ポムと光のつぶ
さあ、夜になったよ。
今日もキラキラ光る、暖かい光の粒を集めて、夢の世界へと一緒に行こうか。
小さな、まん丸の小鳥が一羽飛んできました。
「ぼくは小鳥のポム。真っ白な体に、青い宝石のような目がキレイでしょ?」
ポムは、君が安心して、夢の世界に行けるお手伝いをしてくれるよ。
怖がらなくても平気だよ。
君はゆっくりのんびり目を閉じたまま、夢の世界へ行けるんだから。
まん丸お月様が、ゆっくりのんびり手を振ってくれているよ。
「今日も頑張ったね。夢の世界に着くころにはスヤスヤ気持ちよくなっているからね。」
お月様は、ゆったりゆっくり教えてくれました。
「君は、今日一日うんと頑張ってもうヘトヘトだよね。いいんだよ。ヘトヘトがフワッと軽くなっちゃうのが夢の世界だからね。」
「それじゃあ、お月様が照らしてくれる、森の小道を進んで夢の世界の扉を探そうよ。」
ポムと君は森の小道を歩き始めました。
しばらく進むと池が見えてきます。池の水はお月様に照らされてキラキラ輝いて見えます。
池のほとりの草むらに何かが小さく光っています。それを見つけたポムは君に言います。
「ほら。見つけたよ、キラキラ光る光の粒を。そっと手ですくって胸に当ててごらん。」
君は言われた通りに優しくすくって胸に当てました。
胸の中がポッと暖かくなりました。ポムは言います。
「それは、今日君が誰かに優しくした光だね。」
ポムは続けます。
「君が優しくしたことで、相手の人はこんなに心が暖かくなったんだね。」
胸の中がとてもうれしい気持ちになりました。
君は、そっと笑っていました。
少し安心して、目をつむってしまいそうになりました。
「さあ、行こうか。」
そう言って、ポムは森の小道を進み始めました。
森の小道には、優しい風が吹いています。
その風に背中を押されて、君とポムは歩いて行きます。
少し進むと、星空がキレイな、木に囲まれた森のお花畑につきました。
「いろんな色のお花が咲いているね。君は何色が好き?」
ポムはニコニコしながら君に聞いてきました。
君の周りには、本当にいろんな花が、いっぱいキレイに咲いているね。
君が一番好きな色を探していると、赤い花の横にキラキラ光る光の粒を見つけました。
「光の粒だね。さあ、両手ですくって胸に当ててごらん。」
ポムは、小さくうなずきました。
「だいじょうぶ。ゆっくりでいいよ。こぼれないように、ふわっとね。」
ポムはひそひそ声で話します。
君は両手で大切にすくって、胸に当てました。
すると、さっきよりも少しやさしいあたたかさが、胸いっぱいに広がります。
それはポカポカして、くすぐったくて、でもとても安心する光でした。
「それはね君が今日、がんばった光だよ。」
ポムは羽をふるわせて言います。
「いっぱいがんばったこと、ちゃんと分かってるからね。」
ポムの言葉で胸の中がふわっと軽くなって、
肩や手や足の力が、すーっと抜けていきます。
今すぐにでも、目をつむってしまいそうだね。
お花畑をすすむと、お花たちが今日がんばったことを、ほめてくれるように、いい香りを出してくれています。
お花畑の先には、一本の大きな木が、どっしり生えていました。
とっても大きなその木は、君が10人手をつないでもまだ足りないくらいの太さがあります。
そんな木の周りを、ポムと歩きます。
すると、お月様の光が届かないところに、小さく光る光の粒をみつけました。
君はさっきと同じように大切に両手ですくい、胸に当てました。
さっきと違って少しひんやりした光の粒に君は驚きました。
「それは、今日君が悲しかった光だね。」
ポムに言われて君は悲しかったことを思い出しました。
悲しい気持ちになるのに、なんで光の粒になっているんだろう?君は少し首をかしげました。
ポムは静かにゆっくり君に話しかけます。
「悲しかったこと無理に忘れなくてもいいんだよ。この森のゆったりした時間が、君の悲しいトゲトゲを、そっと丸くしてくれるから。無理にしまい込まなくていいんだよ。」
そっとポムは笑います。
トゲトゲが丸くなる。君は、ポムの言ったその言葉で冷たかった光の粒が少し暖かくなった気がしました。
いっぱい歩いてもうヘトヘト、今すぐ眠ってしまいそうな君にポムは言います。
「これで、今日の光の粒は全部見つかったかな?」
そろそろ森の小道も終わりが近づいてきてるね。
足元の草や花に露がついてキラキラきれいに優しく君を見守ってくれているよ。
まん丸お月様がゆったりゆっくり降りてきました。
お月様の下に、それはそれはキレイなキラキラした扉が1つ。
近づいてみると、扉には3つの穴があります。
ポムは君を見て言いました。
「これは夢の世界へのとびら。3つの穴には光の粒を入れるんだよ。」
君は手のひらの中にある光の粒を見ました。
どれも大切な気持ち。大事にだいじに優しく3つの穴に光の粒を入れます。
光の粒がキラキラ光り、優しい音をたてながら扉が開いていきました。
今すぐ眠ってしまいそうな君にポムは優しく話しかけます。
「今日の夢の旅はこれでおしまい。さあ、目を閉じて。大切な気持ちを心にしまって。」
「おやすみなさい。ステキな夢を……」
ポムは君が眠りにつくまで、そっと君の隣にいました。
4歳から8歳くらいまでのお子さんや、疲れた大人に向けた眠に入れる優しい童話にしてみました。




