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あこがれ?

青葉陸

 きっかけは、本当にちょっとしたことだった。毎日隣で練習している彼を見てバドミントンに興味がわいたんだ。どうしてか休憩時間はいつも一人ぼっち。練習中も、他の部員と話しているところはほとんど見たことがない。

そうなるとさらに気になってさりげなしに彼の教室を移動中に覗いてみたこともあったけど、八割方自分の席で本を読んでいて、残りの二割は不在だった。とにかく、人と接しているところをほとんど見かけなかった。


どこか遠くを見ているような、それでいて何も見ていないような、なんだか周囲の事に全く興味がなさそうな人だと思った。


それなのに、コートに入ったとたんに目に光が宿る。そんな様子にどうしても目を引かれてしまって、気が付くとつい眺めてしまうようになっていたっけ。最後の夏にうちの学校で十年ぶりに関東大会出場を決めた時も、なぜだかチームメイトがあまり喜んでいなくて、本人も淡々としていたのがとっても不思議だった。


 卒業間近になって彼と同じクラスの友達から聞いた話、どうやら部内でいじめのようなことがありそれで孤立していたらしい。それ以上は、本人のいる場でもいない場でも、何も知らない第三者が詳しく聞こうとするのは失礼だと思うから、聞かなかった。


 青葉陸十五歳、身長は四捨五入すればギリギリ一六〇cm(高一四月現在)。正式な数値は言わない。ご想像にお任せします。そんで幼く見える容姿とくれば、多分初めて見た人からはまずバスケ部だなんて思ってもらえていなかっただろう。


 そんな僕がどうして中学でバスケ部に入ったかといえば、なんとなくだ。父も母も、それから兄ちゃんたちも、家族はみんな平均以上に身長があった。それなら僕もそのうち伸びるだろう、そうすれば活躍できそうだ。という下心が全くなかったかといえばうそになる。

 小学生の頃から何となく色んなスポーツをかじっていたものの、これといって好きだと思えて熱中できるスポーツがなかった僕にとって、バスケは兄ちゃんたちがみんなやっていたから一番身近だった。だから、一番の理由は消去法で選びやすかったから。

 結局ずっとベンチや応援、マネージャーのような役割をこなしていたけど楽しかったし、チームメイトもいい奴ばかりだった。だけど、兄ちゃんたちみたいに高校や大学まで続ける気は起きなかった。


 高校も、特に行きたいところがなかった。将来の夢も特にない。だけど、彼のおかげというべきかなんだかバドミントンに興味があったから、いくつか見学に行った中で父さんの仕事場から近くてバドミントン部があった晴風高校に決めた。

 

 そうして入学した矢先、新入生の間では有名な赤T先輩事件の時に僕はまさかの人と再会することになった。なんと僕がバドミントンをしたいと思うきっかけになった「彼」、羽代君だ。


 こんなことってあるの!?


 あれだけ結果を出したんだから、きっと引く手あまただったはずだ。現に彼のチームメイトが、県外の高校からスカウトが来たらしいと苦々しい顔で話しているのを聞いたことがある。それがいったいどうしてここに?


 羽代君は周りの同級生が動き出す中その場に立ち尽くし、どこか遠い目で窓を見つめている。思い切って話しかけてみようと思った矢先、早足でその場を立ち去ってしまった。


 まあきっと、彼もバドミントン部に入るに違いない。またすぐに会えるはず!


 よし!初心者オッケーって言ってたし、善は急げだ。全国を目指すって言うからにはきっと練習も大変だろう。それでもこちとらバスケ部で荒波にもまれてきた身。ちょっとやそっとじゃめげません!どうせやるなら全力で楽しまなくっちゃ!


 そんなわけで、僕は勢いそのままに赤T先輩事件当日入部希望を伝えに行ったのだ。


ブックマークや評価本当にありがとうございます!

あまりにうれしくて言葉にできません。

また、閲覧ありがとうございます!読んでくださる方がいるからこそ、続けられています。

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