夢としてなら許せた
◎夢 花の月21~22日
◎視点 アルマ・アローラ
一年前、心の月28日(二月相当だが30日まであり、一年367日だったりする)
センチョオシー地区 学校地域
テスト終わったぁー!(8回目)
「どうだったよ」
「問題なし!のはず」
大体満点。のはず。
「理論上答え見れないのか…」
「そ!フィルもお疲れ!」
「ミリャは?」
「割とまじめだし復習してんでしょ」
後はユリウスも連れてコルルの手伝いに行こうというところなのに。
こねぇ。
「まだなのか、あー、誰かカンニングしたみてぇだ」
「あちゃー、そりゃやったねぇ」
未来がその犯人まで見せてくれたがカンニングするやつなんて知ってるし。
「じゃ、ユリウスとミリャはコルルに任せるか」
「それでいいな」
ベルの提案に乗って、私たちは先にコルルの店に行くことにした。
◎スクエア地区西央位5番目-北度2の区域の裏道
さて、つきましたがなーんかここまでの道中で絡まれること。
「新入りでも増えたみたいね」
「そうだな、珍しいことだ」
コルルのおじいちゃんが盛り付けをしている。
「相変わらずがめついみたいね、また大分なお金を…」
「だから何でおまえは把握できるのかね…」
「っはは、あはは」
相変わらずわかりにくい、ティアしか笑ってない。
笑い声。
「なんか…あれだな」
「ん?」
「何かある…けど探れねぇ」
妙にいやな感じがする。
「あー、さっきの新入りたち?遠くから来てる感じあるよね」
「………なんかやばいやつなのは確かだな、奥を見る前に殺される」
「うわぁ」
どうしたもんかね?お父さんに頼むか?
「むー、最近忙しそうだしなぁ」
とまぁ、そんな感じ。
それをさ。引き出してなかったんだよな。
あの時、何でお父さんが忙しかったのか。
――お父さんは、元々あの国を滅ぼすつもりでいた。一人で。その情報だけは手に入る範囲だった。
……あれ、これ夢?……。
考えるより備えとこ。
「例のやつお願い」
「あいよ、少し安くつくぜ」
「元々ふっかけてるくせに」
まぁそりゃそうなんだけど。
◎夢 ペンタゴン地区七丁目 自宅
よーし。
夢特有のいつの間にシーンチェンジ。まぁ間も見られたけど大体どうでもいいんじゃない?
「ただいまー」
「お帰りなさい、アルマ」
お母さんが出てくれた。珍しい。
「あ、もう足は大丈夫そう?」
「ええ」
この前パーティー出たら階段でこけて足やっちゃったお母さんはしばらく家でへこんでた。最近立ち直ったところ。
「パイン?」
「あ、アルマおねーちゃん!なになにー?」
「お父さんは今大丈夫?」
「もうちょっとまって」
「はーい」
マリルが絶賛お父さんに甘えてるんだろうなぁ。
「お母さんはさ、テストとかどうだったの?」
「えーっと、そうねぇ、ぼちぼちかしら?小学校ならほぼ満点は取れたけど」
「なるほどねぇ…」
……なんか退屈だなぁ。
「お母さーん、ひーまー」
「ふふふ、そうねー、暇ねぇ?」
やることない。
「あ、お姉ちゃんお帰りなさい!」
「ただいま、マリル、お父さん」
「おう、おかえり」
全くまぁリビングはすぐ賑やかになりますねぇ。
今思えば、そういう日常はあれ以来ほとんどなかったかも。
主に私のせいだろう…。
◎目が覚めた。
朝ですねー。
「My wisdom teach me how to use the mana.(私の知恵が私にマナの使い方を教える。)」
髪整えるのめんどくさい。
「set up my hair.(私の髪をセットアップする)」
合ってるかは例のごとく知らん。
「majic time start now!(魔法の時間が今始まる!)」
……ユリウス、コルル、ミリャ、フィル、ベル。
私はまだ、弱いままだな。
この先に行く覚悟が足りねぇ。
「とっくに人殺しだけど、やっぱためらっちまうな」
どうすっか。……まずは朝飯だな。




