/♭short&long~力の限りknowledge&lostルート
エグさのベクトルがこれまでと大分違う気がします。それでも見てくださる方も、ほとんど没シナリオや裏設定程度であるかすら怪しいのが申し訳ないです。
主に最後のパートはr15規定ですむかどうかな描写なのでご注意ください。
後書きは愚痴だけにしておきたいのでこちらに。次回は6日に投稿予定です。珍しく予定決まってます。
◎視点 ゼクス・アローラ
狼族領域西 食料加工都市パミンミ
物理的に封印された部屋
注 すべての会話群はゼクスから始まり、相手と交互に発しています。
「……」
何で俺がこんなところにいるのか。
「…………おい」
「あれ、不機嫌だね」
「無理矢理連れ去られたしな」
「危険な場所から立ち去れてよいだろう」
「そこに娘たちを残してる」
「だからなんだという」
「……これだから賢者はめんどくせぇ!!人の心の欠片もねぇじゃねぇか」
目の前にいる腐れ狼を睨む。
腐れ、というか黴びてるというか。実際偏見抜きでもそうにしか見えないんだなこの色。
しかも臭い。風呂入れ。
「ほんと何のつもりだ?」
「ここから出られないからさ、物理的に」
「魔法で無理矢理拉致してきた転移術士が何言ってんだ。まぁ賢者が出るのはよろしくないがな」
「君がそれを言うのか、まぁ実際そんな理由だけど」
「悪いな、俺様はまだ若い」
「その一人称普段から使ってないだろう、うざいぞ」
「オメーに言われたくねぇよ!」
イライラする。フィーア助けて。
「……ってか、殺されるとか思わなかったのか?」
「なら殺す?血は多分病気抱えまくりだから浴びるだけでもなかなかまずいと思うけど」
「それ以前にこの部屋不潔すぎるだろ、もう感覚麻痺してねぇ?」
「かもねぇ」
「おいおい」
「まぁもういいよ、諦めた」
「何で諦めてるんだよ…」
「洗浄とかの魔法全く使えないの。う、が、がふっ…」
「食いながら話してたのかよ!?詰まらせんな!!??」
すっげーびっくりした!
「っーかさっさと本題入れそして返せ」
「まぁ娘たちが危険にさらされたらすぐそこに返すよ。死なれては困るし」
「………」
「ああ信用してくれていいよ。神獣様の名にかけて」
ああ、そうかい。
「わかった、とりあえず大人しく聞こう。大分落ち着いた」
「よし、話はまだ早いほうだろう。まずは侵入したとおぼしき狂国兵、詳細を特定した」
「はぁ!?狂国兵の侵入からして知らねぇぞ!?」
「あー……まぁ、転移してきたしねぇ」
「うっそだろおい」
「あ、一人はゼロスサンにいたいろんな意味でやばそうな」
「あぁあれな」
「あれの説明は特にいらないと思う。で次。これがある意味本題なんだけど、どうも魂魔法込みの改造人間なんだよね、あれが」
「はぁ?」
「脳が大量についていて、それらはすべて本人の意思に反して取り付けられているらしくそれぞれの脳が管轄している口から悲鳴を上げ続けている。声質からするに幼くて赤子、少なくとも小一くらいだね、ちょうどパイン嬢とマリル嬢ぐらい、知能的にもそんなものかな」
「うっわ……きつ」
「たまにとてつもなく大きな悲鳴とともに黒い液体がぼとぼとと」
「はぁ?」
「それに加え、適合された肉体は雌雄で対になって融合されておいてあって、本体は常に快楽物質を受け取って拒絶反応に耐えてるんだとか」
「なんだそりゃあ…」
「ちなみにその対なんだけど、本体の男が一人余っていてだね」
「あっ」
それは、俺がどうにかしないとだめだな。少なくとも娘たちに任せるのは怖すぎる。
「やべぇな」
「あとは豚人間もいたけどあいつの好み的にはシュレール姫がもぐもぐされるだけだろうね」
「十分問題じゃねぇの?」
「まぁそれはそれ、これは…まぁ、それこそ女王の手で倒せばいいさ、これなら相性抜群だ」
「なるほどな」
「あとは狂国から帰省していることに誰も気づいていないあの隠密術士が問題かな」
なるほどねぇ…。隠密術士は奴か。
まぁあれはフォリックがどうにかするだろ。
「切り札はいくつも抱えてるようだし心配ないな」
「そうですねぇ」
「…これでそろったか?」
「うん」
「めんどくさそう」
「あ、ちなみに君の娘は今無事だけど」
「おいこらお前それでいいのかよ」
「うん、エッチでいいね!」
「……………おまえはあほか」
こいつの頭は大丈夫か?
「話は終わったのか?これ」
「まぁ大体は。ところで、君の娘の物語に出番はあるのかい?」
「多分この言動でなくなってると思うぞ?」
「悲しいねぇ」
「お前なぁ…」
「じゃ、もう終わりだから返すよ、元の場所でいいかい?」
「マリルの近くで頼む。多分一番危険にさらされてただろ」
「そうだね、主役はグースカピーだ。平穏そのものだよ。ちゃっかりフォリック殿下が近くで隠れてるけどまぁ貞操の危機もないだろう」
「あいつらならやるとしても合意の上だろうしな」
「さ、帰るがよい。Go」
はやいな。
◎視点 アスモデウス・ギルティネスト
闘技場控え室5番
美しいものを美しいと高らかに叫べる世界。ああ、確かに平等だろうとも。
しかし、だ!
「欲ある高貴な者が!それを愛で、我が物にする!それは当然の権利だろう!!」
下らない、愚かしい、間違っている。
そうだろうとも、そうだろうとも。
結局、私が愛でたいものを愛で、欲しいものを我が手中に収めたい。それだけだ。
どうせ死んで全て失う。だからその前に好き勝手したいだろう。そんなことを実行する輩がさほど多くないから人間が生き残っているのだろうが。
ま、いいやそんなこと。
目の前のそれを見る。
「だがしかし」
あまりよろしくないよなぁ。
「心を壊してしまったようだな」
もう一度やるか。
姫の…雌犬の上にまた覆い被さる。
この光景が、一匹の蜘蛛と一つの怪鬼に見られているとも知らずに。
愚痴。
実のところshort&longの脚本ミス起こして3シナリオ分くっついてしまっていて、long&verylongになってしまったのが悪いんです。そしたら最後のところをもうちょっと軽く済ませる案もできたかもしれないです。今のところ無理だろう、といったところです。
原案ではアルマがそもそも武術大会の間ここにとどまることはなく、さらに混ざったシナリオがよりによってフラグっぽいのまき散らしたそれだったのでこのような展開にすることとしました。
こんなものまでお読みくださりありがとうございます、申し訳ありませんでした。




