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魔力オーロラの日 ファストブレット

 ◎視点 アルマ・アローラ

  花の月4日 魔力オーロラ中


 うあぁ。

「あだまが」

 痛い。ちょー痛い。頭が痛い。

 ちょっとこれはないわぁ。

「魔力があふれてるぅ」

 マナが多すぎてつらい。

「私も酔いましたわ」

 あ、ジェーンも?

「あと、動けません」

「あ、じゃあおかゆでも持ってこさせとくね」

「感謝します」

 こりゃ重傷だわ。さぁて着替えるか。

 今更ドレスも面倒だし、普段着のワンピでいいや。魔力酔いは起きてすぐ限定なので大丈夫です。

「魔力オーロラは、人によるけれどあまりのマナの多さに()う。マナの保有量が多い人ほど酔わないけいこうにある、にゃ」

「あーウィッチ?」

 珍しく来たね。そういえばここに住んでるんだった。

「…に゛ゃっ!?」

 どしたの?急にはねて。

「にゃにも見てにゃい、コーフンにゃんかしていにゃい」

 あ、あれ?そういえば今下着だわ。それとさ。

「ウィッチ、オスだったんだ?」

「ボクってずーっと言ってたにゃ!!」

 あ、そうか。うわー、でもびっくりー。

「そもそもウィッチはヒトにコーフンするの?」

「言い方まねするにゃあー!あー、うん、発情期だけするにゃ」

 へー。使い魔って子供作れるんだねぇ。

「にぁ、にゃ、みぁあー」

 ってなんかいやらしい鳴き声してる!?

「で、出られないから早く服着るにゃ!」

「あ、うん」

 こいつ、うぶすぎてかわいいぞ。

 よーい、しょ。

「はいオーケー」

「はっや!?」

 ま、ただのワンピースだしね。

電磁嵐(でんじからし)ふいてないみたいだね」

 魔力オーロラはたまに電気がめちゃくちゃに出ることがある。

 まぁ危ないのなんの。

「おい!大丈夫かよノイン!?」

「」

 なんだー?後なんか聞こえた。全く何よ!

「まーたー?…ぎゃーーーーーー!」

 パインも!

「急ぐよ!!!」

「ほいっと、さぁ、行くにゃ!」

 いや、乗らないで?まぁいっか、ネコだし。

 さて、下に急ごう!

「いそげー!?」

「アルマ様行かないでくださいー!」

 なぜか止めてくるメイド。

「なんで?」

「にゃんで?」

 簡単です、といわんばかりにすぐ返ってきた。

「まだ魔力オーロラの毒素が抜けきってないので」

「にゃ?それって……」

 何か言うより先にそれが起こったらしく、異音が。

「フラグ乙」

「にゃああーーーーー!」

 マジでフラグ立てたよおつかれ様。ウィッチは耳がやられたようだが大丈夫か?

「電磁嵐か」

「あー、でもこれはまだましかもにゃぁ…」

 まぁ見えてるだけましだよね。

「さぁて、どうしてくれようかな?」

 魔力の(かたまり)なのだから魔法を派手に使えば大丈夫だけど、問題はその魔法だ。

 私、物騒(ぶっそう)なのしか使えませんので。

laevateinn(らーぶぁていん)

 というわけで扱いやすくて被害がほぼないこれにしました。

「みゃーすごーい」

「へへーん、で、これどうしようかな?」

「み゛ゃっ!?考えてなかった!?」

 (おどろ)きのあまりはねる、耳が聞こえないのがすぐに治っていたらしいウィッチを(なが)めつつ、私はどうするべきかを考える。

anti(あんてぃ)free mana(ふりーまな)(こう)自由魔力)」

 その声とともにかき消されたけど。よかったー。

「無制御に等しいのに抵抗が強いな、しかし……」

 おおー、まさに大物登場のシーンだわ。

 廊下(ろうか)の中央を堂々と歩く、マントを羽織(はお)った老人。

「子供の責任能力の限界というものがあろうに」

 すげぇ!ジェーンのお父さんマジすげぇ!!

「感謝しますわ、フィロソフィア公爵」

「よいよい、わしの仕事じゃ。むしろ迷惑をかけたな。この件も、息子の件も」

 息子?

「ああ、息子は昨日おぬしを殴ったやつのことじゃよ」

 あー、腹パンかー。

「思い出すと痛くなる」

冗談(じょうだん)はいいわ」

 はーい。

「実際の所ごまかせる程度の痛さでしかないよ?」

「そういう問題ではないと分かっていて言っているだろうが!!」

「…ごめんなさい、ちょっとからかいすぎた」

 反省。しゅん。

「まぁよいよ。さて、彼にも仕事を頼むべきだろうな」

「あれどうにかするの?」

 まぁするんだろうけど。魔力オーロラ((あれ))

「当然だろう?」

 ですよね。

 しかしこの人、結構怖そうだね。すごい威厳のある人だけど親とかとしてはウザそう。

「朝食食べてきます」

「妹はどうした?」

「あ」

 ウィッチはもう行ったみたいだ。

「急いで行きまーす!!」

 ぴゅーん!

「まぁ、あれか。にぎやかそうでいいことなんだろうなぁ」

 そう言っていたけど、その裏で何を思っていたのだろうか。


 結局、ノインさんは魔力酔いだった。

 パインは何も異常も違和感も無かったらしく、勘も何もなかったようで外の光景に驚いただけらしい。

 マリルは……多分酔ってるね。

 あの子はすっごく弱いからなぁ。魔力酔い。といっても、あの子が2才の時以来なのだけれど。あの時はパインの出産のこともあってお母さんの容態もひどかったなぁ。私がんばった。

 あ、あれ?お父さんは全く酔わないなぁ?

 と、まぁこんないきさつをフォリックに話したところ、それについては。

「ゼクスさんは常に魔力がなくなる寸前ですからね」

 とのことである。何やってたらそうなるのか。

「今日の昼は白米出るんだっけ?」

「はい。楽しみです」

 そっか。ここは白銀で言う西洋、フランスあたりの食事に近いからね、ミラージュのいわゆる日本食とは勝手が違う。そういえば。

「…ゼロスサンはいつまで引き延ばしを許してくれるかな」

 ついでに言えば、ゼロスサンは中華風、エデンはイヌイットやロシアの食事を元に、農耕もして過ごしている。

「さぁ?まぁ、それまでは学園生活を頑張ってください」

「ってゆうか、フォリックは行かないの?」

「行けません。獣人は問題の種ですから」

 そっかー。としかいえない。

「さて、ごちそうさま」

「ごちそうさまです」

 朝食も終わり。仕事頑張る。

 え、宿題?もう終わってます!

ラーブァテインだかレーヴァテインだかは元はlævateinn表記らしいのでlaevateinnと表記するようにしていたつもりでしたが誤植でleavateinnとしていたものをコピーしていましたので訂正していきます。

 この元表記を書いていなかったのもあり、ここでお伝えさせていただきます。

 ところでこのaとeがくっついたやつ、Ashアッシュというのですね。なんかかっこいい。

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