魔力オーロラの日 イブニング
区切りを派手に間違えたので、前回と併せて三部構成と言うことで。
◎視点 アルマ・ブルーム
15:28
ブルーム王城 屋上庭園
ふぅ。早めに編集をいったんしたけど。
ちゃんとバックアップ、とれてるね。
「そういえばさ、叔母さん」
「なぁに?」
「人を殺すなって、人は言う」
だけれど。
「みーんな、我が身かわいさに、人を食い物にして生きている」
そうでしょう?
「私は人を殺す仕事をしている」
「そうねぇ、850万人も人が居れば、必ずいくらかは救えないもの。人を殺している、という人も居る」
「それは事実で、でも一緒に人を助けて導いて、けるようにがんばれ主人公」
なんか急に主人公扱いなんですが。
「せめてメインヒロインくらいじゃない?」
女王じゃなかったらそこにすら行ったかどうかだし。あ、だとしたら主人公誰だろ?
「えぇ……否定しにくいところを……ってゆうか、助けられる側の性格じゃないって自分で言ってなかった?」
「言った言った!あっはは」
懐かしいなぁ。その気になれば昨日のことのように思い出せるけど。
「うふふふ、なつかしいねぇ…」
黒の髪がなびいて広がっているが、何故か透けて向こうが見えるような気がする。
暖かく見ているのだが、こちらがじっと見ないときずけないような目。
やはりこの人は、不思議で、でも、やっぱり、一緒に居て心地いい。
さて、こうやって居る時間は無いね。
「じゃ、私は仕事に戻るよ」
さて、山積みにならないうちに片付けないとね。3点のテストと違って隠せないから。
◎ブルーム王城壁南東角 B3階 行政区執務室
そうして私は、仕事に明け暮れた。
その途中で夕焼けを見れなかったー、とパインが言いに来たり、ついでに私も行く、という感じで来たマリルは私のひざの上で寝ようとしたり。ごめんなさい今はやめてください仕事ができません。
そんなこんなではしゃぎながら仕事をするのであった。
で終わるとでも?
「ふぅ、もう夜ご飯食べに行くよー」
「うん!」
「分かった」
二人にそう話しかけ、また階段を上る。そしていつもどおり地上階まで上ると。
「きゃ!?」
なぜか、一冊の本が落ちてきた。
これは?
「呪いでもありそうな本だね」
赤いカバーに黒い字で「ウぉルfロ♯」と書いてある?
「こわいぃぃぃ」
パインがおびえている。
「どこからぁぁぁぁぁぁ?」
は?
「え、え、え!?ほ、本棚が…」
本棚?ほんだな。どこをどう見ても本で埋め尽くされて……?
じー。上までぎっしり。……ぎっしり。ぎっしりぎっしりぎっしり!!!
「どこから、出てきたの……!?」
この本は、一体?
「………行こう」
二人は無言で涙目でこくこくこくこく、とうなづいた。
◎視点 本(狼神獣マーナガルムの意思の一つ)
ふぅむ。あの女の子たちはなかなかどうして。
―――協力しても良さそうだ。上手くいくかな?俺は、俺だけは、役目を果たす。罪人をあるべき場所へと導く!
…そのためだ。俺も、リズベッド・アローラを助ける手伝いの一つ二つ、してやろう。
◎視点戻る
食堂
まだご飯はできてないらしい。
「ところで、この本何なんだろ?」
ついてくるし。そう。浮いて、追ってきたの。
「みゃう!?」
そうやって眺めていると、ページがひとりでに開かれた。
ぱらぱらぱら。そう音を立て、開かれたのは。
白紙のページだった。だったところだ。達筆に文字が現れている。にもかかわらず、その現れ方からも、まるで手書きのようである。
「………いつから観察していたの?」
そこには『初めまして、だな。アルマちゃん?』と書かれた。そしてこの言葉を聞いていたかのように、『別に。いつからともない。むかぁしむかしの頃から俺自体は居るからな。記憶なんてまともに無いって』と書き換えられた。
「はぁ、そう」
生返事を返すしかなかった。
『やっぱ興味ないか。長々話に乗ってくれる子でもねぇし、因幡よりましだがやりにくい』
イナバ!あのウサギ!?
『ああそうだ!後俺の他心の力は人の心をある程度読める。口に出してイタイ子して無くていいぜ』
一言余計。まぁありがとさん。
『へいよー。直球で行こう。俺は俺のやるべきことがある。討つべき者が居る。しかし俺は何もできない』
はぁ。
『お前はどうしてそう………人の思惑のために、お前は利用されていくことを知れ。俺もそうするんだ』
それわざわざ言う時点で、もう私に選択肢残ってないよね。
『まぁな、なんせ俺はただ情報を話すだけだ。そしてそれはお前が求めているものだ』
へぇ……!つい口がにやける。なかなか良いじゃない!!
『やはりお前の心の中はおかしいな。天眼の力を一部無理矢理引き出しただけのことはあるか』
何のこと?
『未来を見るのが因幡の天眼だということだ。その力は世界で一人しか使えない。それだけだな』
よく分からなかった。ちなみに私この時気づいてないけど、お腹なってた。早く来たのに空きっ腹。ちなみにそろそろ出来るあたり。
『ただ、使い方が派手に違ってな……まぁいい、情報だっけな。フィロソフィアの息子は悪人ではないが、あいつの運命はもう変えられない』
悪人ではない。もう運命は変えられない?どういうこと?
『今のはついで。本題だ!リズベッド、ユーグレース兄妹の居場所は、エルダーアース教国だ』
………ああ、そういえば禁忌を犯したのはあの国だっけ?
そうか、狂国の方を対処して欲しいのだから、教えた方が都合がいいと。納得したよ。ありがとう。せいぜい有効活用するよ。あなたに都合よくことが行くといいわね。
『全くだ。それではまた休む。事が済んだら会いに行くわ』
うん。あと、書くとその語尾は女っぽいです。
「あでっ」
おでこたたかれた。ってゆうかタックル食らった。本に。
さて、出来たらしいね。では行ってきます!




