地獄、極楽、あとは蜘蛛のみぞ知る…?
◎視点 アルマ・アローラ
廃教会エルダーアース2階
二階に墜落しました。
あの、やめろまじで。さすがに多すぎる。
クモどもが…!
「ひぃ…っ!」
嫌悪感のままに丸々太ったトカゲを出して自爆させる。
「その程度ではこたえんよ」
といいながらもクモたちはやられてただの生命力に戻っていく。しかし、そこに無理矢理妖力を流し込む。
「禁術式の応用よ……!chimera!!」
「shadow chimera、僕もとばします」
あー……これ、なに?
形容しがたいのでその姿について考えるのをやめます。
そして前から後ろから襲いかかるところに打ち落とされるかのように着地する獣人が一人。
「黒い兎……大会にいた人!?」
「撃ち落とす」
その腕を銃に変え、ドライとトロワの怪物に撃つ。
「いる?」
「あ?……あぁ、この銃いらねぇや、やるよ」
腕が外れて、雪菜の腕に付けられる。
そこから、機械の体があらわになっていく。
「すべて斬る!」
爪のような何かを振り回す。
「……足止め、どこまでできる?」
私もそれどころじゃなくなりそう。
同じようなのが4名。
「私は、一人で犬を止める!」
あれだけ分かる。出来る!
「後の配分はこちらでやる」
「一つ聞くべきことがあるらしいよ」
「多分同時に体を壊さないとだめだ。魂を戻すかもしれない、完全体になっていく雪菜は前に立てる全員で止める必要ある」
つまり|全力発揮変身《(フルパワー・モード)》になれる全員か。開幕ぶっぱした人は無理なんだろうね。
「ドライとトロワはあまり持たない!急ぐぜ!」
なんだかんだ多分犬が一番強いので、もう突撃します。
「終わらないから!thinking accelerate!」
ちゃんと全部認識して。未来を、導くための材料を。私でも最期は、チャンスはたった一度なんだから。それだけじゃないけどさ。
◎金vsアルマ
そして犬耳の後ろに立ち、斬りかかる。
「くは!くほ!奪われてたまるか!」
お前今何食ってたんだよ。
とりあえず抵抗は手のナイフで切るだけ。
ゆったりと、この炎で倒していく。
痛覚があるならそうしたくはないけど、ないみたいだからね。
「ふざけんなくぞがぁ!!!」
ただ不快なようでぶち切れてる。
「ふぅ…」
消耗はいま一割になったところか。結構削れた。きついな…。
時間稼ぎに徹しないとね。
私なら驚異じゃない。私以外だと、完全無詠唱での短距離の瞬間移動は対応しきれるわけがない。倒すタイミングを合わせるなら、私がこの子のとどめを刺すのは絶対。
ただ他はよく分からない。なぜこの子だけわかるのかやら。
あ、右!と、記憶あさろうかな…。余裕あるし。
おや次は左から。でもその前に他もきっちり見ようね、っていうか見てるんだけど。っと!
「無理するな!」
はて、後ろか。終わった直後に、ぱっと済ませるか。
さてもうしばらく経ったし、良いだろう。正面に来たところで、下がる。
追従したところに仕掛ける。
「よし」
いつも通りので仕留めた。
「いつものbloodyrose novaでした!」
あとは。
◎視点 アルマ・アローラ?
雪菜と黒vsキメラ(ドライとトロワ)
あの兎の獣人、黒って呼ぶよ。面倒だし。
黒がドライさんのを斬る!
えっと、あ~……ドライさんの根源盟友召喚なのかな、銀の鱗の鷹、っぽいけどいろんな生物をごちゃ混ぜにしてて四足歩行で飛べない様子。以降はウロコドリってことで。
トロワのは、物理的にはよく見えないのでよくわからない。多分カメレオンみたいな表皮してる。あと飛んでる。カメレオンドリってことで…。てきとうだなおい。
「っち!おい、飛んでるの撃てよ!」
「無理だよ、当たらないって!見えるけどさぁ……!焼いちゃだめ!?」
苦戦してるようで、お互い所々ボロボロになってる。
「知ってるだろ!“援命”の魔法が炎耐性高いって話だ!こっちだけ焼かれるのがオチなんだよ!だから最初から格納してんだろうが!?」
「ん?ちょくちょく熱耐性低いとか書いてあったような…」
「嘘つきじゃん!!」
「ばっか!?騙されんな!?どーせ“雀炎”のせいで基準が狂わされてるだけだろーが!」
あ、マリルが私の影響受けてる?……まぁしょうがないか?私の魔法、だいたい炎だし。
っと、ウロコドリのくちばしが黒に刺さった!カメレオンドリがなんか捕まえてる?
「くっそ……!こんなあっさり!やられて!たまる………か!」
抵抗してるが、あれは時間の問題だろう。
クモが加勢して捕まえに来てる。頑張れよ!
しかし本体の方は、様子がおかしい。人間っぽい部分は少女の体といってよかったはずだけど、だんだん成長しているような。
何が、起こってるの?
「仕留めたぞ!」
あぁ、それどころじゃないか。
――あとは。
3が限界かもしれない。もっと頑張ります。




