表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
158/161

聞きたいことの前に、聞く

次回「雀炎のアルマ」本編終わりです。

とりあえず第94だったか、そこの空白を……忘れてなければ埋めるのですが描写多分一番重いのでご注意ください。

 ◎王城


 結局また来てしまった。

「アルマちゃんか?」

「おう。……あー、フェネックさんか」

 見覚えはかろうじてある。まぁ忘れる余地ないのだけれども。

「おうよ、最後までリックが世話になったな」

「いえいえこちらこそってやつだね。お互い様の方が近い?」

「そんなもんか。本当にお疲れさまだな。ところで後ろのは」

「げっ、雪菜」

「え゛!?!!は?み!??」

 混乱しすぎだろ。

「落ち着いてください、前にあったばかりでしょうに」

「「そうじゃない」」

 そうじゃない。そうじゃ。あんたは自分がしたこと考えなさいよ。

「………気が重いなぁ」

「当然といえば当然ね」

「だよね」

「ま、自業自得。あんたのせいなのは変わりないから」

「そりゃね」

 とか話しながら顔パスで入ってしまった。

 私はともかく隣はそれでいいのか?


 ◎城の中


「久しぶりね!といっても一応あのときに会ってはいるのだけれど」

「そうだね、久しぶり、メラン」

 あのときとは大分違う。

「力を手放したからかしら、いろいろ不安ね」

「そーね、いつぶっ倒れてもおかしくないし」

 …あれはお父さんの影響とは別だろうけれど。確信はないんだよね。

「あら、持病?」

「低血圧ぎみなんだよね、昔でさえ定期的に出てたし、薬も効かなかったし」

「あら、魔法的な病気なの?」

「そうみたい」

 これがまた大変で。

 なんて話はもう切ろうか。

「ところでライト君は?」

「ライトならそっちでリールと寝てるわ」

「あらま」

 リールってリングドール……ゲータの取り巻きだった子か。なんかティルフィへの態度が不自然で云々という話を聞こうと思えばトロワから聞けたっけね。

「そうなの?」

「婚約してるのよ、なぜか」

 ふぅん…。トロワにその話するか?

「なぜか、ね」

「仲がいいから何でもいいといえばそれまでなのだけれど…」

 不満ぶってるけど嬉しそう。

 微笑ましい二人なのかしらね。

 ………年の差には目をつむる。大人になったら誤差でしょうし。ってかいくつだ、アイオライト君。

「っと、ついた。着替えましょう」

「ささ、こちらへ」

 おや、しばらく見なかった顔だぁ。

「ジェーンじゃん。久しぶり!」

「はい、お久しぶりです。おかげさまでなんとか公爵になれました」

「何もしてないというか何があった…!?」

 二人の兄はどうした?

「お兄様とアルマのおかげで、ようやくフィロソフィアの呪いから逃れられますのよ」

「………なる、ほど?」

「そのためにクズ兄どもは処刑しました」

「お、おう……」

 あんまり触れない方がいい領域だこれ。

「ささ、改めてこちらへ」

 はーい。

「お姉ちゃん、遅いよー」

「おそいぞー!」

 とりあえず着替える。なんか、既視感。最近何度もこんなことしてるけど、この感じは初日を思い出す。

「どうしてこうなったんだったか」

「お姉ちゃんが一番よく知ってるでしょ」

「そりゃあ、ね?」

 着方を覚えてるので大分楽。

「さて、城の外だっけ、会場」

「はい、ご案内しますわ」

 ジェーンの屋敷だそうな。


 ◎フィロソフィア邸(改築中)


 見覚えのある人ない人、みんな集まってる。

「久しぶり」

 シャメルの弟のバレッタか。

「久しぶりね、バレッタ」

「あ、バレッタだ。今日はいたの?」

「うん、空いてたよ。マリルはそんなに久しぶりでもないか」

 さすがに仕事があるか。

「あ、わ、イフリート公爵?」

「そうだ。子供たちは初めましてか。我が司法の長である、名前はこっぱずかしい名乗らん」

 あ、自由なタイプだこの人。それと褒め殺し出来そう。

「そちらは任せっきりで」

「お世話になりましたー」

 悪意なくマリルが乗った。

「いやいやお気になさらず。褒められると鼻の下が伸びてかなわん」

 伸ばすところか?なんかおかしい。

「何しに来てんだ…」

「いやゼクスが呼びつけたんだよ、このためかねぇ?」

「すまん、違うんだわ、ちょい来てくれ。フィロソフィア公爵と爺さんが待ってる」

「なるほど」

 どうもジェーンのことで話がある様子。

「あ、トロワ?」

 蜘蛛を捕まえて呼ぶと、蜘蛛は手を振った。

「ちょっと報告ー」

 さっきのリングドールの話を報告した。

 ……。

 よし。

「というかちょくちょく関係ないのいるな」

 コルルのおじいちゃんとか。この人も大概おかしいよね。

 後あっちは学園長とツヴェルフさん。

「知らないことは、知り得ない。ヒトは知覚したことしか、理解しない」

「あきらめるみたいなこと、あなたも言うのね」

 なんかすごい恐怖を感じる。

「そりゃ知性があっても知覚したことから想像するのがせいぜいなんだよ。人によってはその範囲が広すぎたりするけど……」

「それがなきゃ白銀はああはならないでしょうね。それより会話をしなさいよ」

「それでもMO-M-zeroをあの悪魔たちから引き剥がすには簡単すぎたのよ、借り物でしか想像しないから」

「……ここでは互角よ?」

 やばいなこれ。逃げよ。

 どがーん、となる。ですよね。

「またこれかよ…!」

「「やめてー!?」」

「ふーちゃんは止まれ!」

 やっぱだめだわこの人たち。

「なんで連れてきたのか」

 あ、ラファエル伯爵。

「ほんとね」

 同意しとこう。

「全く今帰ったところだというのに」

「戦争、結構被害出たらしいぞ、物的には」

「どうせもういらないものばかりだろう、手間は省けたさ」

 人的被害は少ないようでなにより。

「なぁ、少しいいか?」

「えっ?」

 確か…ティルフィ。

「世界樹様が呼んでるそうだぞ」

「……わかった」

 使ったことはないけど。

My wisdom (まいうぃずだむ)teach (てぃーち)me how to (みぃはうとぅ)use the (ゆーずざ)mana(まな).(私の知恵が私にマナの使い方を教える。)

I want to(あいうぉんととぅ) go(ごー).(私は行きたい)」

 それだけ。たった、それだけで転移された。

 それだけで、十分だとでもいうのだろう。


「私を知れ」

次回はなんとあさって。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ