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塩水晶の乙女の上

 名乗り、だっけ。

「大人から名乗らせてくれ。アインス・サンルックだ!“一幻(いちげん)魔界”……だったかな」

「ドライ・スターリバー」

 名前もらってないの?聖女さん監視しとかなくて大丈夫?


「フィーア・クィーンヘッジです。えっと…“斬空女帝”だったかしら?」

「“音速疾風”……じゃないや“御前(ごぜん)壊滅”フンフ・ウィスティリア」

 名前変わってる!?


「ゼクス・アローラ。“大陸神星”なんて大仰な…」

 恥ずかしそうだね。

「私はズィーベン・ロックウェル」


「“治療八重(やえ)”アハト・フルグリーン」

「はい、私はノイン・スターリバーです。旧姓ウッドベルなのです」


「……はぁ。ツェーン・ファンダメントル。聖女からは“歩空天華(てんげ)”の名を(たまわ)った」

「“大器欲成”エルフ・シャロウワイル!ひどい名前だよね!似合わん!」

 そうね。合ってるかと言われるとノーコメント。


「“雀炎”のアルマ・ブルームです……あ、アローラの方がいい?」

「妹の“援命”マリルです!こっちは私たちの妹の“演雷”パイン」

「はーい!」

 マリル、パインの分までありがと。後で言っておこ。

「トロワ・スターリバーです。“不見”の名を持っています」

「エニカ・エンロープです。私は名前もらってないかなー欲しいなー」

 これで全員かな。

「十五名、確認した。許可も下りた。転移するぞ、行け、秘境へ………!」

 転移が起動する。ミラージュの先の、ブルーム(こっからだとゼロスサンかも)の先の、そしてエルダーアースの向こうにある北極点付近の国、エーデ。


 そして、そこにたどり着いた。

「うっわぁ…」

 雪だ。全てが雪。それ以外の景色なんて何一つない。

「嘘みたいだろ?ここに隠れ里があるんだぜ」

 アハトさんがマリルをからかっている。

「見えないよ…?」

 そしてこの反応である。

「アハトさん、うちの妹気に入っちゃった?」

「素直だよなぁこの子。そんなところだ、教え子みたいな気持ちよ」

 なるほどねぇ?マリルに治療魔術、というか医療魔術でも教えてるのかね。もっと基本的な妖気の扱いかもだけど。

 マリル結構妖術使うからねー。

「さて、真面目な話、下にあるの」

「下?」

 エニカが解説する。なんか詳しいのは…。

「さ、早くお父さんとお母さんに会いに行ってあげて!マリルのお父さん」

 船の中での言動と合わせれば、そういうことかと察しもつく。

 ゾンビと一緒の父親。引きこもり。聖域。魔力。姫。合流する。

「なるほど……お父さんの魔力が少ないのは、エニカのお母さんを生かすために聖域を作っていたからなのね」

「その通りだ。いこう、あまたの我が生命力よ」

 ドライさんが答える。その手の大きな鞄が揺れる。

「え、どっから取り出したの?」

「私が家から転移で持ってきたの」

 ノイン叔母さんすごいねー。……大分こった準備の結果できた様子。なるほど?

「凍え死ぬ前に下ろそう」

「そうねー」

 すたこらさっさと降りていく。そんなとこに階段あってもわからないって。

 ……揺れてる鞄の中、虫だらけだな。多分、命魔みたいに、使い魔の形で魔力や妖気を蓄積させてるんだろうな。生命力はいわずもがなってやつか。

 にしても長いなこの階段。見える範囲でもブルーム王城くらいの高さ降りるよ?

「私引き寄せるのしかできないからなぁ…」

 あ、なんか気にしてる。

「逆に私それができないのだけど。空間魔法が専門なのに」

 なるほど?

「フィーアはちょっとお堅いからねー、あーゆーの苦手なのはわかるよ」

 なんか、あるみたい。

 感覚的な問題だからいいんだけど引き寄せるのとお堅いのって何の関係があるの?なくない?

『ゼクスの娘さん?今のうちに記録しておいてあげたら?』

 確かにそうだね。

「ありがと。すぅーthinking (しんきんぐ)accelerate(いくせられー)

memory (めもりー)checker(ちぇっかー)!」

 あれ、今気づいた。……今の誰?ま、いっか。

memory(めもりー) editor(えでぃたー)!」

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