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帝国へ進撃!(笑)

 ◎視点 アルマ・ブルーム

  花の月8日、朝早く

  ブルーム王城 正門前


「おはようございますー」

「あ、じょお…」

 私の挨拶に小さな声で女の子が返す。

 というかこの子誰だろう?

「(………#!%$~▲@*?゜)」

 なんていったか聞き取れない。けれど、なんか悪寒がした。

 怖い子だな…。

 そんなことを思っていたせいで、マリルが後ろについてきていたことに気づかなかった。

「お姉ちゃん…?」

「あ、マリル?」

 マリルと門をくぐる。人が多くなったので手をつなぐ。

 皆せわしなく動いている。

「私はここに残る、私は頑張って仕事するし生きている、ふぅ…」

「それは何?自己暗示?」

「そんなとこ」

 いつも通りに話せている。この前よりよくなってはいるのだろう。

「無茶させるわけにはいかないことに変わりないからね?」

 無理しそうな予感しかしなかったので適当に釘をさす。

 無駄なのも知っているようなものだが。

 おそらくは先頭に行けばわかるだろうと、並んでるとか車の一番前に行く。

「アルマ?」

「ん?エニカ?どうしたー?」

「いやー、ちょいと仕事がありましてね?」

 私も振り回しているのにそれを言うのはお門違いかもしれないが、どう見ても精神的に疲れている。

「昨日の書類さ、一カ所明らかにおかしくてね?」

 それを聞いた瞬間私はエニカに駆け寄る。

「(え、なにが!?)」

「(あんたのお父さんの戦略図に私のお父さんとお母さんがいたんだけど!!!)」

「え?」

 戦略図とは何なのか。とりあえず、エニカは慌てているのは確かなのでろくなことになっていないだろうし、私が女王になっている件に関係しているのも予想がつく。

「それってつまり?」

「あなたのお父さんは、私のお母さんの何だというの?」

 その答えを知るときは、私のお父さんの秘密を知るときだった。

 今は知るはずもなく。

「さぁ?知り合いという知り合いに頼んで回ってる節はあるけど」

「そうか、ならそちらは如何(いかが)(おぼ)()す」

「お父さんはたくさん恩売ってた人なんだなって思うよ?」

 エニカの言っている言葉の意味が分かりにくい。

 いや、これは私が馬鹿なのか?

「はぁ……私からするとあいつ相当極悪人なんだけど」

 お父さんの説明不足は響いていますね。

 多分、エニカのこと説明したら大慌てで謝るだろうけどね。その後がろくでもなさそうなのでご勘弁。

「ああ、もう帰るわ、このまま愚痴を言い続けても意味ないからね」

「別にいいのだけれど。じゃあね?」

「ん、またねー」

 それでは乗ろうかな、と後ろを振り返る。

「この子がアルマ女王…」

「こら、もうちっと、しゃんとしなさい」

 牛車の御者二人がそう話している。片方は子供みたいです。

 とりあえず乗り、幕を閉じる。

 光が少し漏れていたので上を見ると、天井の糸がほつれていることに気がつく。

My wisdom (まいうぃずだむ)teach (てぃーち)me how to (みぃはうとぅ)use the (ゆーずざ)mana(まな).(私の知恵が私にマナの使い方を教える。)

I can (あいきゃん)resaw the(りそうざ)Frayed one(ふれいどわん)(ほつれた物を縫い直せます).

majic time(まじっくたいむ) start now(すたーとなう)!(魔法の時間が今始まる!)」

 魔法を使いほつれを直す。

「それで私はどこへ行くのやら」

「えっと、2つ先の村からポータル渡って別の国に出るのさ」

 先ほどの御者のうち子供の方が乗りながら説明してくれた。

「ポータル?」

「そう。人を遠くへ一瞬で運ぶゼロスサンの施設。テレポートの禁術が刻まれてるの」

 なんか、学園にある入り口みたいだな、と思った。

「牛車ごと渡れるのはそこにしかなくて」

 へぇ。としか思えない…。

「ちなみに馬車で国境越えると大体みんな死ぬ」

「急に直球でやべぇことを…」

 要は越えられないのね。多分魔物かなんかでしょうけど。

「この中には無双して突き進みそうな方が何人かいますがね」

 フンフさんはわかるけど他は?

「おはよーございまーす!」

 パインが元気よく飛び乗ってきた。

「My wisdom 《まいうぃずだむ》teach (てぃーち)me how to (みぃはうとぅ)use the (ゆーずざ)mana(まな).」

 そしてすぐ魔法を口ずさむ。しかし何を言っているのか私にはわかっていなかった。

lightning (らいとにんぐ)dance(だんす)!」

 パインがそう叫んだ瞬間、肝が冷えた。何する気?

majic time(まじっくたいむ) start now(すたーとなう).」

 その魔法によって、天空に竜が上った!

「しゅっぱぁーーーー!つ!!!しんこう!」

 そのまま牛車は走り出す。

 いつの間にか移動を開始した。

 ………そういえばこの人何者?

「ねえ、どうやって三台分制御してるの…?」

「むー、きあい!まぁ魔法があれば何とでもなるよ」

 らしい。いやいやおかしいでしょ。

 そんな風に思っていても、普通に牛車は進んでいく。

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