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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

「彼女は世界中にいます」

作者: 夜想曲

「意味がわかると怖い話」のネタバレを含みます。なので一応分類は二次創作物にしておきました。

故に閲覧注意です。

とある夏の日、1人の女の子が行方不明になった。

当時6歳だった彼女の両親は、警察が捜索を諦めてからも諦めきれずに捜索を申し出ていた。

1ヶ月後、両親は大金を叩いてとある有名な霊能力者に依頼をする。能力者はその透視能力を使ってかの幼女の居場所を探り当てた。


「彼女は世界中にいます」


ネタバレをしてしまうと。その幼女は全身を医学的処置により生きたままバラバラにされ、数多くの患者の修理部品として使用されきってしまったというお話である。

……ここまではよくある「少し考えると怖い話」の範疇だ。だが、本当に恐ろしいのはここからである。


全身のパーツが1つ残さず移植手術に使用された彼女。しかしそれでも彼女は生きていた。何故なら遺された脳髄は、都合良く脳死した富豪の娘に移植されていたからだ。

闇社会の犠牲となった少女は富豪の養父の元、別人として数年を過ごすことになる。

その過程で、富豪の娘として生きる彼女は不思議な幻覚を見る。

例えば、それはリハビリが終了し元気にサッカーをしている少年の夢だったり。

例えば、それは生まれて初めてものを見る喜びを感じる少女だったり。

例えば、それは腕の神経が傷付き二度と楽器を持てないと宣告されていたヴァイオリニストの希望だったり。

例えば、それは大火傷の痕跡をやっと失うことができた童女の祈りだったり。

例えば、それはーーー


部品として自らの全てを消費された恨みからか、それとも生きて本当の親に会いたいがためか。不可思議なことに、『彼女達』が移植された人間はその全てが『脳髄ブレーン』と意識を共有していた。

そして気付いたのだ。脳髄(ブレーン)も、部品(パーツ)も。自分達が1人の少女の犠牲の元に救済されていたことに。

そして『彼女達』は少女の名の下に、大きな意識の中に存在することをーーー


事件から12年後、被害者たる夫婦の住む家から1人の少女が出て行く。

「それじゃ、お母さん。ちょっと行ってくるね」

「気をつけなさいよ? 最近は物騒だし、女の子1人じゃ……」

いたって普通の「娘を心配する母親の図」であるが、彼女は不敵に笑う。


「お母さん、忘れたの?」


少女は携帯端末を手遊びながら、本来の(・・・)母親に笑いかける。


「『私達』は1人じゃないんだよ?」



これはとある都市伝説(フォークロア)である。

『その少女探偵は、必ず依頼人の願いを達成する』

『不正や浮気現場、理不尽な暴力などに対する駆け込み寺的な最終兵器である』

『彼女はどんな些細な出来事をも見逃したりしない』

某インターネットサイトにおける、イジメやDVの証拠を必ず(・・)見つけ出す探偵の存在。


人は彼女を、『世界中に目を持つ魔女』と呼ぶ。

どうアリバイを調べても「目撃者」がいる理不尽さよ。富豪さんも2人目の娘にはガチで金銭援助してそうだし資金的にも問題ない。おお怖い怖い

けれどこんな話を思いついてしまった時点でむしろ著作権の方が怖い。

元ネタの作者がいたら名乗り出てほしいものだが


続きませんが、やろうと思えば自分をバラバラにした闇医者や誘拐犯への復讐物語にも、冤罪や理不尽を解決する探偵物語にもなります。

ここから本体を異世界に飛ばして、「パーツ達!ネットとかで色々調べて助けてへるぷみー!」な展開にすることも可能。こわいわー

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