どうやら俺の朝は静かにしてくれない(怒り)らしい
どうも。こんにちは。
弦間 和将です。
一応2話目を書いてみたんです。
えぇ。
難しいことをよく実感させられました。
今回は新しい人物がたくさん出てきますよ。
それでは、なにとぞよろしくお願いいたします。
俺は鞄に教科書やらなんやらを詰め込んで歯磨きや着替えを済まし、部屋をあとにした。
ちなみにうちの高校は学ランで普通の感じだ。
少し残念感があるな...
螺旋状の階段を降りるとそこには明らかに俺より年上のお姉さんが立っていた。
いや、実年齢は知らないんだけどね。
あと、その気だるい感じのシャツはもうちょっとであんな所とか見えそうなのでやめて頂きたい。
俺も思春期真っ只中だが、さすがに家の中ではやめて欲しい。
え、家の外だったらいいのかよ...
「おはよう! 天馬」
「おはようございます。今日も朝から元気ですね」
この綺麗なお姉さんの名前はヒロカ。
小鳥の守護神である。
ヒロカ姉さんは結構しっかり者で何かと世話を焼いてくれる頼れる存在である。ユイとは違って。
「小鳥は私が守る!」とか言ってくれるんだろうな。
そういや守護神ですら小鳥に劣っているんだよなぁ。
とことん負け組である。
「天馬は今から学校か。気をつけてねー」
「いってきまーす」
そう言って俺は玄関を閉め、静かに門を閉じた。
春の陽気がとても心地よい。
並木として植えられた桜は満開を過ぎ、葉桜となっていた。
桜の花びらが道の上で儚く散っている。
まぁこの情景描写に何か意味があるわけではないのだが…強いて言えば暖かい、かな?
なにしろ国語は大の苦手なのである。
それにしても本当にあの人はいい人だと思う。
もしヒロカ姉さんと結婚したら、俺はヒモになるに違いない。
でもなんというか……付き合いにくい相手でもあるんだよな。
生前は勝ち組だった気配を感じるぜ!俺の敵!
おっと、そういえば初めて守護神について説明するんだった。
実は守護神は神というより、死後の人間が神に認められてこの世に送られる存在らしい。
まぁでも俺は守護してるというより取り憑くに近いと思っている。
だって俺の守護神(?)全然守護してるとこ見たことないし。
俺に付いてくるだけの存在だもんな。
しかし、一概にそうとは言えない。
だって他の人の守護神は家族以外で見たことないんだもん!
とまぁそれはおいといて一人にヒトリの守護神が憑いて...いや、付いているらしい。
が、俺にはなぜかほんの数人しか見えない。
ある程度親しくなった人間の守護神は見えるのだ。
おっと、自分には親しい奴が少ないという地雷を自分で踏みましたよー。
てか、もうこれ幽霊なんじゃね? 幽霊でいいじゃん。
守護神って名前つけた人の頭の中はお花畑かよ。
とまぁ結局守護神てのは……
「あぁぁぁ! ちょっと待ってください! ストップストップ!」
──ん?
後ろから聞き覚えのある声が……いや、聞き間違いだな。
それに自分じゃなくて他人に呼びかけてるのに振り向いてしまうってことはよくあるからな。
あれの恥ずかしさは異常。
世界三大恥辱の一つに認定されるんじゃないかってレベル。
もはやトラウマ。
「待ってくださいって! じゃないと守ってやりませんよ!」
はぁ……今度は聞き間違いじゃないようだ。
「おい。 おまえが寝坊しただけだろうが。 なんで俺のせいなんだよ、あぁ?」
振り向くとやっぱりユイだった。
いや、これで間違えてたら学校一週間休むけど…
むしろ合ってても休みたい。
「ヒイィ! いやぁぁ天馬くん、なんて顔してるんですかー。折角のハンサムが台無しですよ!」
……めっちゃ汗かいてる。
それにしてもこいつの服は家でも外でも同じなの? オバケのQ〇郎なの?
勝手に洗浄される機能とかついてんの? なにそれ欲しい。
「いや、もともとハンサムじゃないし。そしてもう一つ。 別に守ってもらわなくて結構! てか守ってもらったことなんてないし。」
いちおうハンサムではないということを付け足しておく。
だってあれだよ?
ハンサムだったら今頃俺の周りには女子がきゃっきゃうふふしてるはずだよ?
本当にハンサムは羨ましい限りである。死ね! リア充。
「……いぃやいやいやいやいや!そんなことないですよ! ハンサムじゃないことは認めますけど。天馬くんが気づいてないだけで影では猛烈に戦ってるんですよ!」
ボクシングで見たような構えを取り、なんかパンチしたりキックしたりしている。
ハンサムじゃないのは認めるのかよ。
もう自分で嘘ついてることバラしちゃってるぞ、それ。
「おまえはいつも俺のそばにいるじゃねぇかよ…」
ヤベッ! 変なことを…
「急に告白ですかっ⁉︎ 恥ずかしいのでやめてくださいよー」
案の定の返しだった。
てか、なんで顔赤くしてんの? こっちまで恥ずかしくなるからやめて!
「ああぁもう帰りたい」
「何を言ってるんですか。今から学校じゃないですかー」
さっきまで春の陽気にあてられて気持ちよかったのに、今じゃ地獄の炎にあてられている気分だ。
俺だけ暗い気持ちで俺たちは学校に着いた。ほんっとにこいつはいい根性してやがるぜ。
「いやーやっぱり学校は落ち着きますねー!」
ここ、おまえの母校じゃないだろうが。
「あれー? なんで返事してくれないんですかー? まさか…反抗期⁉︎ うちの子もそんなに育っていたのね…。母さん感激!」
……っ
「うっせぇよ! そもそもおまえは俺の母さんじゃねえだろうが!」
はっ! やってしまったか! 周りの人にはユイが見えてないことを忘れてた!
「……え、なにあの子」
「なんだろーね 急に叫んだりして」
しまった! たくさんの人が俺を見ている!
ここであの先端が光るやつでも持ってたら…!
あ、このネタ分かる人にはわかると思います。
ってそれどころじゃねぇ!
「あ、すいません! すいません!」
咄嗟に謝罪したが、時すでに遅し。
もう汚いものを見ているかのような目で見られていた。
「プっ……クスクス…アハハッ……ッアハハハハハハハハ!!!」
ユイは爆笑しだした。
くっそぉ! 俺の身にもなって見やがれ!
俺の機嫌は朝から最高に悪かった。
そうして俺は無事に学校についた。
いや、全然無事じゃなかった。主に精神面が。
頭に血管が浮き出てくるのを何とか抑えてクラスの微妙に立て付けの悪いドアを開けた。
「おはよう! 天馬くん!」
「お、天馬じゃねぇか! おはよう!」
「お、おう おはよう」
最近、よく話しかけてくれる二人が挨拶してくれた。
最初に話しかけてくれたのは(ただの挨拶)、同じクラスメイトの坂本あかり。
クラスの中心人物である。
美しさとかわいさを兼ね備えた彼女はクラスの中でも断トツの人気を誇る。
特にうちの制服は県内でもトップレベルのかわいさだと評判らしい。
どうせなら学ランも変えて欲しい。
噂によると性格も優しく、男子だけではなく女子も惚れると言う話だ。
ファンクラブとかもできちゃってるレベル。
そして便乗して話しかけてくれたのは(何度も言うがただの挨拶)秋山 遼だ。
彼は……特に特徴ないな。
一つ挙げるとすれば髪がツンツンって感じだな。
ツンドラ気候かよ……
ついでに言うと、バスケ部所属らしい。
まぁ秋山が仲良くしてくれるのは分かる。
だが、坂本が話しかけてくれることについては少し理解するのに苦しむ。
なぜ彼女のようなリア充中のリア充がどこにでもいる思春期真っ盛りの俺に話しかけてくるのか。
もしかして俺のこと好きなのかな?
うん。そうだ。そうに違いない。
んなわけあるかよ……
これについてはもう少し探ってみる方が良さそうだ。
「はぁはぁ……天馬くん、早いですよー。いくら怒ったって守護神であるわたしを置いていくとは何事ですか!」
ユイがクラスに到着したようだ。
しかし、ここでまたあのような辱めを受けようなわけにはいかない。
ちなみに俺はMではない。……はず。
俺は誰にも聞こえないような声で注意した。
「おい! ここはクラスだから喋りかけんな! 頼むから静かにしといてくれ!」
「えぇー天馬くんとお話しできないなんてつまんないー! チェッ! もういいや! 友達と遊んでこよーっと」
はぁぁ……
やっとまともな時間が手に入れることができた。
ってえぇ? こいつ友達いんの? その友達って神様なんじゃね?
俺とも友達になってください。
どうも。こんばんは。
弦間 和将です。
それにしてもやっぱり新キャラが多すぎるな……
それでも直さない俺は実はメンタル強いのでは?
来週はテスト。テスト期間に突入です。
それでは、そろそろ寝ますかね。
夜も遅いことですしおすし。
おやすみなさい。
六月某日
岡山県某所にて
心の中をあらわにして
エロマンガ先生を読みつつ
弦間 和将