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魔力オーロラの日 ナイト

21/5/1 ルビふり直し

 そしてご飯をもらう。今日はシチューらしい。どうやらいろいろ足りなくて品数が減ってもいいようなのを選んだらしい。非常食の黒パンなあたりね。お察しだよね。

 あれ、このコンソメスープ具材がない?

「ちょっと隣失礼するぜ」

 あ、マラカッタさんだ。どおぞどうぞ。

「胃腸はだいじょうぶかい?」

 おなかの調子?

「問題ないですよ」

「そうかそうか、さすが若いだけある」

 若い?なんか関係あるのかな?

「この歳でも、ああ、俺は今年40になったんだけどな、さすがに昼のは腹にくるものがある」

 ああ、牛丼か。確かに(あぶら)っこいし、ざ・肉だし。そうかぁ。だからおなかにも比較的いいものにしたのね。

「シチューすら断るやつもいるからな、そのスープで栄養は大体どうにかなるならそれがいいからな、できるだけ頑張ったぜ。あとそれ、具材ないからブイヨンという方が正しいぜ。エデン語だと紛らわしくてかなわん」

 へぇー。ところで、この会話、なんか心読まれてない?ごく。

「王家秘伝の魔術でな」

 え゛。何それすごい。ぱく。

「王が許可した者が使用を試みることが許される」

 へぇ。ひたひた。

「ちなみにバカの方が使いやすい」

 ……………あっ。それ、むしろやばいやつ。もぐもぐ。とはいえ一口にバカと言っても直感型みんなバカと言えばバカだし。ごくん。

「まぁ、賢くはないけど、な」

 うーん、バカ、というのも変だなぁ。ああ、でも料理馬鹿っぽさそう。はむ。

「料理馬鹿か、上手いことを言うな」

 えへへ。もぐ。

「あと、何で頭の中に擬音が入ってるんだ?」

 ぎおん?ああ、擬音か。なんとなく。はぐはぐ。

「………まぁ、あれだ。おいしく食べてくれてうれしいぜ」

 うん!おいしいご飯、いつもありがとうね!

「どういたしまして」

 くっくっく、あっはっは、と二人で笑っていた。

 その時間はとても暖かい時間だった。

 家族でいてもそう思えるけれど、やっぱりお母さんが居ないとなぁ。

 そういえば、お母さんの仕事の依頼ってどうしたんだろう?デザインを皆で考えてみたりしたのはいつだったっけ?

 ああ、やっぱ恋しいや。

 パインは何も考えてなさそうだけど、マリルはもっとこの恋しさに苦しんでいるだろうな。

 パインも考えては居ないだろうけど、さびしいだろうし。

 お父さんは今は全力で頑張ってるからいいけど、休む暇があったりしたらさみしくてさみしくて。お母さんを助け出したらすっごくいちゃつくね。うん。

 さて、ナイトハイテンション的なのが起こらないようにしないと。

「それでは、今日は編集して寝ますね。おやすみなさい」

「おうよ。頑張れよ」

 それだけを交わして、自分の部屋へ向かった。


 そして寝る前に忘れていたことに気がつき、お父さんに先ほどの本の話をした。

「まじかぁ……」

 本の性質に困惑した様子で、いろいろ手配を始めた。

「…面倒くせぇけど、探すか」

 本当に、面倒だ。といわんばかりの様子で

「何を?」

「人をだ。アホと病人と演奏者だな」

「何その組み合わせ」

 アホってこれだけ酷いし。

「アホはアホだ。いろいろやらかすって言うか、まぁあいつ、必要ないことはとことん考えなくて、最低限しか人に気を使わないから、扱いにくいやつと居るとエラいことに」

 何をやった?そいつ。

「ああ、後、編集前にこれ読んどけ」

 渡されたのは一枚のメモ。

 全力((フルパ)発揮(ワー・)変身(モード))の概要…?

「どれどれ」

 フルパワーモードは魂に合わせた形に肉体を変える魔法。ルーファス・フィロソフィアの魔法としてが有名か?

 あれはほか二種類あるらしい、魂魔法と世界樹や神獣らには言われている。

 らしい。

 フルパワーモードはエルフ・シャロウワイルが命名したもので、正式なものではないとここに補足する。

 この魔法は、魔術と禁術の合わせ技。そして詠唱は、己の有り様を形にするのみ。効果のほどは、発動さえすれば他の魔法を自在、というほどに扱えるという代物。しかし消費マナやライフは変わらない上に、発動中ずっとマナとライフを消耗(しょうもう)するため、使い尽くす危険が高まる。

 事実、アハト・フルグリーンの大馬鹿を三回はたたきのめした。いつもなら、ゼクスやフンフが一回たたきのめすかどうかあたりで止めてくるのだが。そしてそれだけの間で、私は立てなくなるほどの疲れを得た。マナを全て使ったからだが。

 実験のつもりだったのだが、こちらをからかったにも関わらずいつものノリで攻撃しただけでかなり動転していたあたり、なにかほかの影響もあったのかもしれない。後日それについて聞いてみたところ、俺だから問題無いとだけ返された。まぁ無いというのなら無いのだろうが、俺だから、というあたりが恐ろしい。彼は仮にも、世界で二、三を争う魔法医師なのだから。

 まぁ何であれ、リスクの高い魔法である。―――フィーアより

「うわぁ」

 どうやら、学園長の調査記録らしい。

「ちなみにさっき話してたアホがアハト・フルグリーンだ」

 へぇー。そうなんだ。ただのデリカシーのないやつにしか見えない。

「オールグリーンでいいってやっぱり思う」

 どういう意味かよく分からないよ?

「まぁ、お休み」

「うん。あ、ここで編集してく」

「おっけー」

 私はいつものように、魔法を使った。

任務がいそがしいので次回は少し遅くなります。任務は言い過ぎかもしれませんけど。

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