王城の一日 ティータイムと魔法の授業
紅茶とケーキ。とってもおいしい。
ウィッチは、テーブルにスペースを確保し座っていた。
「さぁ、どこからにしようか?」
◎ウィッチの語り
この世界、つまり廻金の外にある白銀には、魔力――マナ、妖気――オーラに当たるものがない。生命力――ライフに当たるものもないようだが、濃度の高いライフ、つまりは魂もないというのはふしぎな話。なんでふしぎなのかは省くね?
幻銅の方には逆にそれらしかないという。石も光も木も空も星も火も水も雷も砂もない、生物と呼べる者は魂だけがそこにある。
廻金には、どちらもあるのだが、今はマナなどの方を話していこう。
魔法。それはマナ、オーラ、ライフによって起こせる。詳しく言うとマナによる魔術、オーラによる妖術、ライフによる禁術の3種に分けることができる。これ以上は特にまとまったカタチはないと言っていい。
ちなみに、獣人は妖術に特化している。これは歴史にすら絡むため、説明は「獣の部分の先祖が妖術、というより妖気に特化しているため」程度にまとめておく。
またアルマたちにはわからないから僕がいう必要があるのかなぞだが、マナなどに漢字をつけているときは、魔法を使うとき以外、医学などの分野でつかうのが一般的。
ここからは、それぞれの解説。
魔力は、エネルギーとして使うのがかなり効率がいい。そのうえ、発散=熱を出すことと、吸収=熱を取ること=冷気を出すことの両方ができる。ちなみに「=」でつけたが、「エネルギー=熱」ではないため、ほかにも使いようがあるが、意識的でないと制御しにくいのもあり、一回使えばしばらく大丈夫、ということはない。
そのため、マナによる魔術は物を動かしたり、花火ドッカーンしたり、氷を作ったり、あとは「ゴーレム」といわれるようなものを創るのにも向いているが、これは維持するのには向いていない。
妖気はそれそのものが電気でもあるため、電気などは才能と使い方次第ではこちらの方が効率がいい。また、普段は意思によって形を変える、というより感情を表す。だからか、妖気をみたと言いだした人は少なくない。
そんななので、オーラを用いる妖術は、明かりの代わりをしたりが基本だが、本人の性質やらでいろいろできる。音と光は五感に関わるのかだいたいの妖術を扱う人がむいている。
生命力については、魔法的には命そのものといえる。禁術による攻撃を受けると生命力がうばわれていき、最終的には魂を壊され死んでしまう。ちなみに攻撃が強すぎると魂が丸ごとうばわれてしまう。しかし、魂はあまりにも生命力として濃いため、そうはなりにくい。
これらのことから、ライフを元とする禁術は、傷つけるために使われるのだが、同時に、生命の召喚を可能にする。こうやって出てきた生き物を使い魔という。
僕はこの、使い魔なんだけど、ほかと大きく違うのは、特別することがないということ。
基本、やって欲しいことがあって創られ、終わったら消えるから。
◎視点 パイン・ブルーム
へー、ウィッチってつかいまなんだー。
「あとは、魔法を起動するときの言葉、わかる?」
もちろん!しってる!
「My wisdom teach me how to use the mana.―――だよね?」
「そう。それが魔術の起動にいるわけだ」
やったー!
「禁術はMy instinct understand me how to use the life.(私の本能が私にライフの使い方を教える。)なのは私しってるけど、妖術はなんだっけ?」
えっと、もういっこケーキたべたぁーいー。
「ちょ、身を乗り出すとあぶないよ?アルマとってやっ…」
あっ、テーブルが――
「あぶなっ」
ばこーん、となる。
おねーちゃんがおさえてくれたからたおれなかったけど、ガタッとゆれたからウィッチはおりちゃった。
「ごめんなさい」
めいわくだったね。いまの。
「うん、これからは気をつけてよ?」
アルマおねーちゃん。
「うん!」
あと。
「ウィッチにも、ごめんなさい」
だいじ。
「だいじょうぶにゃよ、パイン」
ありがと。わぁっ。おひざにのられた。
「あ、ウィッチ、ケーキたべる?」
「いや、それはいらないにゃ。たぶんあまいのだめにゃ」
そっかー。
のこりたべてティータイムはおわり。あれ?
ようじゅつのきどうのことば、なぁに?
2019 4/10自主訂正 ルビ挿入におけるミス