疾走
かけっこは苦手だった
一番になりたいとか
ビリはいやだとか
思ったことはないから
競争心がないと駄目だと
先生にいわれ
お前のせいでチームは負けたと
クラスメイトに言われた
誰かと競って
勝って、それで?
どうして勝つと嬉しいの?
勝った方がいいの?
負けると悔しいのは何故?
負けることは悪いこと?
年に一度の悩みだった
誰も納得できる答えをくれなくて
僕は無我夢中で走った
足を大きく動かして
腕を大きく振って
グランドの砂を蹴りながら
風を味方にして
周りを見ないで、一人ぼっちだと思って
何もかもが流れていって
笑っちゃうほど気持ちよかった
ゴールテープを切ってもまだ走った
勝ち負けなんか吹き飛ばして