/♭帝国の暴徒(子)
何か自分の趣味嗜好ぶつけたりしてたらこうなってしまいました。
これまでも一応そのつもりですが、このようなパートを読んでも読まなくてもつながるようにやっていくつもりですのであしからず。
いろいろ申し訳ない限りです。
◎視点 クアーロ・ミラージュス
E.W屋敷3階 二人用客室No.326
お茶会の後すぐ
自分に割り当てられた部屋だけど、安心感がない。
とりあえず一息つく。
この後のこともあるしドレスも脱げない。
これのままアンカーを使うのはしんどい。
「しんどい」
スカートをパタパタさせながら言う。
「まぁ、我慢してもらえますか?」
ホロフにそう言われても、納得できないものはできない。
「ホロフ、明日の予定はないでしょう?」
「ええ、誰に付かれるのです?」
「アルマちゃんかな」
「はい、かしこまりました」
それだけ話して、また外に出ようとする。
「そういえば、下着着てます?」
「あ、そうだ。パンツはかなきゃ」
私は元々ノーパンだからね…。後ブラジャー、だっけ?あれもつけておかなきゃ。さらしじゃ駄目だしね。
「……ドレス、脱がして?」
「あ、はい、かしこまりまひた」
……黙っておこう。この男が、私に対して男女としての好意を若干だが持っていることは知っている。
それでも忠実だし、優しいから、後私の側付きは不人気でほかに当てがないから、側に置いているけど。
まぁ、頼んだの私だし、多少じっと見ても許してやるよ。見るだけなら。
そんなこんなで着替え終えた。
彼は限界のようだから、さっさと出ることにする。
まさかブラジャーとやらをつけるのにも手伝いがいるとは思わなんだ。
「っと?」
しかし、扉を開こうとしても開かない。
「その、引いてくださいな」
「あっ……」
間違えた。
「……ごめんあそばせ?」
「っ…、お気になさらず」
全く、つい忘れてしまう。
「お楽しみ」
その言葉だけ残しておく。
「さて…」
とりあえずリックのところにでも行くか。
途中で、パインちゃんが三人の女の子…多分三つ子のその子たちとと歩いているのを見た。もうちょっと静かにした方がいいような…。
……そういえば、アルマちゃんは何を考えているのだろう。
――「私、独り言とか一人会話とかしすぎじゃないかな」
あの発言からするに、それだけ頭の中で考えることがあるということ。
珍しくリックが心を開き、その前からマータも警戒を解いたんだ。こちらからすれば、変なことで悩まれても困るんだよな。
やっぱりパンツはちょっと不快。帰ったら捨てる…ってゆうかあげるか。一人遊びのおかず、ってやつ?
…私なんかのどこがいいんだろ?
◎視点 アルマ・ブルーム
晩餐会
E.W屋敷B1階 MAXIMUMホール
巨大すぎるホール。そこで開かれた晩餐会は見たことないほどの規模だった。
前に…女王に就いた日に開かれたパーティーは、50人くらいいたかな?大分な規模だが、これはそれとは比べものにならない規模だ。
まるで、クラスの集会と全校集会くらいの差はある。
しかも多くの立場で動くのだ。全校で体育やってるみたいなやばい動き。
頭が混乱して目を回しそうになる。
ついでに目の前のテーブルがくるくる回って物理的に目を回してくるんだよ。
「食べにゃいの?」
「え、っと、作法が全くわからないです」
ミリアにヘルプをしつつ、食べ進める。辛いの多いなぁ。
ここら一帯は暑い気候だから、という理由で、辛い料理も多いそう。正直この辛さはきつい。
ちなみにこのテーブルには、私とパイン、ミリア、フォリックにクアーロちゃんにフェルマータともう一人。確かシュレール。
薄茶色い毛並みの犬族の少女。着物を着ておしとやかに佇むが、が……なんかエロい。妙な雰囲気を感じる。ただ落ち着いて観察すると、黙々と食べている可愛い女の子、といった感じ。
かわいいけど、なんか、変な感じ。
「しかし、普通子供だけ集めるかね?」
ミリアがぼやく。
「特に仮にもミラージュの大使として来たマータが、この待遇とはね」
「…まぁ、擦り合わせることももう無いから、それはいいんだよ。優遇される体面なんて元からないし」
大使として来た、つまりこの件ではトップ同然のフェルマータと、仮にも女王である私が、子供だからとハブられている。
「面倒な空気だねぇ」
「味しないって雰囲気でも辛いものは辛いからやだなぁ」
クアーロちゃんは辛いのが苦手でしたね。
「……&_#/r!!*+=%&:v:v:」
「そうか」
シュレールちゃん?がなんか小声でつぶやいたのに対し、クアーロちゃんが反応する。
「さて、とっ!」
ガンッ!!!とテーブルを…というより下にいた男の子を蹴り飛ばす。
ひゅう、と揶揄するように口笛を吹く。
「さっすがぁ」
「はいはい、ってかマータは何で黙ってたの?」
「ん?いや、音を消してたからとりあえずよくわからんな、と思って…リックに頼もうと思ったんだが」
「ねぇねぇ、おねがい」
話をしているとき、なぜかパインがこちらに関心を一欠片も向けず男の子に話しかけた。
なぜかはすぐわかった。
「パンツかえして?」
「はぁ!?」
「え…?」
とんでもない発言に私とクアーロちゃんは反応した。
今回は私はこの辺の対処は可能だったはずだが…私はなぜ逃した?とりあえずあの子はちょーっとお仕置き必要かな。
「返すかよーだ、メスガキ!」
あ?
「よし、しばく!」
行くなぁ!!
「っ!!?」
走ろうと踏み込んだ足で真後ろに跳躍。
「うわっ!?」
吹き上がる火柱。
「やーい痴女ー!」
逃げられた。妨害した男は…あれ?何かある?
パインの保護を優先しろ!
「っー!」
とっさにパインを抱きかかえる。
そこに近づいていた男からかばうように。
「その小娘は、私の息子のものにするのだ、差し出せ」
「よく言うよ、まずは息子の教育からし直しなよ、私の妹に見合うように、さ?」
ヤッホー、くそじじい?……いや、ぱっと見おっさんだけど、聞いた限りではそんな年らしいから。
「ふん、町娘にもふさわしくないと?」
「あ、ちゃんとわかってんじゃん」
とりあえず煽り倒してオッケーらしい。
おだてたりでもしたらアウトね。
何でよ!?
後これはただの揚げ足取りだから。
はーい。とまぁこんな感じで一人会話をしてみて。
「つーか、話が見えてこないんだけど、とりあえずただの揚げ足取りらしいね?」
「わかっててしらばっくれるのか?」
「いやだって教えてくれなくてさ」
「なら聞け!小娘が!」
フィロソフィアの男もこんな感じなのかねぇ。
あの呪いの詳細は知らないけどさ。それに、こいつらただのクズだし。
建前が崩れかけてる時点でね。もうね。ダメだよね。
「無理なら体に教えるだけだ!」
そして彼が部下に準備させていたらしい転移魔法が発動、しない。
焦る気持ちの中でも、きっと歩み寄る女性の足跡は響くだろう。
「皇帝陛下、この男、殺してもいいかしら?」
フィーアさん…校長は、ためらいなくそう聞いた。
「やめてくれ、少なくとも今は、な」
「……そう、GearSalmon(歯車の召喚)」
少年を無理矢理転移させた。少年は走るのを止め、キョロキョロしている。
「返してあげれば今は許します」
「はぁ……?っ―――」
子供でもわかる。この笑顔は般若の顔だ。
うん、下手なこと言ったら死ぬね。問答無用で。
怖いという問題じゃねぇ。完璧な犯罪者の思考だろ。
◎ 同時に聞いていた獣人たちの会話
「……揚げ足取りってどういうこと?」
フォリックの質問が後ろで聞こえる。
「ああ、この国の習慣で、夜会や晩餐会で下着を着ないのは、交際相手を募集している証なんだ」
「なんかドレスコードに近いね」
「シューはあまりそれには囚われていないようだな…つーかなんで白無垢だよおかしいだろ」
白無垢って服装らしい?白い和服だけど無垢…無垢?
「それと、下着を強奪されてしばかないと同意を示した扱いになるらしい。ただそれは格下にしかしないし、酒が回って無礼講になってからすることだ」
これはひどい。どういう風習だよ。
「ちなみに男は代わりに白いハンカチな」
しかし、こうやって知識を分け合う様を見ていて思い出したが、ミラージュには学校がないんだったか。
こうやって知識を分け合って、みんなで賢くなっていくのだろう。
なんか、いいな。そういうの。




