地獄の始まり、スタジオはアルマ・アローラ、現地レポーターはトロワ・スターリバーでお送りします。
◎視点 アルマ・アローラ
……起きたら、なんか異世界風の部屋にいた。エアコンとか初めて見た。
「おはよー」
勉強机の上に座るツヴェルフさん。行儀わるっ。
「何するのー?」
「んー?トロワ君に女の子のパンツを見せつけるのー」
部屋の主のものと思われるイチゴパンツを机の上に座る丸々としたトカゲ(?)に見せつけながら言う。やめたげろ。
「それ誰の?」
「雪菜ちゃんのじゃないかな?」
「えぇ…?」
ここ、えぇ?嘘でしょ?部屋主帰ってきたらやばいよ?
「あ、安心していいよ?あの子は来ないよ、玉座に座って私たちが集まるのを待ってるはず」
「そっかぁ…」
何だろ、なんかいやな予感。変なことになりそうな…。
「というわけで、スタジオのアルマさん!現地の方をお呼びください!」
「???????」
何言ってんの?
現地の方って誰だよ。スタジオってここのことかよ。テレビ番組じゃねぇよ。ドマイナーな話振るんじゃ、ってこれ白銀由来のやつだ。ならおかしくない……か?いやおかしい。
とりあえず誰のことか検討ついたから呼ぼう。
「トロワー?」
『はーい、こちら陽動部隊アルファ!あ、あっち見ててください!』
「はーい、魔方陣出して、魔力充填……おけ!Melt in the world!」
さて……見るかぁ。
◎実況先の映像を観察
一応アルマ視点だが、アルマ側は『』表記
暗めの石畳を走り抜けている。
「この先だぞ、ゼクス」
『便利ねぇ、魔法』
「おう、急いで助けないとな」
「娘たちはアハトとノイン、そして姫がついてるぜ?心配すんな」
「……っち、聞かれてるんだよやめろ、しかも姫のんきすぎだろ」
『ごめん』
「いや安全なんだろうしいいけど」
ん?マリルとパインはそこにいないの?ツヴェルフさん……長いから頭の中では咲ちゃんでいいやもう。……今見てるのってマリルたちの方なのかな?
正解。心配しないで、敵はパインが仕留めるから。
……心配すんなってわざわざ言われた。珍しい。
『動揺してる暇もなさそうか』
「だな、ついたな?どうだ?」
『私の使い魔達?近くにいる?』
反応あり。いるね。
『おけ!』
「こじ開ける!」
バーンと開かれたのは割と普通に豪華な部屋。
「すまん、長らく待たせた!」
「問題ないわよ、あなた」
映像越しとはいえ久しぶりの顔が見られてうれしい。
「ローズ。メランとライトは?」
「寝てる。お願いできますか?」
「……えぇ、ゼクス、いいのね?」
「問題ない」「お願いね」
ローズ、メランジチュア、アイオライト……あぁ思い出した、ユークおじさんの妻子か。
メランとはちょっと話したことあるけどぐらいなんだよね。機会が絶望的なぐらいない。
まぁこの皇太子一家なぜかメンタルにすんでなかったからしょうがない。
「よし、帰還させたわ」
「じゃ、リズ。上に行こう。マリルたちと合流だ」
『私はどうする?』
もう話に入らせて?
「基本まだ待機でいいと思う。使い魔はこっちで使いたい用途はないぜ、好きにしてくれ」
『おっけー』
「アルマ?久しぶりね、元気してる?」
『うん、なんとかね』
さて、合流しましょうか。………ここまでおいでー。私が待つ側だったわ。
そもそもパインの方に……あれ?
『あ、直でこっちに来て?お父さんとトロワ以外』
「え、あ、了解!じゃそういうことで。フンフ、後は頼む」
「あいあー!」
別にそっちに合流する理由ないような気がするからねー。
◎実況先の移動
拳が振るわれるたび、その防御が崩される。しかし、その守りを貫通することもできなければその再設置より先に連撃を当てることもできない。
マリルとパインの協力を切り崩せないばかりか、おそらくこの男、マリルの存在そのものに気づいていない。
「guardian saturn、guardian mars、guardian Uranus、guardian saturn、guardian mars、guardian saturn、guardian mars、guardian saturn、guardian jupiter、guardian mars」
うげぇ…。これ使いすぎでやられかねないんじゃないかって不安になるぐらいの消耗。
「むずかしいよこれー!」
なんかパインの意思で操作してるのもあるみたい。多分……mars、えっと火星だっけ?
「はぁーー」
「……もう、いいね!」
そしてお父さんを確認した後、力を溜めだした。もう時間がないと悟ったんだろうねー。
パインは目をつむり眠っているように顔を伏せる。
「bloodmagic―――Lightning Dragon(稲妻の竜)」
「Energy of king(王のエネルギー)」
雷の龍が打ち出されるエネルギーにぶつかる。
『……勝て、ない!3!』
タイミングだけ指示すれば、マリルはきっちりとこなしてくれる。
「………guardian neptune(海王星の守護者)!!!」
龍が破れた瞬間にパインを守る海のような結界が現れ、その一撃を防ぐ。
「……Lightning Dragon!」
そしてもう一撃。というか二撃。だいたい一匹か三匹だから二匹出すのは珍しい。それだけ、その数が重要ということか。
「勝った!」
「負けた!」
とりあえず、……あ、そうだ。何で無事なのか聞くべきかなこれ?
どう考えても金髪化してるの|全力発揮変身《(フルパワー・モード)》なだけなんですけど。あれだから、あれ。何のことかさっっっっぱりだけどあれだそう。
いいやそれは、本題だけど……なんか、仲いい感じするのだけれど?
「おねーちゃん、倒したよ!」
「うん…」
パインの頭をなでるマリル。
「えへへ」
『一ついい?パイン、あんたはそういう運命なの?』
いつかのごとく服が焼失してるんだけど。
「なんでなんだろうね?したぎだけぶじ…」
「私のせい……?」
『そんなことはないでしょ。燃えたの二匹ぶちまけたときだし』
『こっちに服あるからどうぞー』
「はーい」
「とりあえず寒いからこれ羽織っとけ」
なんやかんやあってとりあえずお父さんの持ってた上着を羽織ってこっちで雪菜の服を勝手に拝借して着るそう。
普通、犯罪だぞ。今回は犯罪もへったくれもないけど、それでもよくないぞ。
ためらいないよねこの人。達、なのかな?
『ね』
「あら、今そうだよね、って。おねーちゃんに」
「あ、私?やっぱりお姉ちゃんも思うよね…」
うんうん。
結局のところ、戦いたいだけなので勝ってもほどほどで逃げたでしょうパロディチックな幹部さんでした。ところで元ネタほぼほぼ見ていないんですよね、このあほ作者。
次回は完成していないので未定です。




