私が私である理由 仕事中
貯蓄が完全に尽きたのでこのペースが限界です。元のアイデア集を大きく外れますのでマリルの件の解決後大分遅くなるという身勝手も加えて。
そこら含め誠に申し訳ありません。許していただけるなら精一杯努力いたします。
◎ ブルーム王城壁南東角 B3階 行政区執務室
はて、私は何をしていたのやら。
と、目前に広がる資料の塊にため息をつく。
大体、マリルはどうやってこんなの処理できるのさ?
「さぁてーと?」
碌に仕事しないとか。そんな文句はないけどさ?何でこんなところにいるんだか。
「ジェーン?いつまでそうしているつもり?」
「……ああ、すみません」
いつもの覇気が戻ってきたと思えば、こうやって凹んでいたりする。
何だろうね、無理してる感が薄いからよくわかんない。というと違うなぁ。
なんだろ?単純な不調と好調の波があるんだよね?
「さて、この量を処理すれば向こう三日は休めるね」
「そしたら学校ですか」
「そうだね?面倒だわぁ。一応宿題免除はもらったけど」
予習範囲はさすがにどうにかしなければならない。
そもそも、お父さんやお母さんからもらった知識では学校で学ぶ量には勝てない。
どうあがいても、勝てない。勝ち目なんてない。それですむ人間は環境がいいとかそういうレベルではない。もう家が学校だ。
「なんか空気が引っかかりますわね…」
空気読んでるー!?いや、私の思考は気化してると?読まれやすい思考どうにかしたいなぁ。
まぁ、どうにもならないでしょうね。
はて、勉強勉強。楽しいと思えば結構楽しい。めんどくさがる時間なんて無駄だしね。
そうやって行け、と未来の私にいわれ続けてきたから、慣れっこなだけかもだけど。
「その報告書は諦めるんですの………?」
「お嬢様、この世には妥協という概念がございましてね?」
無理矢理な主張をしてごまかす。まぁ、実際全部済ませるために渡したものじゃないし。マリルへの分はなんか日に日にそうでもなくなってきたけど。
さて、私は、とりあえず勉強をしておくわ。勉強勉強うるさいって?そっちと違ってやることないのよ。
「ところでもう丸一日なんだけど」
「ただベッドから出たくないのでしょう?」
そうなのかしらねぇ?
「マリルも早く起きなさいよね」
それだけしか残せなかった。
庭をふと見る。
青い小鳥の鳴き声。それが起こす小さな風が花びらを自然の風に乗せる。
太陽の光は、求めてやまない向日葵のために光を強める。
死んではならないという小さな願い。それは恐らく小さなアリのものであろう。かすかに命を吹き返した。
最近編み出した魔法の力で、世界を見つめると、実は魔法には言葉がいらないことに気がついた。
きっと人間は不器用なんだろう。
私は少ない魔力で魔法を使うすべを持たないけれど、幸い私の魔力も生命力も多い。この事実を生かせば、きっと世界を変えるに足る力が手に入る。
私はあり得ないことを起こすという面での、魔法使いとなれるのだろうか?
私は私の時間を刻み出す。きっとここからは微かな日常の中で…………
私は、この続きが読めない。
私の記憶が読めない。それは何を意味しているのか?




