なぜか王城から始まるてんやわんや
君は、魔法が使えるなら、なにをしたい?せっかくだし、人を楽しませてみる?お掃除ぱっぱと済ませたりする?それとも、ビームでも撃うちますか?
まぁ、どれにしたって、神様と相談!
◎物語の始まり アルマ・アローラ あらため アルマ・ブルーム 視点
ブルーム王城、玉座の間
私、アルマ・アローラは、ちょっとヤバい目にあってます。
「いまここに、新たなる王の戴冠を執り行う」
えっと、おじいちゃんが死んじゃって、お母さんと伯父さんがどっか攫われてっちゃったの。
「新たなる王―――557代目女王」
そして、目の前の重大な問題。
「アルマ・ブルームのブルーム王国王へ―――」
私、女王様になるそうですよ?
◎数時間前
アルマの家
朝、とてつもない轟音、だっけ?とにかくうるさい音で目が覚めた。
あのとき、お母さんは攫われてったんだろうと思うと悔しい。
子供の私でも、戦う力はあるから。
そうして、玄関で立って考え事をしていたお父さんに念話で知らせが届いたらしく、王城へ向かった。
そこで、偉ーい人、えーと公爵は貴族の中で一番上なんだよね、の、えー、カウント公爵と、ラファエル伯爵の子で、お母さんの友達のシャメルさんがいた。
その二人が言うには、おじいちゃんが死んじゃって、そこにいたはずのユークレース伯父さんがいなかったそう。
お父さんの話と合わせて、それが誘拐だとわかった訳だけど。
◎で、はじめに戻る。
「アルマちゃん、現実見てよー」
あ、シャメルさん。えっと、私何を
「たいじょー」
は、はい。
…心読まれてる?
「はい、読んでます。リズと探した魔術なんですよね」
わお。読んでたんですね。
後は夕方まで玉座で待つのみ。
今夜、交流会やるらしい。朝から晩まで忙しいこと。主にお父さんが。頑張ってーね。
仕事だらけかと思ったらそうでも無かった。11才に仕事振りまくるわけないか?
◎ 視点変化 マリル・アローラ あらため マリル・ブルーム 視点
ブルーム王城、廊下
「アルマおねーちゃん、なにしてるのかなー?」
パインが、そう聞いてきた。
「知らなーい、何してるんだろ?あ、パイン、静かにしててね」
そう言うと、パインは右手を高く上げて
「はーい」
と、こたえてくれた。あーもー、パインはかわいーなー!よしよし。っと、来た。
「初めまして、マリル様。私、モノス・カウントと申します」
いーたよ公爵さん。貴方そんなにのこのこ出てきていいの?
「お出迎え感謝します、カウント公爵。しかし、下下の―――」
「こーしゃく?おじさん、それってすごいのー?」
「ああ、すごいぞー」
えああわああ!?
「あわわ、えっと、し、失礼しました」
パイン、この人すーっごいえらい人なんだよー!?
「大丈夫ですよ。そもそも、今立場が上なのはそちらの方なのですし」
あ、そっか。
「おねーちゃん、しもしもってなに?」
「あー、しもじも、ね。えっと、部下とかにあたる人とかのこと、かな。今は、執事さんとかに任せなくてよかったのかなってことを言いたかったんだけど」
言い切れなかったよ。
「さて、女王陛下と同じく、正装を「「「いたー!!!」」」おぉ!?」
3人の…そっくり!?女の子3人…やっぱりそっくり!?
「ファーでーす」
「セーカよ」
「シャリーですー」
ふとパインの方を見ると、固まってた。カチコチ。これは、びくーっ、の「っ」だね。
「ったく…あと、頼んだぜ」
すっかり素がでてるよ?すー。ん?
すんすん。この匂い?どーぶつのにおい?
おっさんみたいな感じ。なにこれ?
◎その後、夕方のこと
「どうしてこんな風になったのか」
はぁ?まだいうー?
「アルマおねーちゃんそれ何回目ー?」
「8回目」
しょーゆー問題じゃない!
「“雀炎”、かー」
優秀な魔法使いには、名前…通り名がつく。あれ誰が考えてるのかな?まぁだれでもいいけど。
で、お姉ちゃんの通り名が“雀炎”って訳。
ちなみに、パインは、“演雷”、わたしは“援命”。え、ここ水じゃないのかって?
現実そー単純じゃないんです。そー複雑でもないけど。
さて、ドレスきて、晩餐会のはじまりだー。
「パーティーパーティー!」
やっぱりパインかわいい。