short&long~心の音と己の声
遅い割には短い。あとshort&longもそろそろ終わります。思ったよりロングロング(?)してました。
着地!
◎視点 アルマ・ブルーム
熊族領中部海岸地区 漁業街カストー
周りを見渡す。
「すっご…」
片方に海、片方に木々。そして木の向こうに町が見える。
「これが海?」
「初めて見ましたね…」
「うん!すごい!」
私もマリルもパインも、それにトロワまでも初めて見た海。
「あのさきに、きょーこくがあるんだよね」
「そう」
「ここにもきちゃってたね」
「危機感感じてるだと…?」
「わたしにもわかるよ?」
そうですか…。
「おかーさんのところへ、いこう」
「…うん、そうだね、パイン」
元気してるといいけど。脳天気だな仮にも敵に捕らわれてるのに。まぁ、死んでないんでしょう、誰かさんからすれば間違いなくね。
ってか死んでる確信あるならもう狂国滅びてる。
希望自体は間違いなくある。
「戦争か…おっも」
「ごもっともだけど逃げられないよ」
……あ、エニカだ。存在忘れかけてた。
「がんばろ」
そうだね。
さて、私はどうしようかなぁ…。
「母さん、どうしたの?」
「ん~?まぁ、あれだよ、基本のき」
あ、そうだ、ノインさんに聞きたいことがあるんだった。
「アルマちゃん、ちょっと先に調べてみたいことがあるんだけどいい?」
「え、うん、いいよ?」
なんかきたわー。ちょーどいいようなよくないような誘われ方だけど、ちょうどいいんだろうね。
◎倉庫だらけの場所
こんな場所で一人待ってます。
「ないんだねぇ…ここ」
「何を探してるのさ」
倉庫の中をあさっていたようだけど。
「…私は、お兄ちゃんがいたからなんとなくいただけだから、なんか納得いかなかったんだよねー」
「何の話?」
「おっと失礼、探してるのは日記」
なるほど。なるほど?
「故郷やら家族やら、未練ない人が多すぎてさ、あるのなんて私とツェーンだけだろうし」
「故郷って、エーデ?」
「違うんだぁ、その話はお兄ちゃんに聞いて」
「はーい」
お父さんに聞いてが多い気がする。何抱えてるんでしょう?私から隠し通してまで。
よっぽど…。
「アルマちゃんは、クライシス・リーフって知ってる?」
クライシス……危機?
「ごめん、わからない」
「わかんないならいいよ、ただのテロリスト達だから」
ふぅん…。
あまり触れない方がいい。
「了解」
「よろしい」
……ごめん、そうじゃないんだ。独り言言っちゃっただけなんだ。
まぁ、結果オーライ?多分純粋にミスしたのだろうけど。
「あ、ここかな」
そして地面を掘る不審者となる。なんというか、すごくやばい人。ほかに言葉が出なかった。
「おけおけ、タイムカプセルだぁー!」
「なにそれ?」
「白銀の超技術の産物、でも単体じゃ価値ないかもね」
なんか…いくつかの……腕時計?と、二つの長方形のもの。おそらく金属製…これは電子機器だね。
「……私たちの持ってきてしまった産物、これを解析されちゃ困るからとってこいって」
解析…。そういえば、教国は機械の国だっけ?
「今更だけど教えるに国のきょうこくを狂うに国できょうこくってすごい表現するよね」
「昔からエーデの人はそう呼んでいたけど、私たちがそこから出るまではほかに広まってなかったね」
そりゃ、エーデからブルームいくまでに……ね。
よく考えるとそうだよね。なんか引っかかるけど、……何だろね?純粋に思い出せない。
「あ、そうだ!これ」
そして腕時計のようなものの機能を使用する。
「これ、どうよ!子供時代の写真!」
あら、ノインさんと…?双子かな?髪の色も目の色も年も同じ。
「隣の子は?」
「お兄ちゃん」
は?
「え?」
お父さんの髪色…だけならともかく、目の色まで違うのはおかしくない?
「色が…違う?」
「そういえば、あのときから変わってたね」
そんなあっさり…。
「ま、そんな重大な話じゃあないんだよ。ただ単にいとこで、近場にいて」
いや、どっか雰囲気重いよ?
「私がなついて、ついて回ったらこれだって話」
「いや重いって」
何がだがは置いておく。わからんし、お父さんに聞けって言われるでしょうし。
「ほんっと深刻な話ないんだよね、それがあるのばっかなのに」
そうですか。
「じゃ、エルフのところ行こー!こっちから近道あるよ」
「なるほど?りょうかーい」
声が響く。まぁ、そりゃそうか。
にしても普段から大分響く声だことで。




