表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
身代わり男装令嬢の憂鬱  作者: 蒼月
高校一年生編
4/110

生徒会メンバー

 カードキーを使って部屋に入り中を確認する。

有り難い事にこの学生寮は一人部屋となっており、部屋にはバストイレが完備されていた。

 部屋の中は結構広く、セミダブルのベッドとソファとテレビがあり、そして勉強机とその上にパソコンが置かれている。

 私は部屋の隅に置かれた段ボールの荷物をチラリと見てから、まず窓に向かいカーテンを開け放って窓の外を眺めた。

 この部屋はまあまあの高層階にあり辺りを一望出来たのだ。

 眼下を眺めるとまず目についたのは大きな校舎。


あそこがこれから三年間学ぶ場所か・・・。


 私はその校舎を期待と不安の入り交じった複雑な気持ちで見つめる。

 そして次に目についたのは、校舎から少し離れた所にある裏山であった。そこまで大きな山では無いのだが、自然豊かな場所で育ったせいかその青々とした山を見ただけで心が和んだのだ。

 暫く学生寮の周りを確認してからカーテンを閉め、そして入学式まで荷解きを始めたのだった。



───入学式会場の講堂内。


 ざわざわとしている周りの新入生達を横目に、私は静かに椅子に座ったまま壇上を見据えている。

 本当は私も周りの人と話して友達を作りたかったのだが、今は男装して男の振りをしている為、下手に話してボロを出さないよう徹底的に目立たない事を志しているのだ。

 だが実は私は知らなかった。周りの男子や女子がチラチラ私を見ている事に・・・。



 漸く壇上に一人の白い制服を着た男の人が上がった。するとその瞬間辺りから黄色い歓声が上がる。

 私はその声に驚き辺りを見回すと、新入生の女子や女子の先輩方が惚けた表情で歓声を上げながら壇上を見つめていたのだった。

 そして男子はと言うと、新入生の男子は皆唖然としながら同じく壇上を見つめ、男子の先輩方は皆尊敬と憧れの眼差しで見つめている。

 私はもう一度壇上に上がった人物を見た。

 その人物は演台の所で立ち、マイクを微調整して今にも話し出そうとしている。


「あの方は生徒会長の高円寺 雅也様だ・・・」


 近くにいた男子が呆然とそう呟いたのを聞いて、何故今壇上にいるのかが良く分かった。


なるほど生徒会長だからあそこに堂々と上がっていったんだ。しかし・・・何で皆そんなに大騒ぎしてるんだろう?ああ、そう言えば高円寺と言えばこの国でもトップクラスの大財閥の名前だった筈。ならばあの生徒会長はそこの御曹司なのかも。


 私はじっと高円寺を観察する。

長い髪を後ろに一つに束ねスラリとした体格に高い身長。そして顔立ちは確かに凄く整っていて美形なんだと分かるのだが、どうも絶世の美男美女の両親を小さい時から見続けていたせいで、美形顔に免疫が出来てしまっているのだ。

 しかし、生徒会メンバーだけが着れる白い制服は良く似合っていると思った。普通の生徒は紺色の制服だから余計目立つのだ。

 私は辺りの騒然とした様子も気にも止めず、平然とした態度で生徒会長を見ながら式が始まるのを静かに待っていた。

 するとこの状況が予想出来ていたのか、苦笑しながら辺りを見回していた生徒会長と一瞬だけ目が合ったのだ。

 その時、生徒会長は私の様子に少し瞠目していたがすぐに気を取り直して視線を外しマイクに顔を近付けた。


「静粛に!」


 生徒会長の美声がマイクから通された事で、一瞬にして辺りがシーンと静まり返る。


「では、これから入学式を始めます」


 そう生徒会長の開始の声と共に静かに入学式が始まったのだった。



───入学式から数週間後。


 数日前に生徒一人一人の成績を知る為のテストがあり、そして今日はその成績発表の日だ。

 発表は廊下の壁に成績順で名前が書かれた紙が貼り出される。

 私は人混みに紛れてそこから今の自分の名前を探す。

 すると大体中間辺りに自分の名前を見付けてホッと息を吐いた。

 実はテストの時わざと手を抜いて答えを書いていたのだ。

 それは何故かと言うと、テストの成績が良すぎて順位が上位になっているとどうしても目立ってしまうからだ。

 だけど手を抜き過ぎて逆に順位が下の方になっても、それはそれで目立ってしまうので適度に手を抜いて答えを書いておいたのだが、他の人のレベルが分からなかったので正直この発表まで不安な日々を過ごしていた。

 しかし、実際は予定した通り中間あたりの順位となっていたので、その順位表を見ながら心底安心し無意識に微笑んでいたのだ。

 だが私はこの時も気が付いていなかった。いつの間にか私の周りから人が離れ、遠巻きに私を見ながら顔を赤らめている人々がいた事を・・・。



 私が順位表を眺めていた時、突然後ろから黄色い声が上りすぐに辺りが騒然となった。

 その声に後ろを振り向くと、廊下の向こうから白い制服を着た四人組がこちらに向かってきているのが見えたのだ。


「きゃー!生徒会の皆様方よ!」

「ああ、今日も生徒会長の高円寺 雅也様はとても麗しいですわ」

「副会長の桐林 豊様も知的でクールでいらっしゃって素敵!」

「書記の藤堂 健司様、相変わらず男らしくて格好良い!確か去年一年生で剣道の全国大会優勝したらしいぜ!憧れるよ!」

「会計の榊原 誠様はとても年上に見えない程に、愛くるしく可愛らしいですわね」


 そう周りの人達が口々に言い、生徒会メンバーの事を憧れの眼差しで見つめていた。

 この学校では生徒会メンバーは、二年生と一年生の中から優秀な人が選ばれる事になっている。三年生は受験や家業の手伝い等に専念する為だ。


 高円寺 雅也 二年生。生徒会長。

 トップクラスの大財閥の御曹司。

 容姿端麗で文武両道。甘いマスクで男も女も虜にされる者が続出中。去年の生徒会長選で全生徒の票を全て得た伝説の人である。


 桐林 豊 二年生。副会長。

 最大手企業桐林グループの御曹司。

 成績優秀で全国模試はいつも上位に名前が上がっている。眼鏡を掛けあまり表情を変えないクールな美形。その雰囲気からなかなか人が近寄らないのだが、遠巻きで見ながら憧れるている女子は多い。既に会社を一社任され経営者となっている。高円寺家とは家族ぐるみで付き合いがあり本人同士幼馴染みの関係。


 藤堂 健司 二年生。書記。

 古くから代々続く旧華一族の御曹司。

 美丈夫で運動能力抜群。特に剣道の腕前は師範代クラス。いつも爽やか笑顔で誰とでも気さくに話すので男女共に人気がある。


 榊原 誠 二年生。会計。

 世界的有名な老舗ファッションブランドの御曹司。

 童顔な顔立ちで笑顔が可愛らしい美少年。自分の家のファッションモデルをしている。愛くるしい見た目で学園のアイドルのような存在。計算能力に長けている。


 こんな美形で家柄も凄い四人が、突然揃って現れたら辺りが騒然とするのも当然だった。

 だが私はそんな四人に全く興味は沸かなかったのだ。

 それよりも何故か私の周りがぽっかりと人がいなくなっていた事に驚き、皆が四人に意識が行っている内にすぐさま目立たないように人混みの中に身を隠した。

 しかしそんな私を一人の男の人が見ていた事など、この時は気付きもしなかったのである。

今回はここまでです。また続き書けましたら活動報告で更新のお知らせをします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ