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3-EX2 大樹の治療2

「マスター、大樹の治療はそんなに良かったのかい?」

「とても気持ちよかったぞー。それに見てくれよ! 肩回りがすっかり柔らかくなって背中に手を回してつなげるんだぞ!」


 こんなん今まで運動不足だったから、できた試しがない。だから嬉しくて見せびらかしてしまった。


「へぇ、じゃあ私にもやってもらえないかな? 頼めるかい?」

「いいですよー」


 ククノチの返答と共に枝や蔓がコアさんに向かって伸びていく。


「お? おおお? これは変な感覚だね」


 そのまま胴や腕に巻き付き、コアさんを持ち上げて木の中に運んで行こうとする。


「違う……これは違うぞククノチ」

「えっ?」

「触手っぽいものがケモミミ美女に巻き付いているのにちっともエロくない!」

「ちょっと!? いきなり何を言ってるんだいマスタ―!?」


 そう! これは顧客(俺)の要望を満たしていない。せっかく地球ではない世界にいるんだし、生で触手(?)に襲われる女性を見てみたいと思うのも、仕方のない欲求と言えるだろう。


「というわけで、俺が許す。もっとエロくやれククノチ」

「えー!?」

「ククノチ、ダメだよ! マスターの要求を聞いたらいけない!」

「えっ、えっ!?」


 困り顔で俺とコアさんを交互に見るククノチ。これはどっちにつくか迷ってるな、後一歩背中を押してやれば落ちるだろう。


「ロゼワインとスパークリングワイン」

「えっ!?」

「俺の要求に答えてくれたら、後でロゼワインとスパークリングワインを出してやろう。これでどうだ?」

「わかりました! 私はどう動かせばいいですかー?」

「ククノチ!? 裏切ったね!」

「裏切ってません! ご主人様の側についただけですー!」


 買 収 完 了!


 とはいえコアさんも拘束されたままでは不安だろうし、ここは安心させてやらねばならない。

 ピッっとサムズアップをしながらできるだけ明るく振舞って。


「コアさん、一線は超えないから安心してくれ!」

「それじゃまったく安心できないよ!」


 何言ってんだ、実戦で触手に捕まったら一線超えるどころじゃないひどいめにあうんだぞ?


「それじゃあまずは服をはだけさせるように枝を這わせるんだ」

「こうですかー?」

「うひゃ! くすぐったい! ちょっとどこを触って……」


 枝が少しずつ服をはだけさせると、先日追加した下着がチラチラ見える。実にエロく、大変結構!


「よし、次は足を開かせてふとももに枝を這わせるようにするんだ」

「こうですねー!」

「なんかゾワゾワする!」

  

 360°回っていろんな角度から枝や蔓に拘束されているコアさんを鑑賞する

 いい! これは大変いいものだ!

 

「ご主人様、こういうポーズはどうでしょうー?」

「うひゃっ!? ククノチ、君まで悪ノリしないでくれるかな!? 後これ地味に体勢がきついんだけど!」

「うむ、ククノチ君。君も大分触手の美学がわかってきたね」

  

 ククノチがコアさんの尻を突き上げるポーズにして固定する。

 ゆれるしっぽが実にいい味を出している。満点だ。


「よし、後はそこでウネウネしてる蔓。あれでコアさんの口を塞ごう、ここまでならセーフだろ」

「私はアウトだとおも……むぐっ!」


 うむ、これだけでもエロさが三割増しで増えてるな。

 ぐるぐる回ってじっくり鑑賞だ!


 その後もいろいろなポーズをさせてじっくり鑑賞して……


「ふぅ……満足した。それじゃそろそろ大樹の治療をしてやってくれ。報酬は後で渡そう」

「はいー楽しみにしておきますー」

「コアさんもモデルお疲れ、コアさんにも何か出すからマッサージ中に欲しい物あったら考えておいてくれ」

「ぷはっ……むぅー、それじゃあ……」


 後半の言葉は木に取り込まれたから、何を言ったのかわからん。

 

「ん……ふぁっ! これいい! あっ、そこ気持ちいい!」


 脳内でコアさんの声が響く、感覚共有してるからダンジョンコアにも伝わってるのか。

 それにしてもわざわざ実況しなくても……ちゃんとマッサージなんだよな、これ?

 前フリのせいで薄い本のようにされている風にしか聞こえないんだが。


「脳内に揉み加減とかのリクエストが響きますー」

「あー、できるだけ答えてやってくれ。俺は木の実取ってくるから終わる頃にまたくる」

「でしたら、ここから4時方向の一帯が食べ頃になってますー」

「了解、じゃあコアさん。俺に実況はいらないから、ゆっくりマッサージを受けてくれ」


 ククノチがここを管理するようになって、木の実採集も段違いに効率が良くなった。

 ほんとククノチには感謝するしかないわ。





 迷宮の胃袋に今日収穫した木の実を入れた後、いい頃合いだったので再びククノチの木に行く。

 

「ご主人様、丁度終わりましたー」


 こちらに気が付いて振り向いたククノチがそう言ったのと同時にククノチの木が開き、まったく動かないコアさんが枝に巻かれて出てきた。


「よっと」


 枝からコアさんを受け取るとやすらかな寝息が聞こえてきた。あの気持ち良さには勝てないよなぁ……

 起こすのも気が引けたので今度は俺が膝枕をして、そのまま寝かせてやろう。


「まったく、ひどい目にあったよ」

「こんなやすらかな寝顔をしておいて何がひどい目だよ。気持ちよかっただろ?」


 脳裏に声が響く、ダンジョンコアが本体とはいえ俺の太ももで寝てる奴と会話するのはなんか新鮮だな。


「マッサージは良かったけど、その前にさんざん弄ばれたからね」

「あのショーも地球じゃ見られないからな。十分楽しめたぞ」

「むぅー。安いギャラじゃ満足しないからね?」


 ギャラを払えば許してくれるのか。思ってたより安いな。


「ジンギスカン大盛」

「それだったらもうすこし色がほしいところだね」


 すこし色をつければいいのか、それなら……


「食後にアイスを付けよう、チョコチップバニラアイスでどうだ?」

「……わかった。今は気分がいいし、今回はそれで許してあげるよ」


 DPとしてみればそれなりだが、もし地球で同じショーをやったとしたら格安すぎるだろう。払う奴は6桁でも払うだろうな。


「後はそうだね、夕食の時間までこのまま膝枕をし続けてもらおうかな?」

「木の実採集も終わったし、それならいいぞー」


 むしろ、このやすらかな寝顔を見れるのはご褒美である。

 空いている手でコアさんのケモミミを撫でる、もちろん今回は優しくだ。

 

「ご主人様ー」

「ん、どうした?」

「私も膝枕で寝てみたいですー」

「反対側が空いてるからそれでよければいいぞー」


 コアさんを起こさないようにゆっくり動いてククノチが寝られるよう体勢を整える。


「では失礼して―」


 コロンという擬音が聞こえるかのような軽快さで俺の太ももを枕にククノチが横になる。

 太陽はないが、ここはククノチの木の陰になっていて心地がいい。


 せっかくなので、風量調整して森林エリアにそよ風を吹かそう。

 すぐに葉っぱが風に揺られて奏でる音と、優しいそよ風の感触が顔に伝わってきた。


「風が心地いいですねー、それに森が奏でる音も素敵ですー」


 目を閉じながら心地よさそうにククノチが呟く。

 そうだな、これからはこうした時間を取るのも悪くない。


 体も心もリフレッシュ、これからまた頑張れそうだ!



この回だけでもコミカライズされないもんかね。


描写が足りない? 足りない分は妄想で補完しよう!

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