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ギレイの旅 番外編  作者: 千夜
いち
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ドルエド国のシエン村

 ドルエドという国がある。

 目立って優れたところもなく、穏やかで農耕を営む人々が比較的平和に暮らしている。

 そこに住むほとんどの人が濃淡はあれど茶色の髪と瞳に、白い肌をしている。


 その国の中にシエン村があった。

 深い森と山に囲まれ、隠れ里の様に存在する村には、黒い髪と黒い瞳を持つシエン人が住んでいる。

 人口五百人余りのこの村は、かつては一つの国だったーー。


 千年も昔、大陸に数多の国が生まれては消えていた頃。

 小さなシエン国は、大国ドルエドに攻め込まれ負けを余儀なくされていた。

 敵国一万の兵に対し、シエンの全てを集めても五百人、戦える者だけならばさらに少ない。

 この時、シエンは滅び去ろうとしていた。


 しかし、シエンの国民は忠誠心が厚く、全員が最後までシエン王を守ろうとしていた。

 一騎当千の力を持った何十人もの戦士達が、シエン王の前を一歩も引かずに倒れては起き上がる。

 何より、戦う力も持たぬ老人や幼子が逃げもせずに武器を構える。


 その姿を見たドルエド王は、この戦士達がただ消えて行くのは余りに惜しいと思った。そしてシエンの国民に向けて言う。


「そなたらの忠誠を私に誓うならば、シエン王の命は助けてやろう」


 このシエン王を人質にすれば、シエンの戦士達がドルエドの意のままに動かせる。

 ドルエド王の思惑に気付き、自国の王を裏切ることはできないと、シエンの国民達は抵抗する。

 だが、それを止め一番最初にドルエド王に膝を折ったのは、シエンの王だった。

 それ以上、大切な国民を傷つけたくなかったからだ。


「我が忠誠をドルエドへ」


 迷いなく頭を垂れるシエン王に、習うように次々とシエンの民が膝をついてゆく。

 ドルエド王は満足し、シエンを単独で一つの領地とし、信頼の深い部下を領主に置く事にした。


 そうしてシエン人の住むドルエド国シエン村が誕生した。

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