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狙撃手

作者: 泉末広

狙いを定めて、素知らぬ顔で。

劣化したコンクリートの壁を信じろ。

反抗の情報が筒抜けなのを。

そのほうが、隠れ潜む者が生かされる。

劣勢の群れは集まれ。

そのほうが、弱肉強食の掟の衰退が加速する。

瓦礫と同等の望みの中に、生き残りの真意を見つけ出す。

その手とその足で掻き分けろ!

すでに見捨てられた手と足が、飢餓の失せる道を教えてくれる。

まだ間に合うさ。

狙いを定めて、然り気無い仕種で。

一瞬さ、目と目が合い劣情の交歓は完了する。

想像できないほどの一瞬さ。

狙いを定めて。

狙いを定めて。

もう昨日のことなど覚えちゃいない。

まだ決起の報せは届いてない。

今は、狙いを定めて、想像を越えた一瞬を。

明日のことなど考えちゃいない。

流れ星の輝きより一瞬だ。

狙いを定めて、もうそれしか残っていない。

美化した廃墟が押し寄せる!

いつか数奇な運命とやらに呑み込まれることを信じて。

劣化した記憶とともに、弓を射る石像を思い出せ。

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