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塩水晶の雷酒

次の本編は少し間が開きます。

 お父さんの手元にあった瓶はお酒のものらしかった。雷酒とあるがよくわからない。

 どうやらどの世界線でも興味がないらしい。

「さて……あいつの話も聞くか?」

「そうね、眠いけど」

「まぁすぐ終わるだろ。あいつは姫に酔って、すべて捧げた人間だ。こんな酒に酔う余地もない程に。そんなやつの自分語りなんてすぐ終わるさ」

 なんか苦笑してるけど、あまり好印象な訳ではなさそう。

「あいつは妙に嫌いだ」

「なんかあるんだね…」

「……なんか、な」

 人間嫌いな人の一人や二人いるだろうけど、なんだかなぁ。


 ◎長老の家 黒の居間


「ただいま」

「おかえりなさい」

 さて、こちらから話を振るべきか。

「あなたのお話、聞かせてもらえる?」

「あぁ……そうだね、僕の魔法を知るためにも必要だよね」

 そうか、そのための話か。

「これでも結構センスはあると思う、それ任せで生きてきてるし」

「そうなんだ」

「そうだなぁ……。保守的な人間かもね、僕は。目の前の幸せを逃したくないだけの人間だよ、エピソードも面白くないし、持つ力も守りの力だけ」

 自尊心なさ過ぎだろ。そんな卑屈になることなくない?決して弱くはなさそうなのに。

「マリルちゃんと違うのは環境や範囲を守るのがメインってことかなぁ」

 マリルは個人を守るのが主だね。しかもなんかいろいろ奇妙なものを仕込んでいるし。そういや何をどうしたらゲータ・フィロソフィアを殺せちゃったんだか…。

「あの子が守りたいのは誰かの思いなんだろうね、多分はじめは君か君たちのお父さんの思いじゃないかな?」

 あー、どっちも斬りかかれって感じだからああなったのか…?

「あと、未だに咲…つーちゃんの魔法適性はわからないんだよねぇ」

「つーちゃん?」

「ツヴェルフ・ウェストレイン。最後に名乗る名前だよ」

「あぁ…」

 皆でこっちに合わせた名前を名乗ろうとしてたのかな。

「こんなところかな。それより、マリルちゃんはうちの娘が懇意にしてたみたいで」

「大分お世話になりました」

「こちらこそありがとうね、大分おとなしくなってくれたみたいだよ」

 おてんば……いやそれ私が言えたことじゃないか。

 何だろう、さっきから分が悪いな。

「…もう寝ようかな、眠すぎる」

「そうだね、朝は早いよ、今日の日の出はそろそろだけど」

「えっ……。まぁいいか、お休みなさい」

 もう寝るね。あと一人の情報こそが最重要事項、ってことになるか。急いで見抜かないとだめかも。


 ◎視点 マリル・アローラ

  朝……?(まだ暗い)


 起きてしまった。

「お父さん」

 お父さんの部屋に行く。

「ん?あぁ、マリルか」

「パパ!」

 何でだろう。こんなに怖いのは。決意を決めなきゃいけないのに。

「……」

「……」

 何も言わない時間。

 頭をなでてくれる。

「守るため、か…」

「怖いけど、覚悟はできてる、はずなの」

 水星を、使う覚悟。

「マリル。………っ。守ることだけを考えておけ。使うのは、そうしなきゃ守れないときだけでいい……」

「うん」

「ごめんな、こんなやつで。優しい言葉をかけられないようなやつで。こんなに……止められないようなやつで」

 うん…。

「……おやすみ」

「ああ、お休み、マリル」

 …………


 ◎視点 トロワ・スターリバー

  てめぇ何見てんだbyアルマ


 気まずいが。……このぐらい深く眠ってるならいいか。

「(失礼しまーす)」

「ん…?(あートロワか、どうした?)」

 手元の資料を見せればわかるか。


 ◎基本小声は「()」ですがずっとそれなので今回はしょります。


「……で、何が聞きたい?」

「マリルちゃんの星の防護魔法、どういう性質のものなのかわからなくて」

 n(* _*n)nワケワカンネー

「魔力とかって、性質が若干遺伝するんだよな」

「極端な例だと僕の母譲りの隠密能力を与えながらできる、父と同じような虫の生成ですね」

「そんな極端な例ほかにないだろうなぁ……あ、あってるけどちょっと違う感じだぜ」

 わかる。親と使う魔法同じなケースは少なくないけど両方混ぜてるのは僕は自分以外に知らない。

「多分俺から始まる魔力の性質って、アルマのラーヴァテインやパインのライトニングドラゴンみたいな『残留する』性質。これは全員に継がれてる。白銀人が神から直接授かってるからか性質が強いんだろうな」

 つまり…?

「トロワはドライの『過剰回復を効率よく分配する』…つまり使い魔を大量に使い己を保持する性質と、ノインの『魔力などが見えずらい』性質を次いでるわけだ」

 ふむ、先ほど全員に継がれていると言った。つまりマリルちゃんの結界は作るだけの魔法。維持しようとせずともオーラなどを消費し維持される。

「それと、…ふぁ……マリルはブルーム王族の魔法の性質『瞬間的に莫大な出力を発揮する』力を一番引き継いでる」

 ふむ、自然に維持された結界は、攻撃を受ける瞬間に強化され、消失するといったところか。

「それらの性質や、そもそもの魔力((マナ))妖気((オーラ))生命力((ライフ))の性質を合わせて、後は俺のような星への思いの具現化をしたのがそれらってわけだ」

 星への思い。なるほど…?あれ、でもゼクスさんの魔法、いうほど星かなぁ…?

「ところでアルマさんの使い魔について聞いてもいいですか?」

「あー、あれ……簡単に言うとアルマとリズの共有使い魔だ、多分あれのタイミングで狂国周り調整してるはず……だがあの様子だと情報を一切入手してないんだよなぁ」

「使い魔との間で何かしらはあるかもしれませんね、僕とお父さんは警戒しておきます」

「頼む」

 これで十分か。

「失礼しました」

「気にすんな、じゃ、後で」

「はい」

 ズィーベンさんの全快まで、あともう少しあるか。アルマさんも寝てるみたいだし、そんなにすぐ動かないかも。お父さんとこの内容についてもう少し検討しておこう。

 n(> _-n)nフタンガキツカッタゼ

「前言撤回、やっぱこいつだめだわ。」といったところでしょうか?

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