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4-9 温泉LV1完成!

 さて、どこに水風呂を作ろうか、そんな事を考えていたら。


「ご主人様ー」


 崖の上から下を見ていたククノチが手招きしていたので返事をしながら向かう。そして、同じように下を見ようとして……うわ、結構危ないから落下防止の柵がいるなぁ。


「下の湯舟からお湯が溢れてますけどいいんですかー?」


 湯舟から溢れるのは問題ないけど排水路がないのはよくないですね。どんどんお湯が地面にたまってるから一旦源泉を止めよう。

 階段を下りてから靴と靴下を脱いで、地面に溜まっていたお湯だまりに軽く触る。結構温かい、ということは湯舟の湯はちょっと熱すぎるな。

 水で薄める必要があるという事は……よし、水風呂の位置も決まったな。

 

 今ある湯舟にくっつけるように新しく高さが違う湯舟を2つ作る。上から見るとクローバーのような形になっていて、一番高い湯舟を水風呂にする。ここには常に水源から水が湧くようにするので他2つの湯舟に水が流れるように溝をつけた。水が流れる量を調節すれば適温になるだろう。

 もう一つは一番低い位置にあって、水風呂とメイン風呂から水とお湯が流れてくる微温湯(ぬるまゆ)にした。まずは3種類あれば十分だろ。


 次に排水か……まず今は水平になっている地面を少しだけ傾けて崖側に水が流れるようにする。崖に沿うように溝をつけて水を流し、終着点に小さい縦の通路を複数付けて水を落とす。

 その先に迷宮の胃袋を付ければ水はDPに再変換されて排水完了っと、百パーセントDPに還元はされないがある程度維持費は減るだろう。


 温度計なんてものはないから三種類の湯舟に手を入れて温度をチェックする。うん、メイン風呂は熱すぎず微温湯はぬるすぎずいい感じの温度になっている。あくまで個人的には、だが。


 後必要なものはシャワーと……あ! あれが欲しいな。


「コアさーん、ちょっと準備してほしいものがあるんだけど……」

「はいはい、何だいマスタ―?」


 まだここに来ていなかったコアさんに一つ注文しておく、これで大きな楽しみが一つ増えたぞ。


 後はシャワーだが、源泉から石壁の中にお湯を通す通路を作り、それをパイプ代わりにしてお湯を部屋の端……湯舟がないところに持っていく。 

後はシャワーヘッドのように出口に小さい穴をいくつかあけた壁で塞ぎ、レバーで開閉する吊り扉を付ける。これでシャワーっぽいものになったはずだ。


 実際に試してみよう。レバーを引いてみると小さい穴からお湯が勢いよく吹きだしてくる。うん、ちゃんとシャワーっぽく吹き出してるな。横に勢いよく、そりゃあ垂直に穴があいてればそうなるわな。

 穴がある部分を迫り出してから斜め下に飛ぶように角度をつける。手にお湯を当てて温度をチェック、ちょっと熱い気もするがシャワーならこんなもんだろう。レバーを上げたらちゃんとお湯が止まった。

 ついでに岩盤を一部分だけ迫り出して石鹸置き場を作ってみた。これでシャワーも完成、とりあえず同じものをもう一つ作っておく、二つあれば十分だろ。


 うむ、なかなかいいものができた。満足げに後ろを振り向くとケモミミ娘達がぼーっとした顔で突っ立っていた。しまった、作るのに夢中で置き去りにしちまった。


「主さんこれは何ね? 湯に浸かるんじゃなかと?」

「湯に浸かる前にここで体を洗って汚れを落とすんだよ」


 これは温泉の入り方を知らない君たちに一つずつ教えてあげる必要がありますね。まぁ、実戦に勝る経験はないというし早速……


「お、なかなか立派な温泉になってるね」


 そんな感想を言いながらコアさんがポータルをくぐってやってきた。


「あ、マスター。”アレ”の準備はバッチリしておいたよ」

「おー、ありがとなコアさん」

 

 コアさんと意思疎通のサムズアップをして笑いあう。


「ご主人、”アレ”ってなぁに?」

「それは秘密です。ちゃんと全員分用意するよう言ってあるから安心しろ」


 オルフェの方に向き直り、人差し指を口に当てて答える。

 そんな俺をガン無視してコアさんに視線を送るオルフェ。ちょっと寂しい……


「コアさーん、教えてくれませんかー?」

「マスターが秘密にしたなら答えるわけにはいかないね。大丈夫、きっと君達も気に入るはずさ!」

「むぅー、じゃあ楽しみにしておきます」


 コアさんが苦笑しながら答えるとしぶしぶ納得したのか、それ以上の詮索はなかった。

 コアさんは俺の方に視線を送り……


「それよりマスター、ここにはコアルームから直接繋がってるけど脱衣所はないのかい?」


 ……あ! そうか、何か忘れてると思ったら脱衣所だ! もうずっと外の森林エリアで水浴びしてたからすっかり忘れてた。

 脱衣所はどうするかな? 家の間取りと違って維持費が許す限りなら広くても問題はない。であれば湯上りの休憩所を兼ねるのもいいだろう。よくよく思い返せばまだ皆でくつろげる部屋がない。

 維持費はきつくなるが先日DPを増やすための拡張はしたし、まぁ大丈夫だろ。


 まずは6畳間の座敷を作り、さらに脱衣所用の部屋をくっつける。座敷と脱衣所の壁に引き戸を付ければ

出来上がり。もう手慣れたもんだ。

 早速できた部屋をコアルームと今いる温泉につなげた後にポータルをくぐると、作ったばかりの脱衣所に出た。いやぁ本当に楽だなぁ。


できたばかりの脱衣所には棚も脱衣かごも何もないが、ウチにはかご作りの名人がいるから問題ない。


「ククノチ、こんな感じのかごを五人分作ってくれないか?」

「はーい」


 障壁に脱衣かごを上下左右から見たイメージ図を書くと、それを見たククノチが手早くかごを作ってくれた。


 これで準備はできたなっ! いざ行かん、数か月ぶりの風呂だー! ケモミミ娘と混浴だー!


「よし、早速できたての風呂を皆で堪能するために一緒に入るぞ。一番風呂は皆でだ!」

「ちょっと待ってほしい、マスター」


 もっともらしい理由を言って皆を促した俺に待ったをかけるコアさん。一体なんだ?


「まだ足りないものがあるんじゃないかな?」


 足りないもの? 一体何だろう? んー……?


 あ!


「そうかそうか、すまなかったコアさん。気持ちが逸り過ぎてすっかり忘れてたよ」

「うんうん、わかればいいんだよ」


 召喚ウィンドウから人数分のバスタオルを用意して脱衣かごに入れる。


「今日から川で水浴びじゃなくて風呂に入るもんな、バスタオルはいるよな。おっと、三人にはタオルも渡さないといけなかったな」


 手早くタオルを出して三人に渡す、石鹸はまぁ共有で使えばいいかな。

 

「他に足りないものはないかな? ないよね? じゃあ、俺は先に脱衣所で準備して温泉に行くから皆は座敷でくつろいでいてくれ。こっちの準備ができたら声をかけるからそしたら入ってきてくれ」


 俺はケモミミ娘達と混浴がしたいのであって別に生着替えを見たいわけじゃ……いや、本音を言えば見たいけど流石にそれは問題になるからな。

 脱衣所に入る前にコアさんが何かつぶやいてたような気がするが、よく聞き取れなかったのでスルーする。必要な事なら直接言ってくるだろうし。


 脱衣所に入り手早く衣服を脱いで脱衣カゴに入れた後にタオルを腰に巻く。一応自分のを隅に置いてから引き戸を軽く叩いて合図する。

 向こうから返事が来たので入ってくる前に岩場……もとい温泉エリアに入る。


 裸で入った温泉エリアは寒すぎず熱すぎず丁度いい気温になっている。うん、風は必要ないな濡れると冷えて寒くなる。

 さって、ケモミミ娘達が準備を終えて入ってくるまでどう拡張するか考えてよっと。


 今までいろんな待ち時間を過ごしてきたが、今この瞬間が一番楽しみだと胸を張って言えるなっ!


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