表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ひとでなし  作者: 岩月 宝
3/4

memory-3 萌芽

ん?何故姉が私の原点なのかって?


それを説明するには私の性質とそれを初めて自覚した時の事を話さなくてはな。


私は子供の頃から蝶が好きでね。


良く外に蝶を見に行ったものさ。


しかし、そんな美しい蝶も死ぬ。


美しかった翅がボロボロになり、地面に落ち、蟻に集られる・・・。


私はソレか堪らなく嫌いだった。


美しかった物が醜くなるのが我慢出来なかったんだよ。


そんな時は何時も姉にすがって泣いたものさ。


姉は美しい人だった。


だが、美人薄命と言うのか体がかなり弱く、ほとんどをベッドの上ですごしていたよ。


多分、当時の私は知らなかったが姉の病は治らない類いの物だったのだろうね。


そうでなければ、あの父母が何の手も尽くさずに姉を家に置いておくわけがない。


何か手だてがあれば治そうと手を尽くしただろうね。


姉も自分の体のことは受け入れていたんだね。


だから、あんなに・・・。


いや、コレは関係無いか。


そんなこんなで私は姉を慕っていたんだ。


そんな姉が死んだ。


私は恐怖したよ。


悲しく思うよりも先に姉のあの美しさも死という汚れに侵されてしまうのかと。


・・・今、自分で思い出しても最低だな。


慕っていた姉が死んだ悲しみよりも先に美しさが無くなる恐怖が先に来ている、しかも、それが無意識なんだから。


しかし、そこで終わっておけば幼少期特有の自分勝手さで済んだのだろうね。


全てが狂ったのは姉の通夜だ。


私は姉の美しさが消え、醜くなった姉の遺体を見たくなくて泣きわめき駄々をこねたんだ。


いやだ!見たくない!とね。


父や母は困惑していたね、私はそれまであんまり我が儘を言わな良い子だったからね。


しかし、兄がそんな私を引きずり姉と最期の別れをさせたんだ。


・・・させてしまったんだよ。


棺の中の姉の周りには姉が好きだった白百合が敷き詰められ、死に化粧を施された顔は穏やかで微笑を浮かべているようだった。


私はそれを見て失禁した。


父母や兄は死体を怖がったと思っただろうね。


しかし、違う。


私は絶頂したんだ。


その姉の遺体の美しさに。


その時、私の中におぞましい性質が芽吹いた。


醜いなら美しく飾る。


そうすれば死はどんな物よりも美しくなる。


そんなおぞましい性質がね。


そう言えば私の担当だった検察官が言ってたなぁ。


「貴女が女性で良かった」と。


「貴女が男性だったらもっと被害がひどくなったでしょう」と。


・・・分かってないんだよなぁ。


今日はこのぐらいにしておこう。


次の面会日を楽しみにしておくよ。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ