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第4話:覚醒しました!

side-アンナ-

それは夜に突然起こった出来事だ。いきなり頭に助けを求めるような声が聞こえてきた。声の主は若い女の子のような高さがあり、かなり切羽詰まった声だ。だも目の前に座っている両親は平然とくつろいでいる。

俺はおかしいと思いつつ、両親に話しかけた。


「あの、女の子が助けを求めている声が聞こえるんだけど。しかもかなり焦った声が聞こえる。助けに行きたい」

「女の子の声?聞こえないな。お前は聞こえるか」

「いいえ。聞こえないわ。本当に聞こえるの」

「どんどんはっきりと聞こえてくる。早く助けに行かなきゃ」

「だめよ、昼の件もあるから、夜の外出は認めないわ」

「いや、行かせよう。声がする方向はわかるか?」

「あなた!?どうして許可を出すの?どう考えても危険があるでしょ!」

「男が言っていたのだろう?魔人に覚醒すると。ならもしかしたら、アンナは普通の人とは違っている可能性がある。声の主は助けを求めているいるなら、何か問題が起きているのかもしれない。逆に何もなければアンナ自身に問題があることになる。それなら確認する必要がある。」


えー、これ違ってたら危ない人認定されるの。ショックなんですけど。

でも、声がするのは本当にだし、今は仕方ないかー。


「そうかもしれないけど...もしものことがあり得るわ」

「だから俺たちがついて行けばいいだろ。これでも部隊長と補佐だ。戦力的には問題ないはずだ」

「...わかったわ。でも少しでも危険だと感じたら、引き返すことが条件よ」

「それでいい。それでどこから聞こえる?」

「窓から見える高い塔のもっと先、これ以上は行かないとわからない」

「その方角は森がある方向だな、時間が惜しい空から向かうぞ、アンナは俺が抱える」

「いや、母さんがいい!」

「おい!何わがまま言っている!?時間がないんだろう!!」


見た目は確かに母さん似で女性だけど俺は男です。男に抱えられるなんて気持ち悪いだろ!


「記憶を失っても年頃の女の子なのね(笑)わかったわ、私と一緒に行きましょう」

「おまえまで!?てか今(笑)とか言っただろ!」

「さぁ?とにかく急ぎましょう。案内お願いね。アンナ」

「よろしく!母さん」


母さんに掴まって空を飛んだ。初めて空を飛んだけど、すごく気持ちがいい。

空の旅を楽しんでいると母さんから「場所は?」と聞かれたので、声に集中する。


「森の方から声がする。しかもかなり奥の方」

「わかったわ。あなたも聞こえたわね?」

「..あぁ、わかった」


父さんはしょげていた。いや年頃の女の子を抱えれないでしょげるなんてなんと、大人げない

森の上空を飛んでいると、声の主を見つけた。


「あそこ!あの大きな狼がいるところ」

「「な!?」」


両親は驚きを隠せない。目の前には2匹の白い狼の魔物がいた。一体は全長2mくらいあり、傷だらけでぐったりしている。そのそばでは一回りくらい小さい狼が吠えている。サイズはともに小柄・・だが、美しい白い毛並みを持ち圧倒的な魔力を感じる。おそらくまちがいない。さすが夫婦、感想もぴったりである。


「「災害級!?」」

「あの子が助けをもとめている。降りて」

「まてまて、これはやばい、引き返すぞ」

「いいから早く降りる!!時間がない」


俺は母さんに掴まっていた手を離さした。そのまま落ちたあと、地面に激突..することはなかった。

小さい方の狼がキャッチしてくれた。


『お姉ちゃんが怪我して動かないの、助けて』

「わかった、とりあえず、様子をみせて」


俺は大きい狼のお腹にふれた。息をしていない!?

「いつから呼吸止まってた?」

『さっきまではしてたよ、早く助けて』


ということはまだ心臓マッサージすれば、まだ助かるかも?

でもどうやってやる?そこで閃いた。


「ちびっこ、ちょっと触らせて。魔力流すから体全体に巡らせて。それを頼りに心臓の位置を割り出すから」


『よくわからないけど、魔力を流せばいいんだね』


よし魔力でCTスキャンのように全体を把握することができる。俺は小さい狼で構造を把握し、動かない狼の心臓の位置を特定して心臓を魔力で強制的に動かす。そのまま体全体に魔力を流し、傷をふさぐことをイメージする。

するとゆっくりではあるが、傷がふさがりだした。

これはいけるかと思ったとき、自分の体に異変を感じる。二体の狼に魔力をながしてるから、消耗が激しい。やばい、意識が飛びそう。


気合でもたせていると目の前が真っ暗になる。やってしまったと思ったが、俺は目の前にはただ真っ白い景色に包まれた。


「ここは?」

『ここは資格があるものだけが来れる場所さ』


声がした方向を向くと目の前には大きな扉があった。

そして扉の前には白い人の形をしたものがいた。


「アニメで見たような光景だな」

『あながち間違いではないよ。これは君がイメージして作ったものだからね。だから見覚えがあるのも当然さ』

「そしたら、何か対価を差し出せば力をくれるのか?」

『それはアニメの見すぎだよ。この扉先はどこにつながっていると思う?』

「天国とか」

『正解(^^♪』

「いやちょっとまて、え、俺死にかけてるの?」

『そうだよ。このままだと君も(・・)この扉の向こう側に行くことになる。』

「君も?他にも誰かいるのか?」

『いたじゃないか。君の目の前に』

「もしかして大きい方の狼がいるのか!」

『さすがだね。その通り。このままだと助からない』

「助ける方法はないのか」

『あるよ、ただし対価がいる。』

「やっぱりあるじゃん!!さっきはないような雰囲気だったくせに」

『はっはっは!でも対価に何を差し出すかは君が決めるんだよ。僕に何をくれるのかな』

「..何がほしいんだ?」

『そうだね、今回はあの狼ちゃんを助ける必要があるし、お互いwin-winなものにしよう。右腕と右眼でどうだい?』

「それはその二つがなくなるってことか?」

『違う、違う。僕と同化するってことだよ。今の君では門の先を見ることも行くこともできない。だから右眼を右腕を同化させて、見つけて右手で狼ちゃんの魂を引っ張ってあげればいい。どうする?時間が経つにつれてどんどん狼ちゃんの魂は扉の先に行ってしまうよ?』

「わかった。なくなるわけじゃないし、時間もない。その提案乗ってやる。」

『契約成立♪それじゃ、手をつないで』

「おう」


手をつないだ瞬間、お互いの体に異変がおきた。相手の体は右目が翡翠色になり右腕が、人の手の色を取り戻していた。逆に俺の右手は形はあるが白くにごった透明になり、右腕と右眼が熱い。おそらく右眼も白く濁ったような眼になっているのだろう。


『さて本当に時間がない。説明するよ。君は晴れて魔人になった。その右腕と右眼は膨大な魔力の塊と言っても差支えがない。そして..』

「門から狼の魂を引っ張ればいいんだな」

『OK!じゃあ扉を開けるよ、左眼は閉じて右眼で集中してみれば見つかるよ』

「わかった、始めてくれ」


扉が開く。そこで見たのは幻想的な光景で無数の光の玉が存在していた。色も様々ある。見ていると自然と中にひこまれていく感覚がある。やばい、早くみつけないと!どれが狼の魂だ?

集中しろ!狼の姿をイメージするんだ!

一つの光の玉が近づいてくる。これか!

俺は右腕を突っ込んで、光の玉をつかんでひっこ抜く。

そして扉がしまった。手に握っていた光が消えていく。


「うまくいったのか?」

『無事、扉から魂を引き出せたみたいだね』

そういって笑いかけてくる。

「そっか。ふぅ、よかった」

『おやおや、次は自分の心配をした方がいいよ』

「あ、俺も死にかけてるからか!やばい、どうやって戻るんだ」

『それは心配しなくても自然に戻れるから問題ないよ。それよりも君は他の魔人よりも一歩先に進んでしまった。』

「どういうことだ?」

『魔人の入り口は自分の魔力の上限突破を行うこと、そして次のステージは私に会うことさ』

「は?俺は魔力の上限突破なんてしてないぞ」

『君は正規ルート(・・・・・)でここにきたわけじゃない、偶然の副産物でたどり着いただけさ。

 そして、私と契約を交わしたことで、魔力の上限突破行い、魔人の仲間入りを果たしてってわけさ。

 ただほかの魔人はまだ私のところに辿りついてないから、君が一歩リードしてるね』

「え、なにその嬉しくない情報。俺がやりたいのはボッチから脱却することだぞ」

『その願いは自然と叶うんじゃないかな。これから君のもとには、さまざまな人達が集まるだろうね』

「いや、それ絶対厄介ごとに巻き込まれるパターンだよね?そんな主人公的要素はいらん!普通の人で普通の友人がほしい」

『はっはー、もう普通の人間辞めてるんだから諦めるんだね!それじゃ、またね』


そして俺は光に包まれた。..よく光に包まれるな、俺などと物思いにふけながら消えた。


side-扉の門番-

『無事、戻ったみたいだね。満足かいルナ(・・)


そういって話かけると、残念貧乳天使がそこにいた。


「思ったよりも早い邂逅でしたね。優しい提案で助けるなんて意外でした」

『別に優しい提案をしたつもりはないよ。この右眼があれば、向こうの世界が見れるし、手には感触もあるからね。いい暇潰しになるよ。それに彼は聞いてこなかったけど、二度と元には戻れないからね。まぁ、彼の性格ならあまり気にしないかもしれないけどね』

「でもこれで世界の停滞を解消することができます。あとは運命ぞ知るってやつですね」

『相変わらずそっけないね、もてないよ?』

「大丈夫です、私には二次元の恋人がいますから」

『..ほんと、相変わらずだね、それとも日本の文化がすごいのかな』

「それは否定しないです。では私はこれで失礼します」

『はいはい、またね』


さて、どんなものを見せてくれるか楽しみだよ。


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