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要塞巡りの町 アルマは事件があれば突撃する

ためて投稿するの忘れてしまいました。ということで急な三日連続の一日目です。

 ◎視点 アルマ・ブルーム


 お昼を食べに赤いお店に入った。

 丸いテーブルの中央はくるくる回る。これを利用して大皿の料理を取り分けるらしい。

 予約でもしていたのか、料理はすでにできていた。

「ささっ、食べてね。僕のおごりさ」

「ちょっとわざとらしくないです?」

「演技が剥がれかけてるんだよ、いちいち突っ込むな」

 そういえば口調がめちゃくちゃだね?

「ほぼ常にやってるくらいが楽ですよ」

「お前はそんな意識するほどの差か?」

「そう…でした。が、何か?」

「……大概悪ガキだったな」

 二人で話し込んでるのをなんとなく見ていた。仲良さそう。

 ユリウスとフィルを思い出した。そういやフィルはどこ行ってんだろ?北の方に引っ越してたような…。

「アルマさん?」

「ああ、フォリック?どうしたの?」

「早く席に着いて食べましょう?」

「あ、うん、そうね」

 なんか当たり前のごとく言われたからとっさに答えたが、これでよかったのだろうか?

「まぁ、いいか」

 深いことは考えず、とりあえず席に着く。

 そこでふと見かけたのは緑の帽子の目立つ男。手にナイフらしきものを持ち、軽く洗っているようだ。

 近くに鞄が散らばっていて、その中のものは一貫して医術に関するもののようだけど…。

 何か、実践的な雰囲気を感じ取れる。

 それらは料理が届き始めたらすぐしまった。

 ……っと、食べよう食べよう。

「あっ、辛い!?」

 これ、赤いのはエビのせいではないのか…!水、水!グラスに入った氷水をがっつり飲む。

乾焼蝦仁(カンシャオシャーレン)だとよ。んー、まぁつまりはエビチリってことなのか」

「へぇ~、ってか、なんか癖の強い辛みだねぇ」

 コルルんとこのカリーとはまた違う癖だ。

「つーか、クー?お前は食わねぇの?」

「食べてるでそょ、炒飯(チャーハン)を」

「あー、そうだった。なんでもね」

 辛いものを避けてるんですね、ええ、わかりますよ。

「しょー…何でしたっけこれ………えい」

「あ、馬鹿!」

「~~~~~~~~!!??けほっ、かはっ。熱ぅ…」

 ジェーンがやらかした。中に肉汁の詰まった…えっと…小籠包(ショーロンポー)である。そりゃ熱いわ。

 これを、ミリアはうまく食べている様子。そして、フォリックは気合いで食べている様…え?

「それ、味わかる?」

「んぐっ、わかりますよ。肉汁がおいしいですから、突っ込んじゃいました…」

 何やってるんだろうか。まぁ、おいしく味わっているようなのでそれでいいのかな?

 そして猫舌がいた。

「あちゅ、あつつ…うまいんだけど大体念入りに火が通ってるからなぁ」

 フェルマータは猫である。名前は…って名前はもう言ったか。

「ヒリヒリします…」

 あらら。

「……お嬢ちゃん、こいつを口に含んでおくといい」

 あ、さっきのお医者さん?

「ありがとうございます…」

 ジェーンがもらったのは氷のようなもの。

「ちょっと暖かめの氷で、溶けにくいんだよ。理屈は知らんが」

 へー。

「ひぅ…」

「さて、じゃあなー…パインちゃん」

「んー、またねー」

 ………はぁ?

 え、誰だよ、知り合いかよ、え、え、ちょっと?は、えぇ?

「パイン?」

「ん?アルマおねえちゃん、あの人だれだったの?」

「知らないのか…」

 よりにもよってパインだし…。

 ただ私の記憶には一切ないんだよなぁ。

 記憶…。少し何かがちらついた。恐らく未来のものだろう…。また、か………。


 っ!今回は一瞬のことだった。意識が暗転した。目が覚めたときの様子からも、時間はたっていて数秒。

「ふむ…白兎と天使…か」

「何がです?」

「わからないけど、おそらく予言のようなもの…かな」

 備えはしておこう。

 時間がなさげだけども。

「今日は早めに編集した方がいいかな…?」

「……わかんないよ」

 真後ろの壁をにらみつけながらパインがぼやく。

「え?」

「どうしたらそうなるのさ。それが目てきなの?」

 何と話しているんだ、何と。

 例の観察者たちか…?

「ううん、ちがうよ?もっとちがうなにか一人」

 何をやっているんだお前らとでも思っておこう。それがいいよ?

「まぁいいや、準備がいるから少し早めにやろう」

 いつの間にか、残りはシュウマイ数個だけだった。

「お会計お願いしまーす」

「ハイヨー」

 訛りの強いしゃべり方の女の人が担当してくれた。

 なんか聞いたことある訛り方に似ているね。

「後は化粧品見て回りたいなぁ」

「アルマおねーちゃんおけしょうするの?」

「いや、マリルの分のつもり。私が使うのはあるでしょ、どうせ。……今はマリルもそうだけど」

 城においてあるんだよね、化粧品がたくさん。それも、かなり質のいい物が。

「左うしろ」

「え」

 よくやる主語も述語もない指示。

 それは概ね…。

「悲鳴…?」

 何かの前触れ。何が起こるかは、予測がつきにくい。

 普段は未来から教えてもらえるのだが、今回はそれについての言葉が何も送られてこない。

 ……行くしかないようだ。

「クー、いいか?」

 フェルマータがクアーロちゃんを呼ぶ声が聞こえた。


 そして駆けつけた先では、ついさっき会ったタキシードの女性が倒れていた。

 どうにも血のにおいがするのに出血が見られない。

「近づく?」

「そうするか…」

「僕もいきます」

 パインと私、それに加えフォリックもそばまで近寄る。

「で、どこを見、っ!」

 未来に尋ねようとしたが、その前に見つけた。

「くっ……!」

 心臓…止まってる?

「…済まない、迷惑を、かけたか…?」

「だいじょーぶ、それより無理しない方がいいんじゃない?」

「……うむ」

 とりあえず日陰に運んで安静にしておく。というか他にできることもないような感じ。

 戻ってきて、何か違和感を感じる。

 まだ人が離れているからだろうか…。

「あ、っ!!」

 背中にとても軽くぶつかられた。

 おそらくフォリックだろう。背中合わせの状態で彼は刀を抜いたらしく、金属音が聞こえる。

「警戒せずともよい、我は七番に仕える使い魔よ」

「悪、魔か?」

 その声は聞き覚えがないが、フォリックの発言でなんとなくどんな存在かわかった。

 あのとき見えなかった何かだな。

 ってか、そうじゃん!

 フォリックの目を再現したあれ――もう名前つけた方がいいかな――使ってないじゃん!

 通りでウィンクの時違和感感じたわけだ。使ってたら目を閉じていても視界が桃色だもの。

「しかし動きが速いな。守るために鍛えているのか?」

 感心している声音はわかるが、声が恐ろしいのは変わらない。

「ええ、まぁそうですよ。マータだけでなく、彼女の護衛も任されましたし、反応する心構えは完璧でしたよ」

「責務か、それだけか?」

「それ以外にも理由はあるかもしれませんが、よくわかりません」

 んー?そろそろ後ろを見る。

 紫の悪魔だ。

「少なくとも、そうやすやすと手を出させはしませんよ」

 フォリックの前にいる悪魔は、少し苦笑しているように見えた。

「キュンとしちゃったじゃねぇかよー」

 なんか嬉しかったのでとりあえず抱きつく。

「うわぁあ!?」

「緊張感に欠けるな」

 そりゃあそうですとも。

「敵じゃないんだな、っては分かっているもの」

「根拠はあるのか?」

「あるよ、あなたが何だかわかってる以上はね」

 さっきの人の使い魔なんだから、勘違いされなきゃ敵にならないもの。

「おお、主の治療はすんだようだ」

「「えっ?」」

 私だけ振り返ると、いつの間にかその人がいた。

「じゃねばい!」

 さっきのお医者さんがまたまた見えない奴に捕まって連れ去られてた…ん?つかんでるのではなく捕まってるぞ?

 前を見ると、まだそいつはいた。あれ…二匹もいるの?

 トロワみたいにたっぷりではないだろうけども、多くいるのだろう。

 さて、化粧品を見に行こう、っと。

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