町中の散歩と失敗
また遅れました…。
新作投稿開始しました。
良ければそちらもどうぞ。
適当に病気作ってしまいましたが、医学的な思考では考えて無いのであしからず。
◎16:25
……ん?
あれ、私?
「起きたかー」
「う、うん」
まーたぶっ倒れたのかよ。
「大丈夫ですか?」
「ああ、だいじょうぶ、けっこうあるんだ、こういうこと」
心配かけちゃったなぁ。
「またかよなー、ったく、気をつけろよなー?魔法系の不調は王城の医師でもよく分からないんだから」
生命力暴走性低血圧症。ただの食後低血糖症より早く症状が出、症状の重さが予測しにくい。
また、原因が物理肉体ではなく生命力側にあるとどうにもならない。
ちなみに、マリルがこう言ってただけで私は意味を理解しようとはしてないです。
「そういや」
と、何かを続けようとして止まった。
「どしたの?」
と聞いたところで何も来るはずはないな、と思っていたのだが。
「がんばれよ、女王陛下として」
応援してくれるとは思ってなかったなぁ。
「うん、ありがと。がんばるから、私」
えへへ。
「でも何すればいいのやら」
「しらないよ」
だよねー。
「じゃ、いこうか」
「もう大丈夫なんです?」
「うん」
「なら、行きます」
さ、行こう。
◎センチョオシー地区 中央広場
19:00
大きな広場。
「休み休み来たからかなぁ」
予定より遅くついた。
そんななので道中で買ってきた焼きそば食べてる。
「そうですか、としか言いようがないですけれど」
「ああごめん、同意求めてたわけじゃないんだ」
まぁここらのこと知らないからね。
そういって、視線を前に戻したとき、一人の不自然極まりない少女がいた。
茶色い髪と赤い目の、犬の耳としっぽの生えた少女。
服装は、この都市にいるにしては貧しそう、っていうか古びたシャツとショートパンツで、しかも裸足。
その不自然なまでのみずぼらしさ。だってコルルたちだってこの都市でかなり貧しい方なのに、比較にすらなってない。ここで生活できているのか?
それ以上に、何かをにらみつけているその目が、憎悪に満ちている。
◎直感の域をこえたトランス状態へと
幻視する。彼女の前には幸せな人々。哀れみの視線。
苦しみあえぐ。
いつしか男に連れられていた。たくさん罪を犯した。
鉄のつばさで飛び立った。
そして落ちた。
自由という名の鎖を得た。
私は彼にとらわれた。
死ねない。
私は彼のしもべ。
彼の意思でしか行動できない。まるで呪いのようだ。
どうして、どうして私はー!!!
◎視点 アルマ・ブルーム
20:00
え……?またぁ?
今度は未来予知的な何かみたいな感じ。
まぁ私にそんな力ないけど。
………あれ、フォリックの気が散ってる?
とりあえず起き上がる。
「いつの間にか始まってるし」
「そうですね。しかし、豪華な花火ですね」
そうね。
「ブルーム伝統の魔法花火だからね」
さーってと。
「たーまやー」
花火にあわせて言う。
「なんですかそれ」
「白銀の詩の月や葉の月の花火はこの合い言葉を言わないとね」
玉屋であって、タマやーってよんでるわけじゃないぞ?
「じゃあ次一緒に」
「そうだね」
せーの。
「「たーまやー」」
特大の花火が打ち上がった。
ふと、お母さんのことを思い出す。
花火を見てる私たちを見て、うれしそうにしていたお母さんの顔。
何のことはないし、はっきりともしていない。でも悲しい。
多少は愛情も感じるか、そりゃ。
「そろそろ終わりますかね?」
「ううん。でも、これから夜も更ける。酔いの回った人も多くなるし帰ろう?」
酔っ払いほど面倒なのもいない。いないのだ。
ああそれより。
「ごめんね、調子悪かったみたいでさ」
「大丈夫ですよ」
…ありがとね。
「それより、なぜ路地へ?」
「ん、分かってんでしょ?」
さっき「気が散ってた」のは誰かに見られていたからでしょう?
頼むよ?
「出てこい!女王の御前である、陰でこそこそいるのがお前らの作法か!」
現れたのは一人の女。
青いロングスカートに赤い服、黒のケープに白のロングコートという変な組み合わせ。髪の緑と目の金色が合わさりカラフルな違和感。
「まぁおかしい」
お前がだ。って反射的にツッコもうとしたがなんとか留めた。
やばそう。そう感じる何かがあった。
けど、まーた何か関係ないことでごまかされそう。
「貴方達に、私たちをどうにかする力があるの?」
意味が分からんよ。まぁでも答えとくか。
「力なんて今関係なくなぁい?」
さて、どのルートで帰ろうか?
まぁいいや、後のことより今。




