第23話 それぞれの明日へ ⑤エピローグ ~あいつはどうした?~
すべてが終わったはずの世界に、ひとつだけ残された影。
それは、かつて不死と支配を求めた男の、成れの果て。
誰にも届かず、誰にも知られず、それでも彼は笑う。
今回は、物語の“外側”に取り残された者の、静かな終幕です。
かつて名を馳せた老魔術師・ダルトンは、生物の能力を強化する魔術に長けていたが、それ以外には何の芸も持たないと自嘲する人物だった。
だがその言葉とは裏腹に、彼の研究は常軌を逸しており、服だけを溶かして食べる怪物を創り出すなど、倫理を踏み越えた実験を繰り返していた。
彼の目的は「不死」と「支配」。
命を弄び、恐怖を操ることで他者を屈服させようとするその姿勢は、冷酷でありながらどこか滑稽でもあった。
シレーネを怪物に襲わせ、アモールを挑発するなど、卑劣な手段を用いて優位に立とうとするが、最終的にはアモールの機転と仲間たちの力によって敗北する。
しかし、彼は死ななかった。
怨念と執念が融合し、霧そのものとなったダルトンは「毒霧」として再び現れる。
物理攻撃も通じず、魔法でしか消滅できない存在となった彼は、封印によって動きを止められることになる。
封印の中で彼が得たものは、支配ではなく孤独。
誰にも届かない笑い声、誰にも聞かれない叫び。
世界にただ一人残された彼は、永遠に反響する氷の中で、自らの罰と向き合い続ける。
そして――――。
パンッ! ピキッ! バキン!!
かつて厚く凍りついていた氷に、徐々にヒビが入り始める。
そして、血のように濁った霧が、割れ目から這い出してきた。
『ふ、ふふふふふ・・・ふっかぁ〜つ』
最後まで読んでくださって、本当にありがとうございました。
これにて『未来のシナリオ』、すべての物語が完結となります。
旅立ち、出会い、別れ、そして再会——
それぞれの想いが交差し、やがて“明日”へとつながっていく姿を、少しでも楽しんでいただけたなら幸いです。
そして、今日は大みそか。
今年一年、たくさんの応援と温かい言葉を、本当にありがとうございました。
新しい年も、また同じ時間に、新たな物語をお届けしていきます。
どうか、来年も変わらぬご縁をいただけますように。
それでは皆さま、良いお年を。そして、明けましておめでとうございます!




