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short&long~月は死に絶え日は昇る、さぁ始めよう

何もかも極端な長すぎる夜。

 もう真夜中、多分。

「おいしい」

 リックはメロンパンケーキを食べてる。

「あいつはどうするの?」

 話、しよう?

「やることは決まっています。もう闘技大会の刀部門は特例で決勝まで一気に行われることになりました」

 ほう。

「逃がしません、敗北即処刑です、それで終わり」

 ……やつは、警戒の必要がもうないと。

「やつ、は……だって?」

「どうしました?」

「別の脅威があるみたい」

 少し考え込むリック。何を考えているかは見当もつかない。

 あ、ココア飲み終わっちゃった。

「特に心当たりはないのでおいておきましょうか。アルマ。この子を見てどう感じる?」

「え?いいのそれ、ってその子がどうしたの?特に……何も?強いていうなら、心地よさそうだな、って」

 まぁそれもそうか、とつぶやかれた。

「シューの力は、異性を籠絡(ろうらく)する魅惑の先祖返りです」

 あ、そうだった…っけ。あれ、聞いたことあったっけ…?

「ですから男から見るとどうしても、異性的な魅力を常に感じさせてきます。僕の方が先祖返りの力が強いのと、相性的な理由であまり強く感じてはいないのですが」

「相性なんてあるんだ?」

 力の相性とか複雑そうな。

「シューについてはわかりやすい方ですよ。犬神獣以外のオスの神獣に対して効果を強く発揮する」

「あー、そっか、栗鼠神獣ってメスだから、オスに対してしか本来効果がないのか」

 なるほど理解した。

「だから僕はあまり影響を受けないけど、ミーは影響ちょっとだけ受けるんだよね」

 なるほどね?

「でも強く発揮するっても。妖気の量、差があると同性でもいかない、クーとか」

 あ、起きた。

「「おはよー」」

「何ではもるの…?」

 そりゃおはようってとりあえず言うじゃん。

「しかし複雑そうだねぇ」

「族長家の間では常識、というものなので覚えようとしたことはないんですけれどね」

「持ってるからなおさらね」

 なるほどね。知識については色々聞きたいことあるね。

「にしても………何だろうね、この、胸騒ぎ」

 来るよ。

 だろうね。

「どうしましょうか」

「なんかビリビリ来てるぅ…!」

 リックもシュレールもなにかを感じているみたい。

「というか、周りの雰囲気も大分物々しいですね。人の集まってる場所に行ってみますかね?」

「そうだね、私たちより察してる人がいるかも」

「あっちかな、多いの。さてと、お金、お金…」

「あ、家に請求書出してもらうので大丈夫です」

 え。いいのそれ?

「リックかなり食べるもん。こういうときのミーほどじゃないけど」

「町のもの食べ尽くすようなのと比べないでほしいかな。確かに払うお金持てないくらい食べますけど」

 なるほどそういう。そりゃいいも悪いもないな。

 さて、人の多い方に行こう。

「多分大して重要なことはないです。強いていうなら偽の夜更けにゼクスさんが何者かに転移させられてたことですかね?」

 え、誰に?フィーアさんじゃないよ?

「それどうでもいいよね」

 うぅーん?どうでもいいの…かなぁ?

「もう行こう!」

 あ、やべ!

「ちょ、待ぁてー!?」

 急げー!


 ◎中央都市オリュン芯区 大霊廟前


 うわ、何これ?

「死者への冒涜(ぼうとく)…許すまじ」

 …そういうことか。

 目の前にあるのは、おそらく神秘的と評するのがいいだろう白い建物。

 全面に、メタリックな紫色のペンキをぶちまけられてさえいなければ。というか何この色。

 ……いっそ全面にきれいに塗ればいいのでは。ってそうじゃない、このおバカ!

「………伏せろっ」

 シュレールにそう言って、私も伏せる。

 頭上を通る、何か。なんか覚えのある感触。

「……パイン」

 そういえばおねーさまよび最初しかしなかったねあの子。飽きた?

「ローちゃん的なやつ…」

 ツタだ。べちゃべちゃに汚い粘液がまとわりつきだした。

「そういえば、犯人って誰だったんだろうね?」

「何の話だ…?」

 低い男の声。あのときのローちゃんの人ではない。

「なんか、やばいなあれ…」

 本体らしいそれは石の鎧。そこから腕の代わりにタコ足が4本ずつ、足の代わりにイカ足が5本ずつ、そして頭の部分から先ほどのツタが出まくっていた。それに加え何かがひどく気持ち悪い花のような形と色の粘液まみれの何かが一つ。

 よロイの中ハ見るな!あレハ……だめ!

 なんか指示が壊れてるー!

「……うぇ、気持ち悪」

「もうやだぁぁ」

 リックもきつそうだけどシューたんやばい!?

「シューたん大丈夫!?」

「まぁ一応。それよりシューたんってどうなのかなそれ」

「いいと思うけど?」

「リックは否定しないだろうねそりゃ」

「……よいな」

 ん、なんかブチッとか聞こえた。

「あ、マジでやる気なんだ…?」

「もうやだやだやだやだやだぁ~~~~~!!!!」

 どっからともなく取り出された薙刀(なぎなた)でツタが断たれる。

「……とてもよいな」

 攻撃開始か。

「魔法の発動まで持たせてください」

「あいよー」

「稼ぐ!」

 リックの魂魔法かな?

My wisdom (まいうぃずだむ)teach (てぃーち)me how to (みぃはうとぅ)use the (ゆーずざ)mana(まな).(僕の知恵は僕にマナの使い方を教える。)

in (いん)addition (あでぃしょん)to it(とぅ いっと),(それに加えて、)

My (まい)instinct (いんしてぃんくと)understand(あんだーすたんど) me how to(みぃはうとぅ) use the(ゆーずざ) life(らいふ).(僕の本能は僕にライフの使い方を理解させる。)」

「あれ?」

 ん?……あ、オーラ使ってないね。

「あ、今制御できないか、私とはいろいろ訳が違うもんね…ふっ!」

「すっごい風切ってるねー、嵐になれ、laevateinn(らーぶぁていん)!」

 なんか詠唱の本文は英語ではないようで聞き取れません。白銀言語は二つ三つどころではないししょうがないね。

「死ね、月よ!」

 うわなんか出てきたぁ!?

majic time(まじっくたいむ) start now(すたーとなう)!(魔法の刻は今始まる!)

……いきます!アルマ!」

 私も、やるか。やばいのの処理は頼んだ!

My wisdom (まいうぃずだむ)teach (てぃーち)me how to (みぃはうとぅ)use the (ゆーずざ)mana(まな)in (いん)addition (あでぃしょん)to it(とぅ いっと)My (まい)instinct (いんしてぃんくと)understand(あんだーすたんど) me how to(みぃはうとぅ) use the(ゆーずざ) life(らいふ).(私の知恵が私にマナの使い方を教える。それに加えて、私の本能が私にライフの使い方を理解させる。)

My father(まい ふぁざー) teach me( てぃーち みぃ) magic(まじっく) logic(ろじっく)my mother(まい まざー) informed (いんふぉーむど)me (みぃ)the soul (ざ そうる)shape(しぇいぷ)(私のお父さんは私に魔法の理論を教えてくれて、私のお母さんは私に魂の形を知らせてくれた).

and I (あんど あい)helped me(へるぷど みぃ) following(ふぉろうぃんぐ)my fate(まい ふぇいと).(そして私は私の運命に従い私を助ける)

majic time(まじっくたいむ) start now(すたーとなう)!(魔法の時間が今始まる!)」

 この姿だとどうしても心のどこかが空っぽになる。

 でも、今は、私は。

「おっけーだよ、シューたんもやる?」

「私は無理」

 …準備オッケー。攻勢に出よう!



 私をそそのかし、力を与えた、悪魔に願う。

 お前が今の私を作ったのは認める。この願いさえお前に作られたものであることも。

 だからこそ、ここから敗北なんて許されない。だから、勝利をくれ。そして、そこに向かうから、そのときは私の願いを聞いて――



「見えるよ、勝利への道筋が、手段が。お前程度では、私たちに勝てない」

 まぁ、戦法なんて口で言うほどこったもの考えてないけどさ。

「リック、切り札の構え。シューたん…細かいところは任せて」

「おっけー、仕掛ける!てぇい!」

 ツタを断ち切った……。

「ほいほいほーい」

 ぴゅーんぴゅーん。案外ラーヴァ一つでもサポートできる。というか細かい制御が必要だからこのままでいいかも。

「容姿が怖すぎるんだってば」

 たこ足とかいか足とかツタとか。まぢむり。ほんとに無理。マジで。

「さて……そろそろ私にも来るかなぁ」

 そう思いながら空に飛び立つも来ない。

「む」

 一瞬遠くの方から光が見えた。

「考えてる余裕ないよね」

 大したことではない…でいいや。

「ふぅ…咲け、laevateinn(らーぶぁていん)!」

「ぶびぃ、あづい!?」

 なぜ豚。

 まぁ、とりあえず、花っぽいのに直撃させれば結構痛いらしい。

 逆にツタどころかたこ足いか足でも痛くないのどういうことよ。

「ぶふびぃいいいいいい!!」

 衝撃破!いったい!!

「直撃扱いじゃないのは救いか…」

 変身解けてないからまだ飛べる。

「あぶなぃ……」

 シューたんは衝撃をどうやってそらしたのやら。

「ふぅ…………はぁ………」

 リックは集中が切れかけてる様子。

 見渡すと、周囲から何かが飛んできては私たちの力が増して、奴の力が奪われている。

「すぅ―――」

 また力を溜めだした。

「力強く、光れ、願え。よし、……って、普通に詠唱すればよかった」

 シューたん、何してるの?

「っ……ふぅ―――」

 あ、オーラリリースか。うっわ久しぶりに見たかも。リックもマータんもあまり使わないし、クーちゃんは別の魔法になってるしなぁ…。

「予想以上に効かない…」

「え?敵の動きはおかしくなったけど?」

「アルマ…だっけ?ほら、全く効いてないでしょ?気づいてすらなかったらごめんだけど」

「さすがにそれはないよ、見えてるから」

 そういえばリック以外も真似できるかな…?別に兎以外なら何人かいるみたいだし。

 後でやってみよう。

 なんかいつにも増して危機感がないなぁ…。

 手段と状況が不明瞭だけど、最善でも最悪でもそんな差がない。ある意味アウト確定というか、どうかあがいてもさほど傷つかないというか。

 すでに負った深手のところ狙ったせいで当たってないこの感じ、めっちゃ不快だわ。

次回、過去最大の視点数になる、と思います。まとまりがない割に相互作用がひどいので。いくつまで減らせるかお楽しみ(?)に、ということにしていただければ助かります。

投稿時期は今月中。とりあえず今週は忙しいのであまり書けません…。

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