第3話 甘い生活
俺には夢があった。
明るくて素直な、俺にとっては誰よりも可愛い彼女。
そんな彼女といつか結婚し、平凡でも温かくて笑いの絶えない家庭を持つ。
仕事が終わって帰宅すると、子供達が玄関まで走ってきて、
娘「パパ、お帰りなさーい。一緒にお風呂入ろうと思って待ってたんだよー。」
息子「ずるいよ!お父さんは僕と入るんだよ。ねぇ、やっぱり男同士が一番だよね?」
俺「じゃー、お母さんも一緒に四人で入るか!」
妻「私は駄目よ。まだやることが残ってるんだから…。お疲れでしょうけど、二人をお願いね。」
妻は、そういう労いの言葉を忘れない。
それは、愛があるから…。
愛があるから、寝る前にマッサージだってしてくれる。
勿論、俺にだって愛がある。
だから、家事や育児に疲れた妻の肩を揉んであげて、ついでに他のところも…。
あー、我が家は今日も家庭円満。
それなのに…
今、アパートのドアを開けると素っ裸の彼女が飛んでくる。
「まーちゃん、お帰りー!寂しかったよ〜」
彼女は俺の周りのグルグル回り、最後に抱きつく。
抱きつきながら、少し俺の体に浸透している。ギリギリで止めるのは修行が必要なようだ。
これも悪くないが、贅沢を言わせて貰えば、エプロンを着けて欲しい。
裸にエプロン…一度はやって欲しい男のロマン。
「ただいま!暇だったら外に出てみればいいのに…」
「何を言ってるの?私、裸だよ?もし、誰かに見られたらどうするの?」
「だって幽霊じゃない。」
「霊感がある人だったら見られちゃうよ。例え幽霊になったって、嫌なものは嫌なの!私、まだまーちゃんにしか見せてないんだからね。」
「はいはい、分かったよ。」
そう言いながら、俺はさっきコンビニで買ってきた弁当とデザートを広げた。
「やったー!今日はレアチーズのシュークリームだ。」
俺が弁当を食い終わったのを確認すると、
「ねぇー、もう入っていい?」
「いいよ。」
俺が返事をしないうちから、俺の体に入り込み、俺を遣ってスイーツを食べる。
食いしん坊の彼女が、どうしても食べたくて始めた技だ。
その間、俺は不思議な感覚でいる。
少し怠くて、後は…ナイショ。
「まーちゃんとHしたいなぁ〜」
「こら、そんなとこから顔を出すな!俺の体が変化する。」
「もう変化してるよ?可愛いッ」
可愛いのはどっちだ。
「ねぇ、今、私が可愛いと思ったでしょう?まーちゃんの体に入ると、まーちゃんの心の中がよーく分かるんだよ。ごめんね。触らせてあげられなくて…。
せめて、これでも眺めて気持ち良くなって!」
また、彼女が小悪魔になった。
しかも、俺好みの……。
すいません。ちょっと暴走しています。