狂乱!!
本当なら♯でもつける必要があるのかもしれませんが別の枠とってフォローしようがないので入れていません。それ相応にご注意ください。
◎道。
行きよりも鋭い緊張感の中、ジェーンの寝息が聞こえる。多分起こしてはいけないやつだ。
なんか、ね?
って、未来の感覚なんて普通分かるわけないか。えっとね、起こすと十中八九死ぬ。
「ついたよ、もうすぐ」
「その通り、また失礼をば」
また入ってきた御者の子。
「さ、何かあるんだっけ?頑張って」
「うん」
何が起こるのか。目の前の歪んでゆく景色をにらむ。
◎カルロ村~シルク塞下町間
転移直後
ついてすぐに聞いたのは爆音。
顔を出すと、目の前の景色は…カルロ村は、青い炎に包まれていた。
見えた限りでは何もわからなかったが、私は飛び出した。もはやこの光景に慣れているように、躊躇いなく。それに罠は見えているものもいないものも把握できた。
それらを解除しながら、フォリックと町に突入する。
中心に何かがいるのがわかるが、どうしても対処法がわからない、出てこない、教えてくれない!
「あついよぉ、あついよぉ~!」「痛い!痛い!」「だれか、助けて!」「母さん…!」「悪魔め…許さあああ!?」「my wisうがああ」
まるで地獄のように悲鳴が聞こえる。
私は消火のための魔法も使えない。何故かため池も、青く燃えている以上、水も無駄というのもわかる。私に助けることは出来そうもない。
私には、だが。
あの時来たときより大分数が少ないのは、校長が逃がしたからだろうか。
「もっと、いい声で泣きなさい。苦しんで!」
そこに、中心にいたのは、しゃべる白兎。その血が青いのか、瞳も耳も青い。
「悲しんで!!」
彼女の言葉に呼応して、火の手がさらに強く上がる。
「怖がって!!!」
打つ手がわからないが、何もしないわけにはいかない!この魔法の使用者を倒すのが一番確実だ!
「laevateinn!!」
炎を彼女に放つが…。
「なんだ、もう来たんだ?女王サマ」
なぜか、掻き消され…
「っ~~~!!」
私の右手にラーブァがあった。私の魔法のため、私が傷つくことこそないが、熱さと痛みは私に襲いかかることが出来た。
「…術者方向へ反射?」
「ピンポーン、さっすが悪者の狐族だぁね?」
悪いことには敏感ですね、とのたまった。
「この…!」
「怒っちゃだーめ!かわいいお顔が台無しよ?うふふ?」
なんか悪寒がする。ぶつけようのない怒りの一部を恐怖に舐めとられた。
「シメだよ!えい!」
「やめ」
フォリックが何かを言った。
弾ける爆音。それに続く悲鳴は一瞬途切れた。
「journey and jumping(旅とジャンプ)」
兎は忽然と消えた。火が消えた音も、走り寄るみんなの音も声も、間近にいたはずの誰か、いや、フォリックだ、の声も。
急な息苦しさに意識をもうろうとさせた私には何も聞こえなかった。
ただそれでも、閉じてゆく視界から、倒れた私をフォリックが抱き留めてくれたらしいことは、後で辛うじてわかった。
◎視点 クアーロ・ミラージュス
私は燃えさかる建物に突入するのは厳しいな、と思い同じく燃えさかる水路の探索中。
空気を固めて作るアンカーの応用で、しばらく安全に息継ぎしながら、燃えさかる水上を下から眺め潜る。
「ぷはぁ!きっついゼ!」
口調があれてしまっているのは多分疲れているからだろう。きっとそうだ。
「何でぇいるのぉ!?」
青耳のウサギが悲鳴を上げる。
「えいやぁ!」
空気を蹴り飛ばせば敵まで届く。
「air trick(空気の奇術)」
空気を固めるように、無理矢理相手の妖気の動きを止めさせる。
妖気も魔力も実質空気らしいからね。生命力だけ違うようだけど。
「っ~~!逃げるに決まってんのぉおおお!!!!impossible escaper(不可能な逃走をする物)がぁっ!?」
「ふぅ…逃がしたか」
口だけでほざく。さっきから水路に保存切れが近いアンカーを置いていた。さっき兎に刺したアンカーに至っては、場所も探知できるおまけ付き。
「追うよ!」
移動を開始する。私は獲物をそうそう逃がしはしないからナ!
スペル訂正中(leavateinn→laevateinn)
正確にはどちらも違うようなのですが。




