いを定め、ヤリのような触手を口から何本も伸ばしてくる。見たこともない攻撃パターン。俺は床や机を蹴ってかわしながら、やつの体にひたすら弾を当ててデータを採取する。

 アプリにはエラーログだけが溜まっていく。全ての推定から外れる完全新種? いや、まさかだろ。大がかりな変異創成に必要な情報は、三年前に俺たちがつぶしているはず。

 それとも、取り逃がしてしまったもう一つの進化可能性、『亜DAM』が―――

「た、たすけてぇ」

 か細い情けない声が助けを求めている。野球モブ野郎が、腰を抜かして机の下を這っていた。

 ちぃっ、なにやってんだ。

 スマホを尻ポケットにつっこんで、背中からもう一丁のブラストガン《ver.無音の狂乱》を取り出す。どっちも二世代前のベレッタ・モデルだが、ルート化して俺に合わせた調整をしてある。あんまり派手にやっちまうとファイアウォールの連中に見つかる恐れもあるが、そうも言っていられない。

 両手で発砲しながら、机を踏んで飛ぶ。伸びてくる触手を回転してかわし、野球モブの尻を蹴り上げる。

「早く逃げろ、モブ男!」

「あ、ありがとう千葉くん!」

 もたもたと這い出る男の盾になり連発する。しかし肝心のワクチンは当たらない。バッテリー残量が警告の点滅を始める。

 おいおい。せっかく派手に構えてやったのに、先にこっちが音を上げてゲテモノ野郎にぱくりなんて、笑えないオチかよ。

 いいや、それはないね。俺は最初に蹴り砕いた天井灯の中に仕込んでおいた予備バッテリーを――

 

 銀色の刃が、ワームの中心線上を真っ直ぐに走った。

 動きを止めた黒い巨体が、ずるりと半裂きになり、中身の情報体が流れ出てくる。

 崩れ落ちていく巨体の上に立っていたのは、同じ学校の制服を着た女子。右手には日本刀のレプリカを握っている。炎と五芒星を模した柄は、『ファイアウォール』正式装備の証だ。

 短いスカートを翻して着地し、彼女は―――小山ハルは、最新型のアバストガンを取り出して、背後の床にタールのように広がっていく情報体の残骸を撃つ。

 いや、残骸ではなかった。モザイク状の波紋を広げ、活動反応を示しながら消滅した。

 そっちが本体か。つまり敵は最新種の『トロイ』だ。俺が本体だと思って攻撃していたのは、単なる物理攻撃情報体のみの外装だったということか。はいはい、情弱ですみませんね。なにしろ野良なんで。

 クリーニングされた現世の情報。つまり飲み込まれた関口たちの肉体も無事に復元された。あとは、ほっといても目を覚ますだろう。このまま死にっぱなしって設定にするほど俺も鬼じゃないし。

 小山ハルは、銃を下げた俺の眼前に、レプリカ日本刀の先端をつきつける。

「さーて。あなた、一応はホワイトハッカーって感じよね? でも使ってる装備もアプリも完ぺき違法。悪いけど、そっちの取り締まりもあたしたちの仕事だから」

 まさか、高校生の野良ハッカーが同じクラスにいたなんてね。と、小山ハルはあきれたように言う。

 俺だって、『本職』が同じ教室にいるなんて思いもしなかった。しかも女子高校生に偽装するなんて趣味が悪い。

「一緒に来て。本部で話を聞くから」

「話し合おうって空気じゃないけど」

「それはあなたの態度次第よ」

 じゃあ、お話し合いは辞退だな。

 異世界からの情報侵略が頻繁に起こる中、完ぺきな情報統制こそが「最も安全な対策」なんていわれる今の世の中で、どうして俺みたいな野良ハッカーが必要とされてるのか、公務員やってる連中にわかるわけない。

 ま、俺もそこまでの設定はまだ考えてないから、わかんねぇけどな。

「悪いけど、俺もう行くわ。先生には早引きしたって言っといてくれ」

「は? あなた、何をふざけて―――」

 アプリ起動。ストックしていた小型ワームを解放する。発生場所は、クラス全員が加入しているSNSグループに投稿していたスタンプ。俺からの別れの挨拶だ。

「え?」

 小山ハルは、スマホをスカートのポケットに入れていたらしい。お気の毒だな。

 そいつは、化繊が大好物なんだぜ。

「ちょ、やだ、なにこれ!?」

 真っ赤な下着を丸見えにされちまった小山ハルに、「わりい」と軽く謝って窓から飛び出す。

 直下に、タイヤをスリップさせて停まるジープ。相棒の美少女クラッカー『侵略ミラ』が、ゴスロリにゴーグルっていう相変わらず意味不明なファッションでハンドルを握っている。

「待ちなさい! 絶対に許さないからね、千葉セイジっ。覚えてなさいよ~っ」

 やれやれ。それなりに楽しくはあった高校生活おあそびも、これまでか―――

 

 というところで、チャイムが鳴った。

 途端に騒がしくなる教室。妄想を中断された俺は机の上に伏せ、とりあえずここまでのストーリーの考証を始める。

 ふむ。下着の色は白のほうがいいかな。あいつ、ああ見えて処女だし。



《トラック暴走事故まで二時間十一分》



「関口と千葉が今日の買い出し担当だ。俺も一緒に行くから頼むな」

 野球モブが、いきなり声をかけてくるから、焦って思わず笑っちまった。そうしたら同意と取られたみたいだ。まあ、いいけど。

 文化祭とかいう、学校地方伝統の祭りが近く開催されるそうだ。俺にはまるで興味ないけど、一応は買い出し係と大道具係っていう肩書きを拝命している。

 知らないうちにそうなっていた。なんかこう、全員何かやらなきゃみたいなアレで。学校のそういうシステム古いよな。俺のような孤高のための場所もちゃんと用意しろよ。集団行動とか嫌いなんだよ。

「あと女子のほうは浜澤と、アイリとモカ、放課後よろしく」

 え、女子も来るの?

 浜澤さんってのは関口と同中らしく前に一度カードの話をしたことある女子だ。あとの二人はよく知らない。男女三人ずつってことかよ。

 なんだよ、それ。放課後に男女が一緒に買い物って正気か。高校生かよ。

 文化祭だからってハシャギすぎ、おまえら。なんで俺が、女子なんかと街を歩いて、買い物の荷物を持ってやったりとかしないとならないんだよ。

 それで、どうせ途中でゲーセン寄ろうなんて誰かが言い出すんだよ。あの野球モブあたりが言いそうじゃん。

 なんだよ、それ。なんで俺がクラスの女子の前でカードゲームとかやってみせたりしないといけないんだよ。ランカーなのバレるじゃん。そういう自慢みたいなことしたくないっていつも言ってるだろ。

「え~」

 さっき指名されてた女子が、半笑いしながら「つらい」などと言い出す。

「なにそのメンバー。マジで?」

「意味不明。どうしたらそうなるの?」

「いや、買い出しは順番に回すって決めてただろ。それだけだぞ、別に」

「だから、なんでうちらがそこなの。ウケる」

 女子たちは、俺たちのほうを見てイヤな感じに笑ってる。俺たちっていうか、関口のほうっていうか。許せないな、俺の親友に。

 こっちこそ、おまえらみたいのと歩くのマジでイヤだっつーの。鏡を見てから出直してこいって。

「あ、待って。あたしも行くー」

 雰囲気が最悪だったそのとき、なぜかいきなり、小山ハルが手を上げてそんなこと言った。

 全員、ぽかんって顔をした。

「どうして? ハルは舞台出演者だから、裏方は免除だけど」

「いや、あたしミスコンにも出ないとなんだよね。忘れてたんだけど、どうせならバブルっぽいウィッグにボディコンスーツとか着ようと思ってて。経費で払って」

「待ておまえ、ミスコンでふざけるつもりかよ。クラス代表だぞ」

「意味わかんないんだけど。でもハルならわかる」

「絶対ウケる、それ~。うちらも一緒に選ぶから行こ」

 いや、スベるだろ。普通にスベるビジョンしか見えないだろ。ていうか、ミスコンなんて見た目だけのイベントに、わざわざネタなんか入れるなよ。

 そういうとこちょっとムカつく。コンテストなんてどうでもいいっていう余裕ある感じが、逆にイライラする。こっちも別にどうでもいいんだけど、少しは必死になれよ。選んだ俺たちのことも考えろよ。

 みんなに注目されて本当は嬉しいくせに。カーストトップらしく気取ってればいいのに。俺はそういうくだらないの興味ないけどな。

 つーか、買うなら水着とかじゃね。ミスコンって水着審査も当然あるんだろうし。知らないけど。それでアレでしょ。生徒会長とか校長とかの権力あるエロキャラの策略でちょっとエッチなハプニングになったりするわけでしょ。知らないけど。

 まあ、なんだかんだ言ってもうちの代表だし、俺も見に行くけど。行くよ、ミスコン。しょうがないから。

 それにしても。

 よりによって俺が当番のときに一緒に買い出しに行くなんて、いったいどういうつもりなんだ、小山ハル?

 まさかとは思うけど、俺の行動を監視しているんじゃないだろうな?

 念のため、こっちも警戒はしておくか。もしかしたら水着を選ぶイベント発生するとか、そういうのは全然期待してないっつーか興味もないけど。

「予算そんなにないから安いのにして。アフロとか」

「えー。ま、いっか。あたしアフロでいく」

 水着でいけよ……。



《トラック暴走事故まで二十分》



 せっかくの放課後だってのに、なんでクラスの連中に付き合わないといけないんだよな、まったく。

 まあ、頼まれちまったからには仕方ない。さっさと行って、さっさと済ませようぜ。こっちは忙しいんだから。まあ一応、クラスのみんなとご飯食べるかもって母にはラインしたけど。早くしてよ、行くなら。

「ねえ、メールに変なの来るんだけど、これってなんなの?」

「どしたのハル? てかウケる。それスパムじゃん。相手にするなって」

「相手にはしてないけど、こないだからずっとこんな感じ」

「ブロックすれば?」

「してるよ。でもすぐ違うアドレスで来るんだもん。どうすればいいの?」

 つーか、いつまで教室でダラダラしゃべってるんだよ。俺がずっと肩にカバンにかけてるの悪いと思わないのかよ。浜澤さんだって関口だって、さっきから無口じゃん。彼ら、緊張してるぞ。かわいそうに。早く声かけてやれよ。

 チャイムが鳴ったあとも、あいつら遊んでばっかりで用事を忘れてるみたい。

 文化祭はもうすぐなんだぞ。クラスの全員で成功させないとだろ。俺を誘ったのはおまえたちだろ。

「ちっ」

 俺は舌打ちをして窓にもたれかかる。誰も聞いてなかったみたいだからもう一回。ちっ。

「あ、待って。あいつらがこういうの詳しいから」

 野球モブがいきなり振り返るので、俺は焦って歯に物が詰まったフリをする。しかしどうやら俺じゃなくて関口に目をつけたらしく、キョドってる彼の周りを女子と一緒に取り囲む。

 俺は警戒レベルをあげつつ、後ろの黒板を見ているフリを続ける。

「関口、これわかる? ハルのケータイに変なメールがばんばん来るみたいなんだけど。どしたらいいの?」

 なんだよ、俺たちITの大先生に相談かよ。

 そんなのは、ひたすらドメインブロック弾を撃ちまくるしかねえ。もちろんアンチウイルスソフトでガード強化しつつな。撃ち合いで負ければ落ちていくだけの厳しい世界なんだよ。ITは。

「えっと、キャリアメールの方に届くってことだよね? ネットワークのパスワードってわかる?」

「なにそれ?」

「触ったことないなら、初期設定のままだね。キャリアの個人ページ開くけどいい?」

「いいよ、全然。どうするの?」

「受信設定を変えたほうがいいと思う。メルマガとか読んでるのある?」

「え、別にないけど。というかメールってあんまり使わない」

「とりあえずPCからのメールを受け付けないようにするから。あとURL付きのメールも。ほとんどのスパムはこれで一括拒否できるから」

「へー」

 小山ハルは、かき上げた髪を耳にかけて覗き込む。窓に腰かけた足をわざとらしく組んだりして、いやらしいヤツめ。

 おそらくあのいい匂いまでしちゃってるのだろう。関口は下唇を噛みつつ作業して、「これで大丈夫だと思う」とスマホを差し出す。緊張メガネをくいっと持ち上げて。

「ありがとー」

 と、手を伸ばしかけた小山ハルの横から、スマホを受け取ったのは野球モブだった。

「サンキュ、関口」

 スマホを自分のズボンで拭ってから彼女に渡す。「今のでハルのメアドばれたんじゃない?」「つかスパムも関口の犯行?」とか、他の女もニヤついてた。

 関口は、「そんなことしないって」とヘラヘラ下を向く。

 内心でクソデカ舌打ちを決める。

 関口がそんなことするわけないだろ。俺のITの弟子なんだから。俺が育てたんだぞ。

 だがその技術はこんなヤツらを救うためにあるんじゃない。ひ弱で純真な民衆のためにある。あー、さっさと異世界で知識無双したい。こいつらをきっちりザコ扱いして目を覚まさせてやりたい。

 俺らとこいつらの気分の高低差でもうすぐ時空が歪みそうになったそのとき、バシンと、小山ハルが関口の両肩を叩いた。

「ありがと、関口っ。頼りになる~」

 一瞬、場が凍った。

 彼女の顔が至近距離にきた関口だけが、熱湯をかぶったみたいに耳を赤くしていった。

「ちょ、ハル近いから」

「逆に嫌がらせ。こっちもびっくりした」

「え、そう?」

 あっさりと関口を解放し、また俺らを無視してそっちで盛り上がる。マヌケに呆けていた関口が、思い出したようにメガネ上げマシーンになる。

 だから、なんだってんだよ。

 あんなのはアレだ。票集めだ。ミスコンのために関口を籠絡したかっただけだろ。姑息だぞ、クラス代表め。

 ていうか、メール設定をイジるくらい誰でもできるし基本だろ。たまたま俺が、窓辺でたそがれている最中だったから関口が指名されただけで。頼まれればそれぐらいしてやってた。全然余裕。助けてやったとかそういう話じゃない。小山ハルを救ったわけじゃない。

 勘違いはするなよ、関口。おまえはそんなヤツじゃないはずだ。女なんか信じるな。こいつらは顔だけだ。内心では俺たちのことをバカにしている。困ったときだけ持ち上げて、期待させては裏切る。結局は敵同士なんだよ。

 関口は、小山ハルが触れた自分の肩にそっと手を伸ばそうとする。見てられなくなった俺は、小さく咳払いをする。

「あ゛、あ゛ぁん!」

 意外とでかくて、しかも熟女系エロ漫画の喘ぎ声みたいになってしまった。

 しんと静まりかえる教室。野球モブが「そういや買い出しに行かないとな」と思い出す。

 そうだよ。俺は最初からそう言ってたよ。



《トラック暴走事故まで五分》



「でもさ、スパムメールってウケるの多くない?」

「ある。これ見て、『岩田だけどAKIRAさんがアド変したから連絡します』だって」

「やったじゃん、ハル好きでしょ」

「本物だったらどうしようって思ったよね」

「いや、ないから。騙されてるから」

 ぞろぞろと買い物行脚中。学校出た瞬間か二グループに分かれてた。前を歩く野球モブと女子たち。その後ろにつく俺たち。浜澤さんは、先頭グループの尻に距離を置いてくっついてる。

 微妙としか言いようのないこのポジショニング。まあ、横に広がって歩くのはマナー悪いしな。位置に意味なんてないし。

 俺と関口の間にも会話はなかった。学校ではよく話すけど、一緒に帰るとか放課後もラインするとか、まだそこまで仲良くないから。

「あとこれ、『アドレスをクリックしたら異世界に飛ばされたけど質問ある?』だって」

「異世界からどうやってメールしてんだよ」

「あるんじゃないの、ネットとかスマホくらい」

「なにそれ便利じゃん。コンビニもありそう」

「だって異世界系多いよ。『異世界ですが勇者募集してます』とか『今なら異世界スキルガチャSSRチート解放中!』とか。なにを言ってるのかわかんないよね」

「後ろの人たち、引っかかりそう」

 くだらないことを言ってやがる。そんなメールはしょっちゅうくるけど、たまにしか開かねーよ。クリックも時々だよ。

 聞いてて気分悪いし、普通にアニメの話がしようかな。

 だけど関口は、さっきからちょっと呆け気味だ。前の女子の一団。というか特定の女子ばかり意識してるのが見え見えだった。

 関口さん、ちょろすぎませんか?

 かんべんしてよ。まださっきのこと引きずってるの?

 あんなの完全に罠っしょ。イミテーションっすよ。ああいうことを当然のごとく誰にでもやれちゃうからこそのリア充でしょ。

 無理無理。俺たちと人種が違うんだよ。違うのを知っててわざとやってくるんだよ。からかってるだけだからさ。

 これまでもさんざん遭ったことだろ。今も俺のペットボトルのコーラですら軽くイジられてるし。あいつら、他人を下げて笑いたいだけなんだよ。

 最低だよな。信じられない。



《トラック暴走事故まで二分》



 もしも世界が灰色に見えたなら、迷わず次の世界へジャンプだ。

 ガキの頃に読んだラノベのセリフだと思う。タイトルも作者も忘れた。どんな場面で誰が言ったのかも。

 でも俺は、それはいろんな物語を体験しろって意味だと思った。

 一人じゃ全部体験できないくらい世界は物語はあふれている。気に入れなければ次へいけ。先へ先へ。できるだけ多くのコンテンツを喜びをもって迎えるのが俺たちの生きる理由だ。

 だからここがダメならどこか次の世界で。高校が無理なら大学だっていい。なんなら自分で物語を作る側になってもいい。ていうか俺はなる。

 絶望を、同級生なんかから貰うくらいつまらないことはないんだ。それだけの差も俺たちにはない。

 今、隣の関口くんには世界がバラ色に見えているのかもしれないが、俺にはまあ、灰色まではいかなくても醜い配色だなって思える。くだらない買い物はさっさと終わらせて、自分の部屋で好きなものを見たい。変な色づけなんて誰にもされたくねえし。

「な、買い物が終わったらどっかで休んでいかない?」

 野球モブが、女子たちに提案する。

 関口は勘違いして顔を上げる。

 ねーよ。どうせ俺たちは呼ばれない。いとこの車は三人しか乗れないとか言われるやつだ。



《トラック暴走事故まで一分》



「あ、彼でした~」

 そのとき小山ハルのスマホからラインの着信音がして、画面を見た彼女が破顔する。

 野球モブは言葉を詰まらせ、関口はぎくりとしてた。

 おまえら、勘違いしてるなよ。小山ハルには彼氏がいるし、そのことを別に隠してない。イケメンだって自慢もしてる。

 今も、すっげえ嬉しそうな顔してんじゃん。

「ごめん、先に行ってて」

 スマホを耳に当てて、手で追い払うようにして。女子たちは軽くハルを冷やかし、野球モブはバツが悪そうにする。

 俺は、彼氏と通話している女子とか、見ては失礼な気さえして視線を背ける。なんでこっちが気を遣わなきゃならないの。

 小山ハルは、道の真ん中で声を一トーン高くする。

「どうしたのー? 練習中じゃないの?」

 くっだらねえ。

 俺と関口は小山ハルの横を、そろそろと、目立たないように通り越す。

 その瞬間、朝から曇っていた空が、ほんの少しの晴れ間を彼女に落とした。



《トラック暴走事故まで三十秒》



「え、全然平気ー。今ね、クラスの人たちと買い出し中。あはは、そう。アフロにした!」

 朝と同じ匂いがした。

 耳の中を通り抜けた彼女の声がすっげえくすぐったかった。

 世界が何色とか、誰が何色とか、そんなモヤモヤした話はどうでもいい。隣に女子がいて笑ってくれてたらオール完ぺきじゃないかって、男子高校生みたいなことを思ってしまった。不覚。

 無表情を貫き、小山ハルのことなんて考えてないって顔をして、息を吐く。まるでプールから上がったばかりみたいな心臓。

 これだからリア充民は。なんでそう爽やかに笑うの。まるで、俺が勝手にひがんでるだけみたいになるだろ。姑息なチャーミングしやがって。

 関口がまた勘違いしたらどうするんだ。彼氏いるくせに、全世界にKAWAIIを振りまくな。ったく。

 いや、俺は小山ハルなんて可愛いと思ったこと一度もないけどな。

 マジで。本当だって。クソ。

 なんなんだよ、もう……。





《 事 故 開 始 》





「あ、なんだあのトラック?」

 野球モブが道路向こうへ顔を上げる。

 交差点を大きく膨らんで、トラックが不安定に揺れて曲がってきた。

 そのままふらふらとトラックは車線をまたぎ、対向車に急ブレーキを踏ませる。運転手は酩酊しているのかキマっているのか、ここからじゃよく見えない。

「おい、下がってようぜ」

 野球モブがいいこと言った。俺らもさっさと車道から離れてよう。

 俺だったらトラックくらい片手で止められそうな気もするけど、試すのは今じゃなくてもいいもんな。

「あれ、ハルは?」

 野球モブが言う。

 そいつなら、たしか電話中だ。



《異世界転送まで五秒》



「――小山さん!」

 関口の大きな声に全員びっくりした。

 小山ハルも顔を上げたが、なぜ呼ばれたのかわかんない顔をしていた。

 トラックは、真っ直ぐな車道で斜めに傾きタイヤを鳴らす。

 いきなり誰かに突き飛ばされて、俺は足をもつれさせた。



《異世界転送まで四秒》



 ぶつかってきたのは野球モブだった。俺はバランスを崩しながら、飛び出したモブが、カットインしてきた関口とぶつかるのを見る。

 急に華麗なフットワークを見せた関口も、次の瞬間なにかを踏んづけて転んだ。野球モブがもつれたままその上に転んだ。

 黒い液体を噴き出しながらつぶれたそれは、俺の落としたコーラだった。



《異世界転送まで三秒》



 トラックのタイヤはスリップ音をさせながら、スピードを緩めることなくこっちへ向かってくる。

 後ろで誰かが悲鳴を上げた。それがスイッチになったみたいに、もたもたしてた俺の足がスピードに乗った。

 野球モブを踏んづけて、俺は飛んでいた。



《異世界転送まで二秒》



「小山ぁ!」

 初めて声にして彼女の名を呼んだら、急にアドレナリンが増えた気がした。

 アホみたいに固まってる小山ハルに向かって、全力でダッシュする。

 なんだこれ。どうして俺は走ってるの? 次にどうしたらいいの?

 確実にわかることはただ一つ。

 俺は今、世界中の男を出し抜いて小山ハルを目指している。

 足を止めると、たぶん損をした気持ちになる。

 俺がヒーローになるとしたら、今、この瞬間しかないから。



《異世界転送まで一秒》



 いや、この瞬間だけってのはさすがにウソだわ。

 そういえば、幼い頃にも似たようなことはあった。

 夏にばあちゃんの家に行って、そこで日常系田舎漫画みたいな女の子と友だちになり、川で溺れそうになった彼女を俺が引っ張り上げてやったんだ。

 すっげえ感謝されたし、俺のこと命の恩人とか言ってた。じゃあ感謝されてやるよって相手してやってたのに、なんかそのうち距離を取られるようになったっつーか、冷たくされるようにもなって。

 恩人に失礼な態度だぞって教えてやったんだけど、結局ずっと生意気だったし、そのうち遊んでやらないようになった。

 それからいろいろあって俺もアニメとかラノベとか趣味も増え、ばあちゃんの家とかも行かなくなったんだけど、あの子はどうしているかな。元気かな。俺は忘れてたけど、あの子は俺への恩を忘れたりしてないよな。

 ていうか、なんで唐突に昔のこととか思い出してんの。時間も、なんでこんなにたっぷり流れだしちゃうの。

 完全に死ぬ前のムーブじゃん。奇跡の生還後に語るアレじゃん。

 でも、もう止まれない。小山ハルは目の前にいる。トラックはスリップしながらこっちへ向かう。

 いやギリギリ助かるから。こんないきなり死ぬわけがないんだ。

 俺のドーパミンがそうささやいている。今日のヒーローは誰だ。俺だ。彼氏でもモブでも関口でもない。千葉セイジだ。今日の俺は昨日と違う。もう二度とあんな目で見るな。バカにするな。おまえを見返してやる。そうだ。俺はそのために走ってる。俺が俺の世界を変える。

 もう一度、小山ハルの名を呼んだ。呼べていたかはわからないけど叫んだ。スローモーション。なのに感覚だけ鋭くなっていく感じ。後ろで女子が叫んでるのも逃げ惑っているのもわかる。俺は彼女に手を伸ばす。映画みたいに、アニメの第一話みたいに、運命が変わる瞬間を掴みにいく。今、君のすぐそばに。

 そして、スマホ片手に茫然とトラックを見ていた小山ハルは、ようやく俺のほうに気づいて―――「コイツ誰だっけ?」みたいな顔をした。

 世界は灰色で、鉄の味がした。




《JKハルは異世界で娼婦になった》



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