表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
93/161

不死のイモータル(二回い)

 私の知っている話とは違い、もの悲しい話だった。まぁ、あの話は信じるに値しないけれど。

「悪い人じゃ、ない?」

「多分そうだ。少なくともこちらで伝えられている話は、ブルームから見た視点だけだからな、本人を見た人が残したとも思えん話だよ」

 嘘のつもりで書いたものではなく、その人からすれば真実を書いた話、か。

 確かに、そう考えれば納得いく。

 命の使い魔とやらは、事実として神と戦っているのだから。

「神殺しの兵器を生み出した悪魔…か。ものは言い様だな」

「実際こっち側からすれば悪魔にも見える、そうなんだろう?少年」

「その通りだな。あれは兵器として猛威を振るった」

 あ、それ。詳しい話は知らないけど、確かにそれ関連が理由でお母さんが新しい軍服のデザインの依頼を受けていた。

 なんか大半が破けたとか燃えたとかなんとかでついでに、と。

 ………動機も割と適当。

「ここは、そんな少女たちが作った………妄想した、故郷の未来の姿だよ」

 苦笑するが、全く笑えない。

 悲しすぎるくない?

 まぁ、勘違いがすごすぎるのは、本来の姿をよく知る人にとっては笑い物だろうけれど。

「さて、何か質問はあるか?関係ないことも知ってれば答えてやると思うぞ」

「思う?」

「いくらか口止めされてるからそれ以外なら答えるぞ」

 最初からそう言ってくれ。

「私は帰ってから聞くよ」

 エニカは早速と放棄。これにはドライさんも苦笑。

「姿が変わる、持ち物なくなる、しゃべれる。なんで?」

 あ、それ気になる。

「分からん。ただ彼らはここでは、故郷にいた当時の姿になって魔法が使えなかったと聞く」

 後半は、私みたいな感じか。

「後は何かあるか?」

「何者?」

「……元罪人、かな。伝わるか?」

「学園長の知り合い?」

「その通り。ただ、彼女の暴走には絡んでないぞ」

 あ、そういえばこの人、トロワのお父さんだっけ。忘れてた忘れてた。

 元罪人、ねぇ。

 ……あいつが言っていた言葉と関係があるのか?

「……罪人、か。詳しく聞いてもいい?」

「悪いが、俺の口からではなくゼクスに聞いてくれ。約束があるから、何も変わらない気もするが」

 お父さんに、かぁ。

「うん、わかった」

 仕方があるまい。

「そういえば、ここに宝はあるのか?」

 カードロン君は冒険者の心配(?)をしている。

「む?あるぞ?確か月の王冠とかいう名のプラチナ製の冠だったか?確か妖気の影響で完全に純粋なままだとかなんとか。あの冒険者も十分満足できるだろう、が」

 うん?なんか急に不穏な空気になったぞ?

「あれは見つけられないのではないか?」

 ガクッ、とみんながこけた。

「問題はそれだけなのか…?」

「ん?……ああ、そうだが、どうした?」

「私は普段と違って、ってつくけどこの状況何もわからないから…」

 こちらが考えすぎだっただけなのかもしれないが。

「あぁ、ここだものな。ならすぐに帰った方が良さそうか。この上にフィーアが設置した帰還用のがある。使うといい。奴らならあの猫が迎えている」

 あの猫?心当たりある猫なんてウィッチくらいのものだけど。

「ここでは人間の姿だがな」

「え?」

「姿が変わる、といったろう?だからフィーアはここに来たがらない。来たのも一度きりだろうな」

 何で校長は嫌がるんだ…。

「どんな姿だろう?」

「…知らん。すごく気になる」

 ……嘘だね。追求していいのかわからない。

「さて、私も帰ろうかな」

「最後に一つ、いい?」

「何だ?」

 珍しく私は勘を頼りに、地雷を踏み抜こう。

「知恵があれば、どれだけ助かる?」

「……っ。…知らんよ。そのとき次第というやつだ。まぁ…これらは私が語るまでもあるまいさ」

「むぅ。じゃ」

 頑張れよ、といわれてる気もしたが気のせいかもしれない。

「香花、か…」

 謎の単語に、心当たりがあるような気がした。


 ◎王立魔法学園 兵器庫


「「うわぁ!!!???」」

 ごっつーーーん。

「ひゃ、あ…」

「きゅ~~~~~」

 なんかやばい感じになってる。

「ん、っ…あっ」

 エニカがやばい声あげてる…!?

「えっと、これ、どういう状況かしらね?あ、アルマちゃん!ちょうどよかった!」

 エニカを下敷き?にしながらフンフさんが反応する。ガバッと起き上がったときにエニカの真っ赤な顔が見えたが…あー。うん。

 男なら完全にエッチなハプニングというやつでしたな。女だと…うん。格差というやつがありありと出てくるやつですな。まぁ、子供なので未来に期待できるから問題ないね!

 何を語っているんだ私は…。まぁ、結構気になるんだよね。

「お仕事あるよ。はい」

 なんかよくわからない紙の束を渡された。

「なにこれ?」


「んー、台本?演説するよ、国民に戦争開始のお知らせ」


「………え?」

「「「「はぁ~!!?」」」」

「「……?」」

 戦争すんの!?

「まぁ、戦争というか蹂躙というかもう起こっちゃってさ」

 もう起こってる!?え、は…はい?いや待て、その言葉は意味がわからないよ!?

「蹂躙!?どちらがだ!?」

「どっちも」

 それだよそれ!どういうことだ!?

「こっちは主にふぅちゃんだけどね」

「ちょっと記憶が機能してない…!!あ、ノインさんそれの詳細後で教えて!」

 急ぐ。今、不具合が起きているのかおかしなことになっている。

thinking (しんきんぐ)accelerate(いくせられー)

memory (めもりー)checker(ちぇっかー)

memory(めもりー) editor(えでぃたー)

 急いで今までの情報を処理し、王城へと駆ける。急げ!

 これは……もう状況が違いすぎる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ