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唐突な入学?

前回の通り、残酷な描写ありのタグをつけました。直接的暴力描写の強い部分の題名に♯、うち性的なものが強いものに/♭を加えることにします。

また、間接的な描写、および暴力行為を喚起する可能性のある危険な言動はこれまでもいくつかありましたが、これについては特別補足しませんのでご了承ください。

「これでも僕を見てくれると、本当にうれしいかな」

長々と失礼しました。

 ◎視点 特になし

  王立魔法学園 学園長室より

  歌の月31日


「よ、フィーア」

「仕事中に乱入するアホがいるんだってー?」

「おう、ここにいる。そこにもいる。にゅーがく手続きよろしく。うちの子たちのね」

「じゃましたわけじゃないから」

「………ゼクスあんたねぇ、そんな違法まがいを」

「ならそれっぽく(おど)すことにしようか」

「おいこらそうじゃねぇよ」

「はっはっは、ま、とりあえず頼むぜ、いいふらされたくなきゃな」

「お前犯罪者みたいな去り方すんな」

「つうか、あれ脅しのねたにならねーような気がしないか?」

「まぁそうだけどね。バレバレだし」

「バレバレの犯罪みたいな何か」

「悪人退散しただけよ!」

「悪人あっさり成仏しないんじゃねぇのか……」

「知らない!」

「そうか」



 ◎視点 アルマ・ブルーム

  ブルーム王城 更衣室

  花の月(4月)2日



 唐突に王立魔法学園に行くことになりました。

 まぁたやっかいなこともある。

「ちょっと自信ないわぁ」

 王立の魔法学園はかなり優秀(ゆうしゅう)な子たちがたっぷり。王立は国立と違ってめちゃんこ優秀な人しか入れないらしい。そんなだから、大体の貴族は家庭教師に学んでいるのに行けない。そういう貴族は国立に通う。

 一般的には区立の学校に行く。かくいう私もそうだった。

「イヤー久しぶりだわー」

「一年もないでしょ」

「年のyearじゃ無いでしょ」

 三人組もいた。

「ありがとうね、シャメル様」

「お気になさらず」

 ジェーンとシャメルもいた。シャメルに着替えさせてるジェーンがいた、か。従者の正しい(つか)い方ってやつ?

 王立にいきなり「入ることになった」といわれたけど、昨日受けた試験、合格してたとは思えないよ?

「あのさ、お姉ちゃん」

「なに?」

 制服に着替えるのに苦戦しているところに、マリルに話しかけられた。

「本気で違和感ないの?」

 なにがよ?

「わからない」

 いやパインはそりゃあね?話関係ないはずだし。

「わたしも」

 こう答えたらマリルは頭を抱えた。


 ◎視点 マリル・ブルーム


「本気で違和感ないの?」

 本当なら礼儀(れいぎ)作法とかは、一般人は学んでるはず無い。なら私たちはなぜ王城でも通用するそれを覚えているのか、考えてみた?

 それは、お母さんは王家((いっぱんじ)の人(んじゃない))、だからなんだよ、多分だけど。

 同じこと、学力でもいえるんだよ。お母さんは王立を卒業してる天才(ただし天然ぼけ)し、お父さんは全く知らないけど、結果としてお母さんより頭がいい(けど子供の扱いはだめだめ)。この時点でおかしいの。ご都合主義なの(欠点はあるけど)。わかる?わかって?わかんないと悲しいな?わかんなかったら登校中このはなし延々としよう。

 だってそれでたくさんねたまれるんだもの。危ないのよ?

「わからない」

 パインに言ってないよぉ…というか、パインより着替えるのに苦戦してたお姉ちゃんどうなの?ぶきっちょ?

 って、シャメルさんも分かってらっしゃらないみたいですね!!!しっかりしてよ外交官!

「わたしも」

 うおおぉぉぉぉおぉぉおおい!!??!?お姉ちゃんもぉ!?

「着替え終わったから、行こうか」

 うわぁあ、話そらされた。そこは器用ね。あれ、こう言うのって、器用っていうっけ?

「(やばい私マジで混乱してる)」

「「「あれ、前にも見たよねこんな状態」」」

 そりゃ三人そっくりは混乱するよ?


 ◎視点 アルマ・ブルーム

  通学路


 さて、ここで問題です。

 校門前に水のたっぷり入ったバケツを持った女の子がいます。この子は次にどうしますか?

 制限時間は今ゼロになった。

 答えは、中身を人にぶちまける、でした。

 直後、水かけられたマリルにつかまったけど。

 わーぷげーととろーぷのこんぼは、はんそくだー。

 はぁ。ふざけてないで(かわ)かそう。ってかマリル本当に容赦(ようしゃ)ないよね。

heat (ひーと)dry(どらい)(熱乾き)」

 魔法便利。雨の日とかバケツの時とか。

 で、このいたずらっ子どうしよう?

「マリル、この子どうするおつもり?」

 一応外なのでしっかりした言葉づかいで話……したい。

「ラピス・マリア!貴様を処刑(しょけい)する!!」

 乱心してやがる!おお落ち着くのののののぉよまりり。

「さすがゼクスの子だわ、常識ないジョークが」

 じょじよ、ジョークかよ。んで後ろから突如現れたあなたはなんのつもり?

「しゅーかんいどー?」

「―――あの子は」

 しゅんかんいどう。パインよく分かるね、初見なのに。

「あちらも私の妹ですわよ、フィーア・クィーンヘッジ学園長殿(どの)

 テレポート使う学園長はちょー有名。

 ついでにお父さんの友達だしね。

 っても、この前あったばかりだけどさ。

「ああ、っと、失礼」

 っと、そんなことより何のよう?

「それより、要件を聞きましょう」

「では。一つ、アルマ様、あなたは中等3学年への編入となるので、明日からでよろしいのですが?」

 は?

 今、ぽっかーん、て顔をしてるに違いない。

「私初等6年生になるはずなんだけど?」

 私11才。

 ここ大事だよ?

「ああ、飛び級といわれるものです」

 はあ?

「あなたは、一般の中等3年相当を学ばれていますので。ここでは、中等3年生は高等1年の学習が主となるので、このようにさせていただきました」

 前提がおかしい。あれか?いつの間にか英才教育うけてたっていうの?

「また、あの回答ならついて行けるでしょうし。あなたを教育した人は、よほど教育慣れしてるのか、または」

 いったん切る。こういうときって、大体この後に言うやつが合ってる。

「よほど説明が下手なんでしょうね。勝手に理解力が伸びるほどに」

 へー、そんなおかしな人もいるもんだ。

 ねぇ、お父さん?

 って言っても、ここには居ないだろうけど。

 あ、そうだ。

「それでは、ラピスの処遇(しょぐう)、お任せいたしますわ」

 マリルにはさっさと離してもらおうか、こわいし。

「気を張るのはつかれる」

「そうねぇ」

「あなたは怒ってないの?」

「まぁそりゃあ、あの程度のことは」

「あの程度って…」

 まぁ肉体的に傷つく程度。

「人間を否定されるよりかはまし」

 人の持つもの、性質、環境、行動。それらを否定する本当に本当の(くず)とは違うもの。

「それに、私も人を傷つける」

 そういう人間は、私が許さない。理不尽は理不尽で打ち(さい)く。

「そう、か。まぁそうね」

 それでは。

 さ、帰ろう。

 ってゆーか、5才のパインが入学できるってただの才能でもおかしいよね。

 まぁつまりはほんとに実力主義ってこ…いや、やっぱ前提がおかしい。

 おい、だれかヤラセしてねぇよなぁ!?


 ◎この時ゼクスの方では


「くしゅん…あー?うわさでもされてるのか?……気のせいだろう」

「お前、二度目だぞ…」


 ◎視点 フィーア・クィーンヘッジ

  とある町

  ラピスをしかった後


 また、ここに来るとはね。

「ここは、夢の世界」

「ごたくはいいわ、はやくとおして」

 ここに来ると、なぜか舌っ足らずになる理由はなんとなく分かった。

「ああいいよ、でも禄斗(ろくと)はいないよ?」

「いい、ようはあなたにあるの」

 主人に用はないのよ、使い魔さん?

「ななしのゆりかごさん」

「名無しじゃなくなったんだ、僕はウィッチ」

 名前をつけられた?ってことは、人前で話したの?

「ウィッチ?だれがつけたの?」

「パインちゃんだよ」

 えっ?あいつの娘に?

「あなた、あいつにあったの?」

今更(いまさら)話すこともないかな?とは僕も思うけど」

 何かありそうね?

(もも)ちゃんに会ってきて、枝納(しのう)ちゃんと合流させて?あの子だけ22年前から会っていないし」

 うわぁ、あのホームレスに会ってこいって?(さが)すの面倒なんだけど。

「しょうがないですね、ならがくえんはまかせますよ?」

「はいはい。あ、枝納ちゃんには」

「さいきんあったばかりよ。それにちゅうもんのつごうであわせたし」

 この体だるい。帰ろう。

「ばいばい」

 もうここに来ることはない。きっと、必要が無い。

「じゃあね、フィーア」

 うん。

 最後にの景色を目に焼きつけた。

 再現とはいえ、帰れぬ故郷に思うところはあるのだ。

訂正 帰れる→帰れぬ

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