王城の一日 昼
パインについて
アルマをアルマおねーちゃんとよぶ
マリルにはただおねーちゃんとよぶ
マリルおねーちゃんとはよばない
2019-5/3 名前が不明瞭なので修正
◎ ブルーム王城 女王の間
あー、またかー。
「お姉ちゃんまだそれ?」
頭が弱いのか、食事後たまに意識が飛ぶ。
飛ーぶ!頭部だけに。
なんちゃって。
「寒いです」
てへぺろ。
ここは私の部屋やね。居るのはマリルとシャメルさん。
「ん?パインは?」
どこいったの?この部屋には居ないようだけど。
「パ…インはお父さんに叱られてる」
パパっていいかけた?それより、叱られてる?
どうして?と思い、なんとなくベットから起きて外を見る。
「うわぁ」
中庭の一部が焼けていた。マジかぁ。パインの魔法なんだろうなぁ。
パインの魔法はバリエーションに欠けてるから何を使ったかわかりやすい。
この、三回テキトーに線をひいたような様子からするに、ライトニングドラゴンだろう。
…ん?あれ!一匹厨房につっこんでんじゃん!?
雷のドラゴン、というより龍か。を暴れさせる、辺り一面焼け野原にしてしまえる危険な攻撃。パインのもつ魔法の中で、直接的に攻撃する魔法はこれだけ。それでも身を守るのには十分強いだろうけど。むしろ周りを巻き込むから危ない。
あれを何で使ったのやら。まぁお父さんが追求してくれるしそこはいいや。
ちなみに、私的には龍は蛇っぽいので、ドラゴンは、羽の生えたトカゲ。って考えてる。けど本来エーデ語では龍、白銀の言語の一つ…英語ではdragonらしい。エーデ語は北の果て、エーデ民族地域からの言語。白銀にも同じような言語があり、その日本語の影響で、ああ、日本語だった。目本語って間違えた子のせいでこんがらがるんだよねぇ。で、その影響で世界中に広まった、と。
「じゃあマリル、直すの手伝いに行こうか」
「はーい」
と言うわけで恐縮されながらお手伝いを申し出て、資材運び。
「しっかしおてんば女王というか、いやおてんばじゃあ失礼だなぁ、こんなにも心優しいんだし」
「おいおい、そもそもが無礼だぞ」
おてんばってそんな悪い意味だっけ?
「よいっしょ」
私も運ぶ。おっもい。
……あれ?私女王だよね?女王ってこんなハードな肉体労働あんまりしないよね?まぁ私だしそこはいいや。
でも、そもそも、女王って何?
私が女王である意味ある?教養なくてもおかしくないから、恥をかくことになりかねないのに。お母さんが教えてくれたからまだしも。
もしかしたら、かなり事情はこんがらがってるのかもしれない。せめて、理不尽人間の一人や二人いたら……いや、十人以上いないと焼け石に水かな?まぁたくさんいたら無理矢理まとめられそうだけど、やばそー。
だいたい、ユーク伯父さんって子供いるのよね。あったことないけど、その子じゃだめな理由が分かんないし。その人もさらわれたのかもしれないけど、聞いてないし。
ねぇ、怖いんだけど。逃げていい?だめ?
さて、と。これで終わり。次は、ない?
「資材はひとまず運びましたぁーー!」
同じことに気づいたらしくめーーっちゃくちゃ大きな声でマリルは叫んだ。気が利くね。ちゃんと見習わないと。妹を見習うってかっこ悪いね。
「了解だぁ!!」
遠くでガタイのいい大男が答えてくれた。あっちいたらうるさそうね。
そろそろ、お昼ごはんかしら。でも厨房こわれたんだよなぁ。
「女王様たち、昼メシどーするんでぇぃ?」
「どうしようね?」
マリルと大工の一人が話していた。というか。
「今はアルマと呼んでくれない?正直平民歴12年弱には荷が重くて」
女王様よびなのはしょうがないけどむずかゆい、という感じなので、こういうときはね。
「ああ、アルマちゃんが構わんのならええんけど」
あっさり。助かるよ、おっちゃん。
「昼ねぇんなら嫁が来るげん、サンドイッチ一緒に食おか」
おお!そりゃあよかば!
あ、うつった。
「ありがとー!」
「かまわんわい、たいしたことでもね」
こん年の子を迷惑とはおもわんだろ、と小声で言うのを聞いてなおさら申し訳ない。
「おお、噂すればってやつだべさ」
おー?きたー?
「あなた、その子貴族様なんじゃないの?」
「あ、あの」
あ、娘さんも来ましたね。っていっても、あっちの方が年上そうなんだけど。相変わらずの私の不遜さにあきれた。
「ど、どうかしました?」
話しかけられたら返さないとね。
「あなたは、えっと、どなた?」
「えっと、私?私はアルマ」
まぁこれだけで私が女王だとは分からないだろう。と、思っていたのだが。
「アルマ、って!もしかして、あっ、と、あの、…」
あれ?ばれてるぞ?
「アルマって、一つ下の学年にいた子……あっ」
お母さんのこと学校にひろまってたんだぁーーー!!!
そう、あれは1年生の5月、授業参観の日。
あろうことか、お母さんがふつーに来たのだ。まぁそれだけなんだけどそれだけで済むとでも?って。よくある普通の服、はっきりいってよそ行きの服ではないけど、それでもその教養による美しい所作は目立つ。そこについてきてたマリルがおねえさまと呼んでとことこと私の所に来て、おかーさまときたよーって言う。はい。以下略。
まぁ、お母さんがリズベット、平民に嫁いだ方だ、と分かったから貴族扱いされなかったけど。
「いろいろあって、短い間王家の人間としていることになったんです」
ってとこか。
「た、大変そうだね」
「まぁね」
そりゃあ大変だよ。
「あ、と、忘れてた。わたしはハイナ」
ハイナちゃんね。おぼえとくよ。
そんな感じでなしくずし的な流れでお昼ごはん。
ハイナちゃんのお母さんのサンドイッチ、おいしかったです。