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笑う世界と友だち仲間たち

 そしてついた。そこに。

 しかし、それは近づいていた。私はそれが来る前に事を済ませ、退散することは奇跡にしか生み出せないことだと思いたい。


 ◎ 視点 アルマ・ブルーム

  ブルーム王国首都メンタルスクエア地区

   北東央位5の区域の成人向け店舗スペース

    とあるバーの裏口


 ついた。そこにはバーがある。昼間から営業中なのには驚きだけど、それよりここに住んでいることに驚くべき?

 まぁどちらでもやることは同じかな。

「こんこーん!」

「そんなにしなくてもいいでしょ」

 トロワお久ー!

「ところで何のようです?」

 ところで、とても眠たそうにしているのはなぜなのか。目をこする様は少しばかり可愛らしい。

「お出かけ中の伝令用に、使い魔可愛いの頼めない?」

「可愛い重要ですか?」

「当たり前じゃん、私のイメージとか周りの不快感とか考えなきゃ」

 カブトムシ手に乗せた女の子ってどうなの?あ、それはそれでいいかも。私はカブトよりクワガタだけど。

「重要ですね、では偵察用の蝶…アルマさんの魔力で作らせてもらったホルマと、伝令用は……例のクマのぬいぐるみでいいです?」

「無理無理、あれは妖術使えないから」

「ではフォリック殿下の妖気で作った子獅子を」

「シシ?」

「ライオン。こんな字」

 私に白いそのシシを預けてから、腰から何かわざわざ紙を取り出す。そこにはすでに獅子の文字が。

 白いシシと一緒に丸められた書類を渡された。

「ってかこの子名前ないの?」

「まだ考えてない、二頭同時に出てきたんだけど…」

 少し目をつむって考えた後、開いた茶色の目に困惑の色が見える。ん、つまり茶=困惑…な訳ないですね、はい。

 おふざけは程々にして。何で困惑してるのやら。

「名前思いつかないや」

「えー、もう一頭も白いの?」

「うん」

 さて、ここでいい名前を思いつきたいものだが。

「ユキとシロでいいのでは?何もフォリックから名前をとらなくても」

「その手があったか…!」

「まさかの馬鹿だった!?」

 あまり思いつかなかったけどよかったみたい。

「ってか普段使ってるクモは名前どうしてるの…?」

「一号、二号、三号って」

「ひっど」

 何号まであるのやら。

「ちなみに24代目の千八百五十号が最新。三ヶ月毎に何代目ってつけてる」

 それ、かなり前からやってるってことだね…。

「ってことは?」

 適当にこう返すと。

「クモの使い魔は普段の諜報に重宝しますので、これまでで15万程度制作しましたね」

 じゅ、15万ってどゆこと?

 え、そんなに魔力維持できるの?

「ただし今は10万ほどです」

「いやそれでも多くない?魔力とんだけあんの?」

 ちなみに魔法学園では、この体長が3、40程度の子供のライオンと同程度の使い魔を、10分維持したら優秀って感じ。

 それを二頭ずっと維持するのに加えて、クモ10万とちょうちょ、ほか諸々維持し続けられるのは圧巻。

「魔力量に対して供給がおかしいんですよ」

「供給?」

「使ったマナはそのうち戻ってきます。僕や父さんは魔力量と同等以上の値を瞬間的に回復できるから、使い続けるくらいでいいんです」

 えー?と、実質無限なんじゃ。

「まぁ、生まれてからずっと練習して7才になってようやく利用できたくらい難しい技術が必要ですし、多分使い方的にも他の人はまねできないと思います」

 詳細を話す気はないのね。まぁいいか。どうでも。

「そもそもどうしてそんなことしたのさ」

「お父さんがやってたから」

「ええええー……あ、そうだ」

 お届け物があったんだっけか。

「はいこれ、あなたのお父さんに渡して、って」

 あのとき手渡された、茶色の…何かの持ち手。

 私の記憶からは、お父さんが作り出した剣の持ち手だと把握できる。

「じゃあね」

「ええ。……obseオブゼ-No3、魔力を完全隠蔽、音を隠蔽。行動開始、あの男のそばに配置、obse-No1、現状維持」

「ん?」

「あっ、……気にしないでもらえます?こっちの切り札なので」

 切り札って言い切ったよ。

「ん、とりあえずはね」

「ははは…はぁ、やっちゃった」

 とりあえず帰る。

 さて、エニカは雑談していられないでしょうし、そっちは適当に済ませるか。


 ◎視点 トロワ・スターリバー


 obseは、お父さんの虫たちとは決定的に違う点がある。

 それは、とても強い隠蔽の妖術を扱えることだ。

 お母さん譲りの妖術と合わせ、これらは対個人の情報収集に超特化させたものだ。お父さんは特定の場所に配置、僕は特定の人を追跡して情報を入手、お母さんは潜入して書物などから情報収集する。

 そうやって、この酒場はブルーム一の情報屋となっている。

 まぁ、僕はいなくてもいいのですが。いた方が楽って程度。

 なんせお父さんは1億を超える量を維持して、思考加速魔法で8000匹から情報を聞き出せる(自称)らしいから。

 詳細は知らない。

 部屋の前に立ったので、いつも通り伝言をしなくては。

φ(._.)メモメモ

はぼほぼうまく行ってるようです。部屋に失礼します。

「ああ、いいぞ」

 中に入る。

「うわぁ」

 中にはいつも通りの光景があった。


「はぁ…」

 報告を終えて部屋を出た。

 仕事馬鹿である。


 ◎視点 特になし


「エニカ、お疲れー」

 少女二人

「ええ、お疲れ様です」

「そろそろ私は出るから、残り頼めるかな?」

「ええ、彼についてですよね?」

 何かの書類を渡す

「そ、よろしくね」

「ええ、アルマ様、早くにすべてをお渡しできるようにいたします」

「うん」

 一人が去る

 書類を抱きかかえる

 もう一人も去る


 ◎視点 ドライ・スターリバー


 バーに客が来て、席に座る。

「エニカとアルマは情報を共有していくみてぇだ…」

 予想外だった。と天を仰ぐ。

 すべての情報を保持している俺にはさほどの違和感はないが。

「あの二人は思っているより仲がいい」

「そうかい」

 こいつはそろそろ用済みか。

Dispell(でぃすぺる)(魔法解除)」

「!?」

 何かをしゃべる間もなく目の前にいた存在は消えた。

 そのことに、ここにいる他の者たちは反応もしない。

 こいつらは使い魔ですらないただの魔法。

 他の客はそのことを知っている人たちだからだ。

「それでさ、私はお留守番なんだよ?ひどいと思わない?」

「そうだな、ひどいなー、いけると思ってるなんてなー」

「うわぁひどぉいー!」

「ってかまじでそうだろー?そのうちパフェでも奢ってもらえばいいじゃねぇか」

 目の前のフンフはひどく酔っている。

 やけ酒である。絡み癖がひどいのでここでしか飲めないのだ。

「お前、あいつらがいつ出るかわかるか?」

「明日」

「え?」

「明日、日が出る前、いや、もう今日なのかな?」

「マジかよ!!」

 焦らざるを得なかった。


 ◎視点 アルマ・ブルーム

  夜

  何処ぞかの塔の上


 私は詠う。

 いつも通り。

 いや、いつもより長いか。

My wisdom (まいうぃずだむ)teach (てぃーち)me how to (みぃはうとぅ)use the (ゆーずざ)mana(まな).(私の知恵が私にマナの使い方を教える。)

Follow me(ふぉろーみぃ) and (あんど)support me(さぽーとみぃ).(私について、私を支援して?)

My soul(まいそうる) can go(きゃんごう) all world(おーるわーるど)(私の魂はすべての世界へ行ける!)

majic time(まじっくたいむ) start now(すたーとなう)!(魔法の時間が今始まる!)」

 思加魔法。ところでこの文を作ったのが小さい頃なので文法ミスがある。神様にも融通きくっていいね。

 すべての世界じゃなくて世界のすべてって言いたかったのに。

My wisdom (まいうぃずだむ)intention(いんてんしょん)and (あんど)instinct (いんしてぃんくと)Lead me(りーどみぃ)to truth(とぅとぅるーす).(私の知識、意思、そして本能が私を真理へと導く。)

I show you(あいしょうゆう) the world(ざわーるど) history(ひすとりー) and(あんど) story(すとーりー).(私はあなた方に世界の歴史と物語を見せる。)

I (あい)start(すたーと) writing(らいてぃんぐ).(書き始めさせていただきます。)

today’s (とぅでいず)title is(たいとるいず)…(本日の題名は…)

majic time(まじっくたいむ) start now(すたーとなう)!!(魔法の時間が今始まるよ!!)」

 今日は…笑う世界、かな。

 ほら……今も下が、宴会でうるさい。

「ふわぁ……もう寝るかぁ…」

「そうですね、お休みなさい、アルマさん」

 まどろむ世界の中でその言葉を聞いた。マジで、寝るわ…。

 漠然と聞いた声。編集したのが大分後だったので、その聞いた話によって声を補完する。

「アルマさ『ん、大じょ』うぶで『すか』?」

「うにゅ」

「『それ絶対だめですよ』」

 『私はふらついていたらしい』

「『ダイジョウブ、部屋までは帰れる』」

「『念話でもしておきます…』」

 その後、『念話で読んでくれた』ジェーンが介抱してくれた。

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