2-EX1 IFストーリー 覗くを選択した場合
「食べる前に私も水浴びしてきてもいいかな?」
「ああ……じゃあ、あがってきたら飯にしよう……」
-> 「!? 是非行ってこい。ゆっくり浴びて行ってね!」
コアさんは俺の返答に少し眉をひそめたが、あまり気にした風もなく手を振っていってしまった。
飯を食う前には手を洗う、その時に一緒に体も洗ってしまっても何も問題はないのだ!
そう、俺はこの時を密かに待っていたのだよ!
♦ ♦ ♦
コアさんが水浴びをしている場所より上流の所で火を焚いて待つ。あー、おそいなーコアさん超遅いなーコアさん。これはきっと何かあったに違いない、だからこれはマスターとして大切なダンジョンモンスターに大事がないかどうか見るために必要なことなのだー。
よし、これで大義名分は立った。俺は目を閉じて監視ウィンドウを開く、コアさんがいるであろう川付近を広角でチェックする。
川の中に人影を発見!
ちょっと広角にしすぎたので何をしているのかはわからない。
ゆっくりズームにしていくと、どうやらしっぽを洗っているらしく、水をつけてはしっぽを振ってほこりを落としているように見えた。
「ビューティホー……」
思わずつぶやく、まだ後ろ姿だけしか見てないが実に美しい、しっぽを振るさいに一緒に少し揺れるお尻が特にいい。
神様、ありがとうございます! そう思いながらのz……いやいや、大事がないか見守る事を続ける。
どうやらしっぽを洗い終えたのか、コアさんがゆっくり振り返る。
おもわず無意識につばをのむ。
見えたのはコアさんの全身をかたどった、名状しがたいおぞましいなにかだった……
「うっぎゃああああぁぁぁぁ!?」
思わず悲鳴を上げる。
「マスター、正気度判定の時間だよ」
コアさんの声が脳裏に響く。……これは、まさか。
「水浴びに行くって言った時のマスターの反応がおかしかったからね。こんなこともあろうかと幻術をかけておいたんだ」
「ちきしょう! やっぱりそうか!」
「ちなみにいつもより強めにかけておいたからね、破れたらご褒美に私の裸を覗けるよ? でも早くしないと水浴びが終わってしまうよ?」
やってやろうじゃないか! 溜まりまくってる煩悩を総動員させて幻術を破ろうと試みる。
見る! 俺は見るんだ! コアさんの裸を!
煩悩が魔力と混ざり合い、かつてない力が俺に宿った!
いける! 俺が持ち得る全魔力を幻術を破るために発動・消費させる。
「破ぁぁぁーーー!!」
その時、俺は確かに何かから解き放たれた感覚を感じた……
「ふぅ……」
そっと監視ウィンドウを閉じた。やっぱり覗きはよくないよね。
その後、水浴びを終えて来たコアさんと一緒に食べたカレーうどんは、どこか懐かしくて美味しかった。
コアさんは「これはある意味リスクがある破り方だね」とつぶやいていたけど、俺には何のことかわからなかった。
総合200pt達成しました! ありがとうございます!
短いですが2-10でボツ案にしたケースをIFストーリーとしてSSにしました!