見たモノ、撮った証。
昂る鼓動ーーつれて、薄まる眠気。
まだ雀の姿すら見ないような早朝ではなく。
深夜遅くに神々しい灯りを灯す、そんなのを待ち焦がれていた。
がしゃがしゃと鳴るも、決して迷惑にならないように。
プラットホームに差し掛かるまでを計算しつつーー
「あっちからの角度が良いんじゃあない?」
「いや、こっちでしょ?」 「違ぇよ、こっちからじゃん!」
趣味はじつに根深い。
世間一般では、それほど認知されてはいない。
"トリテツ"と呼ばれていた数名のわめき声だった。
ただの好奇心旺盛といってしまえば良い。
カシャッ。
「…………なに、これ…………」
そこに写っていたのは、夥しい。
真っ赤に染め上がる乗客だった。
薄暗い現像室のなか、ぶちゅっとなくなる。
まだ
見てるの?