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short&long~疾走

非常に遅れました。

 ぼとっ、と音が鳴り、倒れ伏す男。

 そして頭が落ちきる前に、それをクアーロちゃんがかすめ取る。

「焼け!」

 リックのお父さんの指示により、残った体は燃やし尽くされるようだが。

「アルマ、急ごう」

 行かないと割とやばいけどリックに今すぐ種だけ聞いて。

「おけ!ちょい待ってて!とぉ」

 炎をまき散らし飛び降りる。

guardian(がーでぃあん) Uranus(ゆらのす)(天王星の守護者)」

 歪んだ防御壁が私を包み、衝撃を逃す。

「ありがと、マリル。…よし、bloodyrose(ぶらってぃろーず) nova(のぶぁ)

 血統魔法付きの炎をねじ込む。

 他の人が手を出すまでもなく、その体だけが消えた。

「ありがと」

「うん」

 公の場にも関わらず適当すぎるやりとりだけど、何も考えなくてよさそう。

「私は急ぐ」

「なるほど」

「でも、その前に聞きたいことがあるの、今時間ある?」

「ありますよ」

 観客たちに聞こえていそうな感じがするよなぁ。


 ◎闘技場控えスイートルーム2番


「何ですか?」

「さっきの魔法のからくり教えて」

「えぇ…」

 うん、いきなりな質問だとは思う。

「あ、そっか、時間ないんだっけ。えっとね、あれはアルマの使ってる魔法をまねしてみたんだ。目に天眼の力を付与する必要はないから、少し簡易的だけど」

 なるほど?

「ものすっごい増幅されて、魔法の術式そのものが見えるようになったよ」

「術式…?」

「妖術符とか魔方陣とか禁術式とか…学校で習ったのでは…?」

「えー、魔方陣以外知らないやつ…」

 何それ。

「形以外は大体同じ」

 なるほど。

「おっけー、わかった。隠密術式は見えるわけだ」

「それで何を隠しているかも明白にわかるよ」

「強っ!?」

 すごくないそれ!?

「まぁ、頭痛くなるけど」

「思加魔法教えようか?」

「何ですか、それ?」

「思考加速魔法を略してみた」

「なるほど?」

 教授しますぜー。


 ◎その後、夜中 


 中央都市オリュンから南、

「さて……完成してんだっけ、リニアモーター」

「うむ、実験機だがな」

 魚は鮮度が命。そのため魚を高速で運ぶために(転移陣は不安定で保証が効かない)、高速で移動する物体を生成している。らしいです。今初めて聞いた。

「地下走れるとか相当な技術じゃねぇの」

「はやいのー?」

「はやいぞ、しかしあまりよくわからないだろうな」

「そうなんだ」

 アハトさんとズィーベンさんは詳しそう。

「こんなのあるのか…」

「なきゃミラージュ行ってダイダルウェーブへなんて悠長なまねしねぇよ。じゃ、乗ろーぜ」

 乗るのか。

「いってらっしゃーい」

「皆、気をつけてくれたまえ」

 シャメルとそのお父さんはここで別れる。

「では、戦場で」

「また来てくださいね」

「頑張ってね」

「がんばぅてね」

 リックとマータ、クーとシュー。

 そうして、移動する。

 とても速く。


 ◎乗車中


 まぁ、窓がないので速さなんてよくわからないのですが。

 パインはノインさんとトロワと三人で寝てます。

 アハトさんはマリルに何か教えているようです。

 後はこの運転席付近で駄弁ってます。

「つーかあれじゃねぇ?オーバーテクノロジー気味なまね」

「エンジンが作れなくても磁石の配置と磁力の生成ができるのがミラージュだ」

 エンジンって、なんだっけ?

「……磁力は妖力で作ってんのかよ」

「らしいぜ、昔に聞いた」

「ふぅん…」

 そういえばあたふたしていたけど、あともう短いのか。

「やっと助けにいくんだね」

「長かったな、半月か?」

「もうちょっと長いね」

 そんなに長いんだよ…。

「でも、あっという間」

「だな」

 あれ、アインスさんもう飽きて寝てる。

「アルマ」

「何?」

「……最悪、俺の魂少し削ってくれよ。それでも俺は生きられるから」

「え?」

 それはだめでしょ?

「やっぱ俺の魂不完全なんだわ。多分アルマだけが、きれいに削れる。必要なら言えよ」

「まぁ…うん、わかった」

 何でそんな…。

「そういやウィッチ、無事に突破できたかな」

「何次から次へとやばいこといってくれるわけ?」

 今度はどうした。

「あいつもエーデに向かわせたんだよ」

「色々やばいんじゃ」

「そりゃな、でも一度は突破してるし、リズや狂国の件とは関係なくこの時期に戻ってもらうつもりだったから準備してただろ」

「うん…?」

 なんか言ってることが何もかもおかしいんだけど。

「さて、つくまでまだある。寝とけ」

「うん、おやすみ」

 何でそんな危ないこというのかな。


 ◎花の月21日


 目が覚めた。

「おはよう」

「おう、おはよう。もうついたぞ」

 あら、ついた。

「まぁ、一応朝飯は用意した」

 いろんなパン入りのバスケットに海鮮サラダとフルーツジャム、後は瓶入りの飲み物。ストローがないとジャムと区別つかないんですが。

「これで一応とかおまえ贅沢しすぎじゃねぇ…?」

「いや最近の基準が狂っててな」

 王城での朝食は確かに一般人のそれではないけど。

「いただきます」

「おう」

 とりあえず何か挟んであるパンにかぶりつく。

「シャケだぁー」

「まぁ、乗る前にも言ってたが魚運ぶための乗り物だしな、ここ海だけど」

 言ってたね。そしてシャケは川だっけ?

「なるほど」

「そうだ。今困っている。目的の相手がここに来るはずなのに来ない」

「あらま」

「まぁ、予定が崩れてるわけだ」

 あんまり急ぎの仕事もなさそう?

「先に荷物はまとめておいてさ。今からズィーベンの悪魔たちが運ぶんだが、なんか持っておきたいものあるか?」

「ないよー」

「おけ、伝えとく」

「うん」

 いってらー。

 にしてもシャケといえば白米のイメージあるけど。パンに合わせるのもありだねぇ。

「んんー、ん!うまい!」

 サラダおいしい。野菜も鮮度良さそうだねぇ。

「これは…カレーパンかな?」

 かぶりつくと中からは…。

「みぇ!?」

 ミートソース!?何で!?

「悪くは、ないけど……びっくりするわ」

 パンそのものがカレー風味だし。なんだこれ。

 後ツナ入りのパンがある。tunaマグロって考えればうむ、海だな。


 あとはジャムとかと合わせるだろう普通なパンでした。

「ごちそーさま」

「ういー」

 あ、アハトさんだ。

「あー、アルマちゃんは大丈夫だったっけか」

 何の話?

「?」

「オーラ少ないんだっけ?」

「うん、ほぼないよ」

 そういえば|全力発揮変身《(フルパワー・モード)》はマナとライフを使う。概要にはあと二つあるって書いてあったっけ。結構前だな。

 あと二つは教えられない、ってところかな?

「マリルに何を教えたの?」

根源盟((ソウルパート)友召喚(ナー・コール))、マナとオーラを使って一時的に生物のようなものを召喚する、魂を持たずに魔法を使う数少ない存在が出てきて怖い怖い」

 はえー。

「狐の王子にも教えたな」

 あ、なんか身に覚えあるかも。

「あれは結局なんだったのやら」

「何が起こるかなんて|全力発揮変身《(フルパワー・モード)》以上にわからんよ」

 あれは自分の姿が変わること、その姿でいくら傷ついても解除されるとその傷を負っていない状態でいることと……あーとーは。

魔法が自分で構成しやすくなることか、それらが共通点。

 まぁ、私傷も何もないんですけど。即死レベルでも問題ない代わりね…。

「というか、魔法の構成ってどうしてるんだろ…」

「やっぱ誰も法則わかってねぇよなあれ」

「わかってないんだ」

 難しいね。

「おい二人とも、急いで行くぞー!!」

「「はーい!」」

 それどころじゃない~。

 未来によるとツェーンさんの力を借りて全!力!ダッシュ!!するそうです。

 ………空中を。

「じゃ、空走るぞ!アホは捕まえとけ!」

「予定調和、n,pr」

 あー、消えた。

「アルマ、飛ぶぞ!」

「はーい!」

 なぜか空中に体が浮かび上がり、前に道が出てくる。

「従っていくぞ」

「なるほどね」

 急ぐからか、マリルはお父さんに、パインはフンフさんに、それぞれ抱っこされてる。

「走れー!」

「おー!」

 ちなみに、下からどう見られてるかなんて知らないです。

 えぇ、スカートの中丸見えとか、ついた先で記録するまで気づかなかったですとも。

 さすがにその程度のことは気づけ!!バカー!!!

距離の概念。

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