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終わりの後に、見る

あと少しだけ続く。そしてある意味まだまだ終わらない。

 ◎アルマ


 目が覚める。

「起きた!よかった…………」

 おはよう。

「おはよう、アルマ」

「うん」

 さて……へんしゅうは……?

 あれ?

「……thinking (しんきんぐ)accelerate(いくせられー)、めもりーちぇっかー、めもりーえでぃたー」

 あ、だめだこれ。

 ………今の変身で、力を返したみたい。

「ごめん、切り札失った」

「こっちは大丈夫だ。もう俺とウィッチはいらない」

「そっか、うーん……旅立つ前に、もっと強くならないとだめだなぁ…」

「だな、旅に出たいならまずは今の状態から戦えるようにしないとな」

「きっつー」

「センスあるからいけるだろ」

 油断してると思考が空白かするー。

 とりあえず、ここは、あぁ。ブルーム北の砦か。

「女王の帰還である!!我らは勝利した!!!」

 砦から大歓声がとぶ。

「私の仕事も、終わりだね」

「お疲れ様、アルマ。ありがとう」

「あ、うん。お母さんも、お疲れ」

 ふふ。

「あと、誕生日おめでとう」

 ありがとう。


 ◎後日


 えっと、今日は…花の月、30日。にしても、慣れないな。

「ねぇ、ユリウス」

「感傷に浸りすぎでは?」

「うるせぇよ、フィル」

 全くよー。

「それにしても元気ないよね。調子も変だよ?」

「未来を教えられなくなってな」

「なるほど」

 え、それだけ?

「って、それ一大事じゃん!?」

「そうだが?」

 うん、そうなるか。これぐらいも予想できないなんてなぁ…。私、頼りすぎてたなぁ。

「でも、家族はそうそう危険なことにはならないと思う。マリルのちっちゃい頃なんかはほぼ無意識レベルで守ってきてたから」

「持病だっけか」

「そんな感じ」

 実際のところ、そんなもんじゃなさそうだけども。


 ◎同日、夕刻


「いまここに、新たなる王の戴冠(たいかん)を執り行う」

 えっと、おじいちゃんが死んじゃって。私がなんやかんや女王やって。

「新たなる王―――558代目女王」

 そして、ついに解決しました。

「オブシディアン・ブルームのブルーム王国王へ―――」

「アルマおねえちゃん」

「(え、どうしたの?)」

「(フォリックでんかのでん言。み来、見えるようになったって)」

「(ありがと)」

 やっぱりか。

 さて、終わったかな?……いや、まだまだだわ。

 あとは神殺し、か。

 私にどこまでできるやら。

「(やってやろうじゃん)」

「もう終わったぞ、たいじょー」

 あー……前もあったね。


 ◎そして。


 家に着いた。

「せーの「ただいまー!」」

「お帰りなさい!パイン、お姉ちゃん!」

 ふふーん。帰ってきました。

「片付けの手伝いよろしくー」

「まだおわってないのー?」

「しょーがないだろー、家しばらくいなかったぞ」

「たしかにー」

 とりあえず、日常に大体戻れそう。

「暇だから手伝いに来たよ」

「マータはサボりたいだけでしょ」

「ここでもめないで下さい、後これアポとってないですね?」

 あら、マータとクー、それとリックが来た。

「やったぜ、楽になる」

「んな適当な」

「あ、お友達増えたのね?よかったぁ」

 お母さんも割と適当め。

「……上がって?」

「はーい」

「よろしく」

「お邪魔しまーす」

 マータはただ邪魔したいだけじゃないだろうな…?

「にしてもさ」

「?」

「今の君でも、勝てる気がしないや」

「そんなに?」

 強いとは思えないけどなぁー。

 とりあえずいろいろ片付ける。

「今のわたしならアルマおねえちゃんにかてちゃうんだけどー、でもアルマおねえちゃんののぞけないからわたしも弱くなってるね」

 のぞくなし。ん?えっ?あれ?

「みたものをのぞくのはノーリスク」

「はぁ!?」

 当たり前のごとく何してんだよ!?

 こいつはやべぇ…!

「き本てきにおねーちゃんのためにしかつかってないよ」

「あ、うん…」

 こいつはやべぇ…。


 ぱっぽー。(時間経過の音)記憶って結構飛ぶよね。一応幼い頃のは元々そうなってるけど、あんまり実感する機会なかった。


「ものの片付けは俺の書斎だけだ、終わり終わり!後でやろ、今は飯だ、飯。あ、リズ、久しぶりに手料理食べたい」

「はーい、頑張ります!」

 がんばれー。

「………」

 ところでこの久しぶりって、2ヶ月ぶりぐらいでは?

 ……さて、終わりの前にやることがある。

 きっと、それは死んだ月の跡にいるやつのことじゃない。

 ほら、声が聞こえる。

「見つけた!」

「嘘でしょ!?」

 やっぱり生きてやがったな、雪菜!

「私見てないからなんとなくそうだろうと思ってたけど」

 そもそもなんであんたら不老なのかと聞きたいが。

「人間の体、あったんだね」

「一応ね、直前までウサギの中に魂入れてたんだけど」

「リック、どう?」

「大丈夫、のはず。少なくとも“純雪銀嶺花”の名が刻まれています」

 そーいや…。

「なるほどね。ところでジルルって知ってる?」

「バルルの子孫かな?あの筋肉女には相当ひどい目に遭ったけど」

「孫がコルルだから多分そうだね」

「なんだかなぁ…」

 やっぱりなんか因縁あったか。にしても思ったよりド直球。

「……じゃ、隠れ家に帰るよ。また遊びに来るよ」

「次はちゃんと玄関から来てよね」

「はーい」

 解放されたけど、解放されてない、か。

「使い魔に支配されてる感じするよなぁ」

「自殺したいけどできないんだって」

「なるほど?」

 視界の端でリックが棚を運んでいる。

「私もやるぞー!」

 突撃!


 ◎見たいものは見終えた。by…

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